看護師としてアメリカの臨床の現場を経験し、現在も病院や高齢者施設など医療現場の最前線で活動しながら、学部生と大学院生の看護の授業を担当しています。コロナ禍において、看護師だけでなく、医療職、福祉職共にさまざまな制限の中で社会生活を送り、職場で感染者が出ないよう、感染対策に神経をすり減らしながら働いているスタッフが多いのは事実です。しかし、看護の仕事は決して大変な一面だけでなく、心と身体・精神・社会的に課題を抱えている人と共に、課題解決ができるように支援する職業です。目標を一緒に達成できたときの達成感の共有は、何事にも代えがたいものです。長い臨床の経験に基づいて看護の魅力を伝え、次の世代として働いていく若者たちが、医療の未来を自ら切り開いていけるようにサポートしていきたいですね。
「臨床の現場を長く経験しているからこそ、現場のリアリティをしっかりと伝えていくのが私の役割だと思っています」と塚本教授。たとえば、コロナ禍において看護師がどんなことに困っているのか? 高齢者施設などの福祉の現場はどんな状況なのか? などの実情を授業で伝える。「ただ教えるというよりは、学生たちとお互いに学び合える関係が理想ですね。そのためには、学生たちが自分の意見を言えることが一番大切です」と語る塚本教授は、どんな形であれ学生自身の主体性を大事にし、自分の意見を表明しやすい環境づくりを心がけている。
高校時代にいろんなことにチャレンジしてたくさん経験し、自分の強みや個性を磨いて欲しいと思います。医療は人間学にも通じているので、さまざまな経験や失敗も貴重な糧になりますよ。
専門:看護学
アメリカに渡り、地域医療や感染症HIVの診療看護師(ナース・プラクティショナー)として実践を積んだ看護のプロフェッショナル。帰国後、北海道医療大学での講師として15年。趣味は筋トレ。運動が好きで、帯広ハーフマラソンにも参加した。コロナ禍での感染対策のプロとして現場で働く傍ら、様々なメディアにもコメンテーターとして登場するなど幅広く活躍している。