授業は法学と民法の科目を担当しており、法学入門などの基盤教養を中心に教えています。また、講義の傍ら、デジタル社会における法制度の問題などについて、自身の研究も続けています。デジタル敗戦と呼ばれる我が国において、メタバースのNFT活用などに関する法的な問題は研究者の大きな課題。デジタル関連の問題は、日本よりも先に海外ですでに取り上げられていることが多いので、私は特にドイツを研究対象として学んでいます。日本は海外の問題が数年遅れでやってくるので、別の国の法制度と比較して考えていくことで、日本でも同じような問題が起きたときに、どう解決するかの手がかりにすることができます。新しい技術が生まれれば新しいトラブルも生まれます。そういったトラブルを先読みして対応策を考えることが、私たち研究者の課題なのです。
さまざまな専攻の学生たちに法律を教える原田先生。教える上で心がけているのは、具体例を出し、かみ砕いて丁寧に説明すること。「実際に起きた身近なニュースを法律に絡めて、どうしてこんなことが起こったのか? を説明したり、時にはクイズを出したりして興味を持ってもらいます」と原田先生。授業を通して学生たちに期待するのは、周りに流されず、自分自身の考えで自分の納得する結論が出せるようになること。「法律学に正解はないので、いろんな視点で物事を見て行動し、自己実現できる力を身に付けて欲しいです」と話してくれた。
法律の細かい知識よりも、「世の中でどんなことが起こっているのか?」に目を向けて「なぜこんなことが起きたのか?」「ここからどうなるのか?」など、社会の動きに関心を持っていくことが大切な学問です。
専門:法学専攻 民法 (財産法)/福岡県出身/修士 (法学) (立命館大学)/大学で歴史や世界史が学びたかったが、入試に嫌いな古文漢文があったことで断念し、現代文のみで受験できる法学部を選択。1年生の秋に、後に指導教員となる先生の影響で民法の面白さに目覚めたことで熱心に学びだす。大学時代はミステリー研究会に入り、今もリラックスタイムに国内外のミステリーをはじめさまざまな本を読んで過ごしている。