東京吉兆で12年間、和食の料理人として包丁を握ってきました。その後は服部栄養専門学校で教壇に立ちながら、テレビ番組の料理監修や料理講習会を通し、日本料理の魅力を広められるような活動をしています。「器は服であり、料理は人である」と考えており、美味しさに加えて食器に盛った時の美しさもまた料理の魅力で、服を選ぶように器を選ぶことの大事さも授業の中で伝えています。私自身料理の業界に身を置いていたこともあり、また、服部での仕事を通じて長年培ってきた業界との関係値もあります。学生が就職を希望している店舗に依頼して、学生にとって職場がマッチングするか確かめられる機会をつくったり、学生が働きやすいと感じる環境で活躍してもらえるように計らっています。
日本料理には、生、煮る、焼く、蒸す、揚げるという5つの調理法があり、それを基本として教えることがほとんどだと思われています。しかし西澤先生の授業では、スチームコンベクションを使ったり、もちろん基本は押さえながらも、調理現場で広く使用されている機材を導入したり、トレンドを取り入れるようにしているとのこと。「それが現場でも活かされますし、料理の可能性や楽しさを広げることにもなると思っています」と話してくれた。
写真入りの料理本が主流かもしれませんが、あえて文字だけで表現されている料理本を手に取ってみよう。料理への向き合い方や考え方、歴史、世界観などが詰まっていて、新しい発見の宝庫ですよ。
専門分野:日本料理
服部栄養専門学校 調理師科卒業後、日本料理の名店「東京吉兆」の門を叩く。帝国ホテル店で5年、西洋銀座店で7年の勤務を経て同校で日本料理を指導。海外での日本料理講習会の講師やNHK朝の連続テレビ小説や情報番組「あさイチ」の料理指導を行うなど幅広い活躍も。著書に『つくってみよう!和食弁当 魚のお弁当』など。