成績を上げる方法とは?テスト勉強・受験勉強に効く!勉強法20選!東大生講師がアドバイス

まじめに勉強しているのに、成績が上がらなくて悩んでいる人は多いと思う。

成績を上げたくても何からどう勉強すればいいのか、わからない人もいるのでは?

そこで、成績を上げるための勉強法を、偏差値39から現役で東大に合格した松島かれんさんに、聞いてみた。

どんな勉強をして成績アップをかなえたのか、テスト勉強、受験勉強の方法まで詳しく教えてもらった。

目次

【教えてくれるのは】
松島かれんさん
松島かれんさん
東京大学農学部4年生(2024年1月時点)
スタディサプリ特別講師
 
高校1年生の春、何ごとにも自信がもてない自分に悩み、自分を変えたいと思い、本気で勉強して東大合格を目指そうと決意。
通っていた高校は大学附属校で、内部進学者がほとんどという状況にあって、高校3年間の学習計画を立て、1日10時間~14時間の勉強を続けた。

最初のころはどう勉強すればいいのかもわからず、模試で偏差値30台を記録したこともあったが、努力が実って東大文科三類に現役合格(3年生で理科系に転じて農学部へ)。

大学入学後は、自身と同じような悩みを抱える中高生を応援したいと、スタディサプリ特別講師として活動。
このほか、リアルドラゴン桜プロジェクト講師や、全国各地で講演会を行う。
著書は『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)。

短期間で成績を上げることってできるの?

短期間で成績を上げたいと思っても、勉強した成果が成績アップという形になって表れるまでは時間がかかる。

個人差はあるが、数カ月以上はかかると思って頑張ってほしい。

また、成績は右肩上がりできれいに上がっていくわけではなく、ダウンしたり、伸び悩む時期もある。

頑張っても成績が思うように上がらないときもあるかもしれないが、落ち込んだりしないで頑張り続けることが大切だ。

松島さんは成績が上がるまでどうだったのか、聞いてみた。

毎日コツコツ、継続が成績アップにつながる

「私は高校1年生の春から東大合格を目指して勉強を始めましたが、なかなか成績は上がっていきませんでした。

模試を受けても結果はさんざんで、1年生のときの順位は下から数えたほうが早いくらいです。

数学は全然解けなくて偏差値39をとったこともあります。

頑張っても結果が出なくて、いっぱい泣きました。

でも、『いつかは、努力は報われる』と思い、1日10時間~14時間の猛勉強を続けたら、3年生の春に受けた模試で「前に解けなかった問題が解けるようになった!」と思えた瞬間があったのです。

模試の順位も上がり、3年の秋には東大模試で成績優秀者として名前が出るレベルまでいきました

成績を上げるためのポイントは?

成績が上がるためのポイントは、基礎をしっかり固めることとそのための勉強時間を十分確保すること。

成績が上がらない原因は一人ひとりさまざまではあるが、ほとんどの場合、勉強の内容が自分のレベルに合っていなかったり、勉強時間が不足していたりすることが多い。

従って、それらを解消し、自分なりの勉強のペースをつかむことがポイントになる。

勉強を習慣化する

「勉強時間を確保するには、勉強する習慣をつけることが欠かせません。

高校時代、私が決めたルールは、毎日必ず勉強すること。

勉強は筋トレと同じで、いきなり重いダンベルは上げられないけど、軽いダンベルから始めて、毎日続けることで、重いダンベルでトレーニングができるようになりますよね。

勉強も同じです。

忙しいときでも、毎日、ごく短い時間でも続けることで、勉強へのスタミナがついてくると思います。

1分、2分でも、『英単語を5個覚える』『数学の問題を1問解く』などできることはあります。

今日英単語を5個覚えれば『明日は10個覚えよう』、今日問題を1問解けば、「明日は2問解いてみよう!』と、意欲がわいてきて、勉強することが毎日の習慣になっていき、長く続けられるようになりますよ。

『自分には無理かも』と自信をもてない人は、まず、3日間続けることを目標にやってみてくださいね
勉強を習慣化する
※まずは勉強をする習慣をつけ、勉強を続けることが大事

