現在プロデビューをし、マンガを描いています。マンガはペン1本と自分の想像力で絵、ストーリー、世界観を作り上げ、読む人の心に訴えかけることのできる点が魅力です。マンガを描く作業は個人作業で孤独なのですが、自分の作品が老若男女を問わず多くの人たちに読んでもらうことができ、いろんな感想を持ってもらえるのがやり甲斐だと思います。僕自身はホラーが好きで、人を驚かすことが昔から好きでした。マンガを通してそんな驚きを、読む人に感じてもらえればいいなと思っています。とにかくより多くの人たちに自分のマンガを読んでもらって、ぜひともいろんな意見をもらいたいですね。
やはり同じ目標を持った仲間と一緒に学べたことが、自分にとって良かったと思います。同じ目標といっても、描く内容や表現方法、そして実力も異なります。同級生の作品を見て、常に刺激を受けていました。また、僕のデビューのきっかけも実は学生時代にありました。授業でマンガの描き方を学ぶだけでなく、学外のコンクールなどに積極的に応募する雰囲気が学内にはあるのですが、2年次にそうしたコンクールの一つで受賞することができたのです。それがきっかけとなって、ある雑誌社の編集者の方が僕の担当になりました。夢のような話だったプロデビューが、現実のものとなりました。
「マンガ家をめざす」って、かなり狭き門といった印象があると思います。僕も入学前は不安な気持ちがありました。けれども不安よりもやってみたいという気持ちが勝ったので、それまでマンガを描いた経験もなかったのですが、本気でめざそうと思えたのです。ただ、実際にマンガ家をめざす学科で学んでいると、デビューのチャンスは想像以上にたくさんあります。また最近はネットやスマートフォンなど、雑誌以外にもマンガを発表する場所が増えています。何よりマンガを中心としたサブカルチャーは、日本を代表する文化の一つとして世界中から注目を集めています。デビューのチャンスは決して少なくない。あとは、本人のやる気次第なんです。
マンガ家(フリーランス)/マンガ科/2013年3月卒/デザイン系の高校で学んでいたものの、マンガを描いた経験はほとんどなかったという渡辺さん。「中学・高校と吹奏楽部に所属していて、空いた時間に少しイラストや絵を描く程度でした。でも高校3年生になってマンガを描きたくなって。それで日本デザイナー学院で学ぼうと思いました」。在学中に応募したコンクールで入賞したことがきっかけとなり、雑誌社の編集者と知り合い、マンガ家デビュー。