「ゲノム情報医科学研究室」の中でも私の研究の最終着地点は「がん根治」になります。近年、様々な新しい治療法の出現により、がんの治療効果は上昇してきていますが、根治しない症例も多くあります。がん細胞が生き残っていく分子メカニズムをより多く明らかにし、標的となるタンパク質(ターゲット)を見つけ、それをブロックする化合物を探索すること(スクリーニング)がより多くの治療薬の開発に繋がっていきます。患者さんの負担にならないよう副作用の少ない薬の開発を目指しています。
「面白いアイデアがあったら教えてね」と学生に声がけをした後は、各自が研究テーマに必要な情報は論文検索で調べたりしながら研究を進めていきます。実験が上手くいかない時は佐藤先生がアドバイスをしたり、学生自身も試行錯誤しながら解決していくことで課題解決能力が導かれます。研究室内では定期的に発表の機会が設けられたり、修士課程の学生は毎年学会でも発表。また、ジャーナルセミナーでは、トップレベルの科学論文を学生が分かりやすく紹介するなどプレゼンテーション能力を磨くことも大切とされています。
新たな治療標的や薬の種を見つける研究を行っています。何万個とある化合物の中から良いものを探索するために、柔軟なアイデアと探しぬく根性がある高校生のみなさん!私達と一緒に、新しい薬の種を見つけましょう。
東京大学理学系研究科博士課程を修了(博士〈理学〉取得)後、5年間「国立がんセンター研究所」へ。2011年から東京薬科大学 生命科学部「ゲノム病態医科学研究室」助教に就任し現在に至る。学生に自由な研究環境を与えられるよう心がけているのも、学生時代、自由に研究させてもらえたご自身の体験からだとか。オフの日はテニスやバドミントンを楽しむほか、研究室でも年二回のスポーツ大会に積極的に参加している。