アザラシとオットセイの給餌(エサやり)のほか、「アザラシのごはんの時間」というパフォーマンスでアナウンスも担当しています。仕事をしながらオットセイやイルカといった海産哺乳類のトレーニングについても勉強中。人と向き合うときと同様、動物と向き合うときも、それぞれの個性を尊重し、対等な距離感で接することを常に意識しています。動物のトレーニングには決まったやり方や正解がありません。先輩方のアドバイスを聞き、自分の実体験で感じたことを大切にして、何度も試行錯誤します。そのようなプロセスを経て、こちらの指示が伝わり、思い描いたパフォーマンスにつながったときは、大きな達成感と面白さを感じます。
飼育員を目指したきっかけは「登別マリンパークニクス」でした。小学生のときに家族で訪れ、魚たちが頭上を泳ぐ「アクアトンネル」を見て、あまりの美しさに感動!そこから水族館で働きたいと思うようになりました。以来、北海道内はもちろん、東京・大阪・沖縄の主要水族館へ行き、各施設のスタッフさんへ、水族館に就職するために、まずやるべきことを聞いてまわりました。すると、ほとんどの方が「まずは自分を知ってもらうこと」と回答。そこで水族館関係者と知り合うには専門学校が最適ではないかと考え、リサーチしたところ、北海道内外の水族館とつながりのある日登弘先生がカギセンで指導していらっしゃると知り、入学を決めました。
カギセンで授業や実習を担当してくださる先生方は、それぞれすごい経歴の持ち主ばかりです。その業界で知らない人はいない有名人揃いなので、話がとても面白いんです。特に、廣井修先生の「漁業技術概論」と、長谷川英一先生の「魚類生物学」を楽しみにしていました。もちろん、僕がカギセンに入学するきっかけとなった日登先生にもとてもお世話になりました。在学中、興味のあったクラゲについて研究していたのですが、日登先生のご紹介で、クラゲの展示で有名な「鶴岡市立加茂水族館(山形県)」へ勉強に行かせていただけました。そのような貴重な体験ができたこと、そして念願だった水族館に就職できたのも、カギセンのおかげです。
登別マリンパークニクス 飼育課勤務/海洋生物学科卒/2022年3月卒/好きなこと、興味を持ったことはとことん追求するという菊地さん。自動車も大好きで、かねてから探していたマニュアル車のローバーミニを最近購入したとのこと。「中古車なのでメンテナンスが大変で、雨の日にエンジンがかからなくなることもしばしばです。先日もドライブ中に止まってしまって、家までレッカーしてもらいました」。そんな愛車は、その日によってコンディションが異なる動物にどこか似ているそう。「手がかかるからこそ、愛着がわきます」と笑顔で話す菊地さんが印象的でした。