
室本先生の研究室では、私たちの身体をまもる「免疫」の仕組みと、ウイルス感染症を分子レベルで解き明かす研究に取り組んでいます。免疫は身体をまもる重要な機能ですが、その働きが強すぎたり弱すぎたりすると、アレルギーや自己免疫疾患、がんなどの病気を引き起こしてしまいます。そこで、免疫細胞同士の情報伝達物質である「サイトカイン」に注目し、病気が起こる理由を論理的に探究しています。
目指しているのは、病気のメカニズムを解明し、将来の新しい治療法につなげること。なぜその病気が起こるのか、どうすれば治せるのかをデータに基づいて考える力を養い、薬剤師や研究者として社会課題の解決に貢献できる人材を育成しています。

本物の免疫細胞やウイルスを扱い、サンプルを抽出。教科書にはない最先端の解析に挑みます。
具体的な研究の中心となるのは、サイトカインの情報が細胞内へ伝わる「JAK/STATシグナル経路」の役割と制御メカニズムの解析です。細胞や動物モデルを用いた実験を通して、特定の分子がどのように病気に関わっているのかを詳しく調べています。
例えば、免疫細胞を培養して変化を観察したり、遺伝子操作や酵素阻害剤を用いたりしてメカニズムを探ります。教科書にはまだ載っていない最先端のテーマに挑戦できる点が大きな魅力であり、自分の手で「まだ誰も知らないこと」を明らかにする、研究の醍醐味を味わえる環境です。

サイトカインを加えた細胞の変化を観察。微細な違いから、病気が起こる仕組みを分子レベルで読み解きます。
室本先生が大切にしているのは、学生が主体となって研究を動かすことです。実験結果が出た際、すぐに正解を教えるのではなく「データから何が言えるか」を学生自身に問いかけます。学生は仮説を言葉にし、議論を重ねることで、受け身ではなく自ら答えを導き出す力を身につけていきます。また、本物の免疫細胞や最新の論文を教材として扱い、失敗さえも「次の仮説へのヒント」として歓迎する雰囲気の中で、試行錯誤しながら科学的思考力を磨いていきます。

データを見て「なぜこの結果か」を議論。すぐに正解を教わるのではなく、自ら仮説を立てて考え抜きます。
生物や化学が好きで、病気の仕組みに興味がある人に向いています。実験が予想通りにいかなくても落ち込まず、「なぜこうなったのか」と理由を探るプロセスを楽しめる人なら、大きなやりがいを感じられるでしょう。

うまくいかないことも大切な学び。予想外の結果こそ、何が事象の本質であるかを洞察する力を育てます。
室本 竜太教授(博士・薬学)
北海道大学大学院を経て2025年4月より現職に着任。
新体制となった研究室では、免疫学・微生物学・分子生物学を基盤に、自己免疫疾患やウイルス感染症の新たな予防・治療戦略の構築を目指しています。専門は免疫学や生物系薬学。基礎研究を通じて、病気を分子レベルで深く理解する力を養うことができます。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