自分なりの勉強スタイルをみつける

「勉強は『量より質』といわれることがありますが、私の勉強スタイルは『質より量』でした。

それには理由があります。

クラスメイトが1回の授業ですぐに理解できることが、私には全然わからなくて、先生に何度も教えてもらってようやくできるようになるということが多かったのです。

つまり、私はできるようになるまで、人より時間がかかるタイプなのです。

ならば、周りの人と同じことをやっていても成績は上がらないだろうから、勉強に質や効率を追求したりせず、量をこなす勉強でカバーしようと思い立ったのです。

1日の勉強時間は10時間以上、寝ているときを除いてほとんどの時間は勉強していましたが、『質より量』は私に合っていたと思います。

入試当日を迎えたとき、『私はこれだけ頑張ってきたのだから大丈夫!』と自信をもって試験に臨むことができました

応用へ進む前にしっかり基礎固め

「周りの人が難易度の高い問題集や参考書をもっているのを見ると、『かっこいい!』と思ったりするかもしれませんが、基礎ができていないのにうかつに応用問題に手を出すと、ハードルが高すぎてくじけてしまい、勉強が進んでいかない場合があります。

私も高1のときにそんな経験をしました。

そこで私は基礎ができるようになるまで、基本問題をひたすら反復。

科目によっては3年生になっても1年生、2年生のときの基本問題に取り組みました。

基礎を固めることができれば、応用まであげていくスピードは速かったです。

高校生の皆さんも、習熟度に不安があれば、基礎に立ち返って勉強することを恐れないでほしいな、と思っています
次からは、松島さんが具体的にどんな勉強をして成績アップに結びつけたのか、解説していく。

どれもすぐに実践できて、効果が出やすい方法なので、ぜひ、参考にしてほしい。

成績を上げる方法10選

成績を上げる方法10選
※日々の勉強法を工夫して、成績アップにつなげていこう
成績を上げる方法は、目標達成を意識して計画をたてること、勉強に集中しやすい生活リズムを知ること、スキマ時間を上手に活用して暗記勉強をすること、教科書を軸にして基礎を固めることなど、さまざまなポイントがある。

一つひとつ詳しく見ていこう。

1. 自分に合う勉強法をリサーチする

勉強を頑張りたいけど、何から取りかかったらいいのかわからないという人は、勉強本を読んでみることから始めてみるといいと思います。

私は高校1年になってすぐに東大受験を決心しましたが、どうやって勉強したらいいのか、全然わかりませんでした。

そこで、勉強本を読みまくってリサーチ。

本屋さんに足繁く通い、店頭にあるすべての勉強本の目次に目を通し、『この本、めっちゃ役に立ちそう!』と思えば迷わず購入。

図書館からも借りて読み、本のタイトルを聞けば『こういう勉強法が書いてある!』と思い浮かんでくるほど、調べました。

自分が続けられそうな勉強法を考えるうえで参考になったし、ステキな本が多くて楽しかったですよ」
 

2. 月ごとに目標と勉強計画を決める 

「受験勉強は長期間になるので、どう計画を立てたらいいのか、悩みどころだと思います。

私は高1の春から東大合格を目標にしていましたが、入試は3年後。

3年後の遠い先の目標だけではなく、1年後、1カ月後の近場の目標を作って、勉強計画を立てました
松島さんは、どのように勉強計画を立てていたのか、解説していただいた。
◆その年の目標を紙に書く

「まず、大きい紙に『今年、自分は何をやるか』を書きます。

例えば、今が高2の4月だとすると、『1年後の高3の4月から東大入試レベルの応用問題を解きたい』といった全体的な目標を書きます」
 
◆毎月、具体的な目標を作る

「さらに月ごとの目標を作り、紙に書き出します。

『高2の6月:社会1科目のA社の問題集を1冊、解き終える』『高2の8月末までに英語の基礎を6割固める』『高2の9月:数学のB社の問題集でできなかった問題を解けるようにする』といった具合に各科目の目標を立てます。

