YouTubeクリエイターになるには? 職業にするには? どんな能力が必要なの?
YouTubeを1回も観たことがない、という高校生はいないほど、身近な存在の動画投稿サイト。YouTubeクリエイターになってみたい、YouTubeクリエイターに興味があるという人も多い。
そこで、YouTubeクリエイターになるには、どんな能力が必要なのか?
YouTubeを始めるには、どんな機材が必要なのか?
気になるYouTubeクリエイターの収入やYouTube配信を職業にして稼ぐには、どうしたらいいのか?
みんなのギモンを解決しよう!
目次
みんなはYouTubeクリエイターについてどう思ってる?
高校生エディタ129人にアンケート調査をしたところ、「YouTubeクリエイターになってみたい、または、興味がある」と答えた人は59人で、半分近い人がYouTubeクリエイターに関心をもっている。
その理由としては、
「話すのがとても好きだから。自分の話したいことを誰かに聞いてもらいたいから」(高校3年生・nabemi)
「動画編集とかも好きで、いろいろな人に楽しんでもらいたいから」(高校3年生・なーさん)
「勉強動画をあげてみたい。視聴者に役立つ動画で、自分にとっても勉強時間が増え、お金を稼げるのは最高だと思う」(高校2年生・きっきょ)
「美容系YouTubeクリエイターの方とかは、他人から見られることでモチベーションになると思うし、美容に関する自分の体験がそのまま誰かの参考になることがすごくいいことだと思うから」(高校2年生・すうたん)
「YouTubeクリエイターの方々は、とてもイキイキしているように見えるし、疲れたときやしんどいときに動画を見るだけで元気をもらえるから」(高校1年生・キング)
興味はあるが、なかなか行動までは踏み出せていないという人が多い印象。
そこで、2021年4月に、動画クリエイターやインフルエンサーなど、SNSを活用して自らが情報発信メディアとなる人材を育成する専門コースを開講したバンタンクリエイターアカデミーの大土呂 学さんに、YouTubeクリエイターなるにはどうすればいいか、YouTubeクリエイターに必要な能力や機材、気になるYouTubeクリエイターの収入など、みんなのギモンについて聞いてみた。
YouTubeクリエイターになるには?
YouTubeクリエイターになるために必要な資格は?
YouTubeはGoogleが提供しているサービスなので、まずGoogleアカウントを取得して、自分のYouTubeチャンネルを作成。
自分が制作した動画をYouTubeチャンネルにアップロードすれば、誰でもYouTubeクリエイターになることができます。
ただし、YouTubeでお金を稼ぐには、一定のチャンネル登録者数と総再生時間などの条件をクリアすることが必要です」(大土呂さん)
YouTubeクリエイターになるために必要な能力は?
たくさんの人に動画を見てもらうには、まず自分のYouTubeチャンネルを見つけてもらうことが一番の課題です。
どんなにおもしろいこと、スゴイことをやっていても、YouTubeクリエイターが急増しているなかで、膨大な数の投稿動画から自分の動画を見つけてもらえなければ、再生回数は増えません。
例えば、芸能人や著名人のYouTubeチャンネルで、出演者の画面映えや表現力は十分なのに、再生回数1000回ほどという動画も多くあります。
見たらおもしろいのに、その芸能人や著名人のファンも多いはずなのに、検索にひっかからなければ誰にも見てもらえないのです。
まず、YouTubeの視聴者が動画を検索したときに、できるだけ上位に出てくるようにしなければ、自分の動画を見つけてもらうことはできません。
そこで、「今、何が流行しているのか」「どんな動画がよく見られているのか」などの世の中の動きをきちんと調べるマーケティング能力が求められます。
人気動画をしっかり調査して、関連した動画、検索されやすい動画を作ることが、たくさんの人に見てもらう第一歩なのです」(大土呂さん)
YouTubeの動画を制作するのに必要な機材は?
・動画撮影用のカメラ(スマートフォン可)
・マイク(なくてもOK)
・ライト(なくてもOK)
・動画編集ソフト
それ以外にそろえたいのは、マイクとライト。スマートフォンの内蔵マイクだと周囲の雑音も入ってしまうことがあるので、専用のマイクを使うと音質が上がります。ライトは画面を明るくしたり、肌の色をきれいに見せるために使います。
マイクは1万円程度、ライトは数千円程度のものでも、専用の機材を使うとクオリティが格段に違ってきます。
種類が多くてどれを選べばいいかわからないという人は通販サイトなどでランキングが上位のものを選ぶのもひとつの手ですね。
動画は、iPhoneに入っているiMovieでも編集可能ですが、本格的な動画編集をしたいなら、Adobe Premiere Pro®などが使えるようになるといいですね」(大土呂さん)
1本の動画を制作するのにかかる時間は?
慣れてくれば各3時間ずつで作成できるようになりますが、最初は丸1日かかると思います。その前に企画を考える時間も必要なので、休日に何本かまとめて作るといいですね。
撮影した動画をつなぎ合わせて、字幕を入れて、音楽を入れて、といった編集作業は独学でもできますが、テレビCMやMVのようなクオリティを求めるなら、スクールなどでプロの編集技術を学ぶこともできます」(大土呂さん)
YouTubeクリエイターを職業にするには?
自分のYouTubeチャンネルを作成して、動画をアップロードすれば、誰でもYouTubeクリエイターになれる。
しかし、お金を稼いでYouTubeクリエイターを職業にするには、たくさんのチャンネル登録者数と再生回数を獲得しなければならない。
YouTubeでどれくらい稼げるの?
