志願者数も増加傾向!注目される女子大学の「就職力」

2013年度入試では、昭和女子大学、日本女子大学、実践女子大学をはじめとする女子大の志願者数増が目立った。その背景にあると考えられるのが女子大学の就職実績だ。

 

例えば、昭和女子大学の2012年度の就職率は97.2%(就職者数964人/就職希望者数992人)。大卒者の就職難がクローズアップされていた時期も一貫して高い就職率を維持してきた。同じような傾向はほかの女子大学にも見られる。

 

この女子大学の「就職力」を支えているものは何なのだろうか? 昭和女子大学キャリア支援センター長の武藤空男さんに話を聞いてみた。

 

「女子大学ならではの強みの一つは、一般職を中心とした学校推薦求人があることですね。本学も大手を含む100社以上から学校推薦求人があり、例年120~130人はこの枠で就職をしています。また、教員組織と職員組織が連携し、一人ひとりの学生に対してフェイス・トゥ・フェイスできめの細かい指導やケアをしていることも共学のマンモス校にはない特色といえると思います」

 

同大学では、キャリア教育にも力を入れている。例えば、女性の社会人メンター(先輩の立場から助言・指導をする人)と交流する機会なども豊富に設けられているのも、キャリア意識の向上、就職率のアップにつながっているようだ。

 

一方、地方の女子大学でも高い就職率を誇る大学がある。家政学科と児童学科をもつ青森県の東北女子大学は2012年卒業生の就職率がなんと99.0%(就職者数100人/進学者を除く卒業生数101人)! 地方の女子大学の場合、やはり地元企業とのパイプが強いのかと思いきや、不況が続く県内での就職は半数程度。最近は関東圏での就職が増えているという。

 

「本学では開学以来ずっと担任制を敷いています。1学年100人程度の小さな大学ですので、担任が学生一人ひとりを見ながら、言葉遣いやマナーに関しては1年次から厳しく指導しています。はじめは『大学なのに厳しすぎる!』といった声も挙がりますが、年次が上がって教育実習や就職活動の時期になると、きちんとしたマナーが身についているという評価をいただくことが多いですね」(学生課/河内見地子先生)

 

就職した先輩の職場での評価も高いことが後輩の就職にも有利に働き、関東圏での就職も順調に伸びている。資格・免許を活かして教育機関や公的機関への就職を目指す学生が多いため、対象を絞った求人の開拓、目標に向けた一貫したサポートができるのも高い就職率につながっているという。

 

やはり女子大学ならではの強みはある。特に大学卒業後の就職に不安を感じている女子高校生にとっては、今後ますます有力な選択肢になっていきそうだ。