その際、心がけたのは、取り組む参考書、問題集、どのレベルまで目指したいのか、『いつまでに』という期限など、各月の目標、勉強内容をできるだけ具体的にすること。

模擬試験が実施される日付も調べて『8月の模試では英語〇点、数学〇点、国語〇点を取る。偏差値70までいく!』と、得点と偏差値の目標を書いていました。

これらを部屋に貼っておいて見える化し、手帳にも書き留めていたので、『この月にこれを頑張らないと、東大合格が遠くなる…』とリアルに感じられて、日々のモチベーションにもなっていたと思います
 
◆一日の勉強計画を考える

毎朝、その日に取り組む勉強内容リストを手帳に書いていました。

『英語長文の問題集:2ページ解く』『数学の教科書:〇ページから〇ページの練習問題を解く』『古文単語を10個覚える』という具合です。

でも、最初のころは、決めたことを先延ばしにしがちでした。

先延ばしの問題を解決できたのは、書き出した勉強内容リストは、『どの勉強から取り組んでもいい!』というルールに変えたからです。

その日の気分で、とっかかりやすいものを先に始めてみました。

1つの勉強をやり終えると、手帳に線を引いて消す…小さな達成感が得られ、『次はこの問題集を解いてみよう』『次はこの科目の教科書を読もう』という前向きな気持ちがわいてきて、頑張ることができたと思います」
月ごとに目標と勉強計画を決める
※勉強計画はできるだけ具体的に。月単位、1日単位で目標や勉強内容を決めて実践

3. ベストな集中タイムをみつける 

「勉強は朝型がいいのか、夜型がいいのか、さまざまな意見があります。

どちらが集中できるかは人によって違うので、1日の中で自分が頑張りやすい時間を知って、勉強を続けていきやすい生活リズムを作ることが大切だと思います。

私の場合、いろいろ試した結果、夜型でした。

通学に往復3時間くらいかかっていたので、毎日、朝6時起床。

朝型にして勉強するならば、6時よりも早く起きなければなりませんが、起きるのがつらくて…。

ならば無理せず朝はギリギリまで寝ていて、通学の電車の中で勉強すればいいんだと思い、夜遅くまで頑張ることにしたのです。

ただ、平日と土日でメリハリをつけていました。

平日は17時に下校、19時に帰宅、夕食を食べて入浴時間以外は勉強。

時々、栄養ドリンクを飲んでエネルギーを注入したりして、夜中1時、2時くらいまで勉強していました。

こんな具合に平日はめいっぱい頑張りますが、土日は朝10時過ぎぐらいまで寝て、睡眠時間を補っていました」

4. すきま時間を最大限活用する 

「電車待ちの時間、最寄り駅と学校までの移動時間、部屋を移動する時間など、5分くらいのすきま時間でも暗記ものなどの勉強はできます。

『電車がくるまでの5分間』『学校に着く前の5分間』など、始まりと終わりがはっきりしている場合が多いので、私の場合、『5分間でこれだけは覚えよう!』と、いい意味で緊張感が生まれて、集中して暗記できました。

英語学習では、登下校の通学路で英文を聴いて、シャドーイングをしていました。

ブツブツ発音しながら歩いていたので、すれ違う人たちが『あの子、何か言っている!』みたいな感じで二度見、三度見されたけど、東大合格という目標をもって頑張っていたので、恥ずかしさは感じなかったです。

皆さんもぜひ、日常のすきま時間を活用してみてくださいね。

いきなり、1日のすべてのすきま時間に勉強しようとすると大変になって、続かないので、『今日は帰りの電車の待ち時間だけ頑張ろう』とか、『今日はお風呂に入る前の5分間に暗記しよう』など、少しずつ、やってみるといいと思います

5. 暗記メモを作って持ち歩く

「すきまの時間に勉強できるよう、暗記メモを作って持ち歩いていました。

小さな紙に覚えたいことを書き出した暗記メモを、洋服のポケットの中に入れて、いつでもどこでも取り出して暗記をしていたのです。

暗記メモは、科目ごとに5分間で暗記できそうなことをA4サイズ1枚の紙に書き出しておくもので、メモを作る作業に必要以上に時間を割くことのないよう、短くメモをすることを心がけていました。