動画が再生される前や途中にCM(広告)が流れることで、再生回数に応じて収入が得られます。
金額は非公表ですが、1再生あたり0.1円~0.3円だと言われています。
例えば、1日1本の動画をアップして、1本あたり1万回再生されれば、1カ月で30万回。
1再生0.2円だとすると、0.2円×30万回で、1カ月あたり6万円の収入になります。
1本あたり10万回再生される人気動画をアップできるようになれば、広告収入だけで1カ月60万円を稼ぐことができるのです。
企業から自社の商品やサービスを紹介してほしいと依頼があり、動画の中で宣伝すること で収入を得ることができます。
企業によって金額に差があり、1本あたり10万円~20万円程度と言われていますが、人気YouTubeクリエイターになると、その10倍以上になることもあるようです。
YouTubeで広告収入を得るには、
①18歳以上
②チャンネル登録者数1000人以上
③直近12カ月間の総再生時間4000時間以上
④広告掲載に適したコンテンツであること(違法な内容や不適切な動画などではないこと)
という4つの条件をすべてクリアしなければならないので、高校生の場合は、18歳になるまでにチャンネル登録者数を増やしていくことから始めましょう。
例えば、高校生向けのヘアケア動画で再生回数が1万回を超えたら、化粧品メーカーからヘアケア商品の広告案件の話がくるかもしれませんよ。
最近は、テレビや雑誌の広告よりもWEB広告に力を入れる企業が増えてきているので、広告案件は狙い目かもしれませんね」(大土呂さん)
※参照元:YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格
YouTubeでバズる動画を作るコツは?
なぜなら、誰もやっていないことは検索にひっかからないので、誰にも見つけてもらえない可能性が高いのです。
たとえ超有名YouTubeクリエイターでも、誰も見たことのない新しいコンテンツを作りました、と動画をアップしても、再生回数はあまり伸びないと思います。
例えば、食べ物の動画はおなかがすいたとき、お笑いの動画なら気分転換したいときに見ますよね。
では、今まで誰もやっていない動画は、どんなシーンで視聴者を楽しませてくれるのでしょうか?
使い方がわからないコンテンツは再生回数を増やすのが難しく、そもそも検索にひっかからないので、どんなに待っていてもバズることは期待できません。
検索にひっかかったり、YouTubeの動画を見ている人に『次はこれ』とおすすめされる関連動画に入れてもらえるようにするには、流行っている動画を参考にしましょう。
例えば、Google Trendsなどのサイトを見ると、今、どんなワードが検索されているか、トレンドを知ることができるので、YouTubeの検索ワードで上位にランクインしているキーワードを調べて、それに関連した動画を考えるといいですね。
一般的に人気の動画は、食べ物系、スポーツ系、メイク系など。
コロナ禍の今なら、自宅で簡単にできるエクササイズ系もよく見られています。
海外の人たちにも見てもらいたいのであれば、言葉を使わず身体で見せるお笑い動画などもいいと思います」(大土呂さん)
YouTubeの動画のネタはどうやって考えるの?
例えば、超有名YouTubeクリエイターでさえも、他の人のチャンネルでやっていることを自分もやってみました、といったオリジナルではない動画がたくさんあります。
もちろん、ネタ元のYouTubeクリエイターの許可を得て、そのチャンネルを動画の中で紹介することは必須ですが、人気動画を自分なりにアレンジするという方法もあります。
そのため、アイデアは外にあるので、マーケティングが重要なのです。
たくさんの人気動画を見て、今、何が見られているのか、みんなは何を見たがっているのか、どういう動画がおもしろいと思われているのか、どういうリアクションをするとウケるのか、しっかりリサーチして、ネタを探しましょう。
大人がやっていることを高校生なりにアレンジしてみました、というだけでも、目新しさがあると思いますよ。
昔のテレビ番組で人気だったけど今は放送されなくなったものや、もう見られなくなった人気芸人のネタを再現してみる、といった動画でもいいですね」(大土呂さん)
アンチコメントの対処法は?
YouTubeの場合、コメントを消すことができるので、アンチコメントは気にせず消して無視すればいいでしょう。
ただし、内容に関するコメントは目を通して、学ぶべきものがあれば参考にしてください。
YouTubeでは、チャンネル登録者数だけでなく、『高く評価』やコメントの数も評価の対象で、おすすめの動画に入れてもらえる判断材料になるようですので、良いコメントをたくさんもらえるようにしたいですね」(大土呂さん)
どうすればYouTubeクリエイターを職業にできるの?
企業から広告案件の声をかけてもらうには、最低でもチャンネル登録者数1万人は必要だと考えられます。
そこからスタートして、チャンネル登録者数10万人を超えれば、一般会社員よりも稼げる可能性がでてきます。
Instagramは投稿者と見る人の数がイコールに近いのですが、YouTubeは視聴者が圧倒的に多いので、チャンネル登録者数を増やす市場は十分にあります。
Instagramのフォロワー数10万人=YouTubeチャンネル登録者数1万人とも言われているので、他のSNSで告知して、見てもらいやすい媒体から誘導する方法も。
また、すべて自分でやるのではなく、動画撮影や動画編集は人を雇ってチームを組んだり、動画制作のプロダクションに就職するという道もあります。
テレビ番組の制作会社の場合、ディレクターやカメラクルー、映像編集者など、きっちり役割分担されていますが、YouTubeの動画制作会社では、WEBマーケティングから企画・撮影・編集まで、全部できたほうが重宝されています」(大土呂さん)
もうすでに流行っていることでも、高校生がやっているからおもしろい、とバズるかもしれないし、人気動画に自分の個性をプラスすれば違ったものができるはず。
まずは、人気YouTubeクリエイターの動画をたくさん見て、自分にできそうなことから始めてみては。
※2021年8月取材時点の内容になります。
※2021年7月スタディサプリ進路調べ
取材協力/バンタンクリエイターアカデミー
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