近い将来、大学入試や卒業要件に導入も!TOEFLとは?
●大学入試や卒業の要件にTOEFL導入の動きが!
英語力の検定・テストというと、英検(実用英語技能検定)やTOEICを思い浮かべる高校生が多いはず。
しかし、最近になってグンと注目度が上がっている英語力テストがもう一つある。それがTOEFLだ(読み方はトーフルまたはトフル)。
今、政府与党はさまざまな教育制度改革を進めているが、そのうちの一つが、大学入試や大学卒業要件へのTOEFLの導入。ニュースをこまめにチェックしている高校生なら目にした覚えがあるのでは?
ただし、導入されるかどうかはまだ検討段階で、想定でも2018年度くらいからと言われている。今の高校生に直接影響することはなさそうだ。
とはいえ、なぜTOEICや英検ではなくTOEFLなの?というのは気になるところ。それにこのTOEFL、留学を考えている人にとっては実はすごく大事なテストでもある。
そこでTOEFLとは何なのか?TOEICや英検とはどう違うのか?を整理しておこう。
●試験内容はアカデミックでかなり歯ごたえあり
TOEFLとは、アメリカ・カナダなどの大学・大学院で学ぼうとしている英語圏以外の国の人たちを対象とした英語力テスト。英語で行われる大学の授業について来られるだけの英語力があるかどうかを測ることがその目的だ。
つまり、中国人もインド人もフィリピン人もアメリカの大学に進みたいのならTOEFLを受験するというわけ。類似のテストもいくつかあるが、TOEFLが世界的に最もメジャーだ。
試験は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4部門。
リスニングの試験では、大学の授業での議論の一幕なども使われる。話の途中で別の人が意見を割り込ませてくるシーンなどもあり、その分聴き取りは難しい。
スピーキングでは、自分の経験に基づいた意見を述べる、学術的な内容の短い講義を聴き、要約して話すといった出題も。こちらも日本の英語テストにはあまりないタイプの試験だ。
このように、大学で学ぶことを想定して、学問寄りで実践的な内容となっているのがTOEFLの特色。
扱われるテーマも文学、社会、経済、美術、音楽、科学など幅広く、それぞれ専門的なボキャブラリーも求められる。英語でアカデミックな勉強をしたり、英語で論理的に考え、議論したりした経験がないと、なかなか太刀打ちできないのだ。
●TOEICハイスコアの人が苦戦するケースもよくある
英語でのコミュニケーション能力を測るTOEICにはライティングやスピーキングの試験はない。そのため、TOEICではハイスコアをマークしている人が、TOEFLでは苦戦することが実はよくあるという。
また、TOEFLは前述のように世界的にメジャーなのに対して、TOEICや英検は、あくまで日本の団体が作った試験。グローバルなレベルでの認知度には大きな違いがあるのも確かだ。
もちろん、今のところ日本企業で英語力評価の材料として浸透しているのはTOEICだし、3級以上にはスピーキングテストもある英検は、国内で英語の総合力を証明するならまだまだTOEFLより認知度は高い。それぞれにメリットはあるので、目的に合わせて受験することが大切。
●先行して推薦入試にTOEFLを活用する大学も
ただし、すでに国内の大学院入試ではTOEFLを導入している例も多く、神戸大学国際文化学部が2016年度の推薦入試の一部にTOEFLを導入することを決めるなど、先行した動きも出てきている。TOEFL重視の傾向はやはり無視できないところ。
なお、TOEFLは毎月数回全国の会場で実施されていて、誰でも何度でも受験可能。受験料は日本円で2万円強と安くはないが、今のうちから「TOEFL慣れ」をしておいても損はないかもしれない。