作風や作品をその人の持ち味として伸ばそうと自由に描かせてくれる学校
半田高等学校
森なぎさ 2017年度入学
●大学3年、就職活動をきっかけに美術の道を目指すことに。
大学は文学部の英米文学科で、学んでいました。大学に進学した時はあまり明確な目標も無くて、漠然と外国語を学ぼうと想い入学しました。大学3年生の時に就職を意識するようになり、何がしたいのかどこで働きたいのかがなかなか決まらなくて。
周りの学生は就活を始め、完全に出遅れてやる気を喪失していたある時、ふとテレビを見ていると、ある美大の先生が「美術というのは正解がひとつ、と決まっていないんだ」と仰っているのを拝見して「これだ」と思い、大学3年の冬に美術予備校に通い始めました。しかし、美術予備校は美大進学を目指す環境なので、美大に行かないなら続けていても仕方ないことがわかり、予備校の先生に相談して、予備校をやめて専門学校に通うことに決めました。
専門学校だとデザインを学ぶところが多くて、専門学校の中でファインアートを学べるところを探していて、創形に出会いました。そして大学4年の春から、大学に通いながらダブルスクールで創形に進学することにしました。
●ダブルスクールは大変だけど助けてもらいながら両立しました。
オープンキャンパスで創形の先生に相談して、ダブルスクールは大変だけど大学4年生はあまり授業がないので両立しながら頑張ることにしました。あまり授業が無いと言いながらも、取りたい授業を取っていたら結局大学にも週5日通っていました。ですが、創形の良いところは少人数制なので、私が大学に通っていることを先生が全員理解してくれていて、大学の授業があるから遅刻します、早退しますということにも対応してくれていました。
大学の授業はなるべく遅い時間の授業を取るようにして、1日作品作りの授業の時などは学校に居る間に何とか一作品作り終えて早退させてもらったり、休み時間や空き時間に残りの部分を仕上げたり、授業の時間に自分で作って空き時間に先生に修正してもらったり、と皆さんすごく良くしてもらいました。空き時間や放課後に制作していると違う科の先生や助手さんなども覗きに来てくれたりするので、1年生の間は皆に助けてもらいながら両立をしていました。
●創形は描きたいものを描かせてくれるところが好きです。
作風や作品をその人の持ち味として伸ばそうとして、可能性として広げようとしてくれているところ、自由なところがいいなと思って入学を決めました。
美術予備校にも通っていましたが、予備校は大学受験のための勉強なので、絵を描く上でのルールがたくさんあって、なるべく写実的に、ルールにのっとって描かなきゃいけなくて、私のやりたいことってこういうことじゃないなと思いました。なので創形に来て、自由に描くことを認めてもらえて、いまがとても楽しいです。
大学で学んでいた英語も、日本語とは違う音・言葉の響き・リズム感など面白いので、英語にも触れてみてよかったと思います。そういう目に見えない言葉の響きみたいなものを絵画専攻で学ぶ中で作品化できたら面白いかなと思っています。
●自分にとって一番魅力的な仕事の仕方を模索中です。
私は絵画専攻なので絵画の先生が一番近くにいるのですが、絵画の先生だけじゃなくて、アニメーションの先生やグラフィックの先生など、違う分野の先生にも話を聞くことができます。まだ作風も自分の進みたい道も定まっていないので、このまま油絵を描いていくのか、イラストレーションなど商業的に近いもので行くのかなど、色々なものに触れながら柔軟に考えていきたいと思っています。具体的には絵画の授業だけではなく、イラストの授業に出てイラストの作品を作って講評してもらったりとか、パソコン室でアニメーションの先生に作品を見てもらったりとか、今は色々迷っています。
最終的には一つに絞らなきゃいけないと思うし、あまり広く浅くではなく強みを見つけた方がいいとは言われているので、何が自分に向いているのかを模索中です。
働き方と、どういう媒体で作品を世の中に出していくことが自分にとって一番魅力的なのかを考えています。
先生は皆さん学校の外でもお仕事をされているプロフェッショナルな人達なので、どういうスピードで仕事しているのか、例えばこのタイミングでクライアントから仕事が来て、このタイミングで納品しなきゃいけないみたいなこともすぐそばで見られるので、それも大きいなと思います。
●学校で一番好きな場所はアトリエです。
絵画専攻は自分のスペースが特に広くて、自由に使わせてもらえているので、アトリエが一番好きです。
森なぎささん 愛知県立半田高校出身、青山学院大学在学中からダブルスクールで創形に通う。
写真は①森さんの作品と②アトリエで③教室で