例えば、日本史なら、年代、できごと、人名などキーワードを書いておき、学校に着くまで5分間の道中、歩きながらひたすら暗記です。

信号待ちのときなどにメモを取り出して、1行分見て覚え、メモを見ないで言えるようにする、次のタイミングで2行めのメモを見て暗記する…ということをやって、学校に着いたときは暗記メモの内容を口に出して言えるようになることを目標にしました。

暗記メモを作っておくと、電車の中で座れないときでもパッと取り出して見ることができて便利です。

どうしても覚えられないことがあれば、いつでも見て覚えられるように、自分の腕や手に油性ペンで書いていたときもあります。

皆さんも自分に合った暗記法で頑張ってみてくださいね

6. 予習では「先取り学習」をする 

「私が学んだ高校は大学附属校で生徒のほとんどが一般受験をせず、内部進学をするという環境でした。

進学校ではないので、東大合格を目指すのなら、授業の進度に合わせて予習・復習をしているぺースでは厳しいかもと、あせる気持ちがあったのです。

そこで心がけたのは、予習で授業内容を先取りして先へ進めていき、授業が復習になるようにするということでした。

そうすることで授業を受けたときに『ここもポイントなんだ!』という発見があったり、習熟度を深めることになったと思います

7. 問題集は薄いものなら10周以上繰り返す 

問題集は勉強本やネットの情報だけではなく、本屋さんで手にとって見比べて、『この文字のフォント、好きかも』『カラフルで楽しそう』とか、自分のモチベーションが上がりそうなものを選んでいました。

『この1冊で頑張るぞ!』と決めて各教科で月1冊のペースで解き、解き方がわからない問題は、完全にできるようになるまで反復。

科目にもよりますが、薄い問題集なら1カ月で10周は反復しました。

私は1周で完璧にできるようにはならないと思っていたので、最初から10周くらいやることを前提にしていたのです。

1周めは全体の傾向をつかむためにスピードを上げて先へ進み、わからないところがあっても立ち止まったりせず、やり通します。

2周め以降はできない問題を中心に、問題文と正解、解説文を書き写すといったことをやりながら反復。

科目の習熟度によっては、その月に問題集を1周、次の月以降に2周め、3周めと反復したり、まず1周して次の月以降は別の問題集をやり、その後に最初の問題集に戻って2周めをやるなど、やり方を調整しました。

解いた問題集は3年間で300冊くらいにもなりましたよ」
問題集は10周以上繰り返す
※問題集を解いていてできない問題があれば、できるまで反復して取り組もう

8. 学校にいる時間にも自主勉強する

「学校には日中、8時間くらいいます。

一番勉強に集中できる時間なので、無駄にしないよう、授業が始まる前や昼休み、放課後は図書室で勉強していました。

図書室にいる時間は限られているし、人目があるから居眠りもできないので、頑張ろうという前向きなスイッチが入りやすいと思います。

また、授業時間の50分間もめいっぱい勉強。

授業には集中するのですが、問題演習時間がある場合、授業範囲の問題をできるだけ早く解き終えて、時間が余れば、自分が取り組んでいる問題集の演習をやっていました」

9. 教科書に戻ることを恐れない 

基礎を固めるうえで、土台になるツールは教科書です。

各学年のそれぞれの教科書の内容で、どの単元もわからないところがないような状況にすることが定期テストの成績や、大学入試の結果にもつながっていくと考えています。

問題集で解けない問題があるなら、教科書のその単元に戻って、できるようになるまで例題を反復して解いたり、解き方を人に説明できるようになるまで覚えるといったことをやってみましょう。

進級を控えた春休みに教科書1年分を読み返しながら、復習するのもいいと思います。

3年生の春休みなら、1年生、2年生の教科書に目を通すことをおすすめします。

自分はこの例題の解き方はわかっているか、各単元の内容が頭に入っているかなど、理解度を確認しながら、教科書を読み返すことは価値のあることです。

理解が抜けおちているところがわかるので、その部分を理解できるまで勉強することで、基礎固めができます。

私も、3年生になったとき、数学の応用問題が解けなくて落ち込みましたが、基礎がわかっていないことに原因があると感じ、1年、2年生の教科書に戻って例題を反復して解きました。

すぐには完ぺきにできるようにならなくてあせりましたが、東大入試の直前には『応用問題は基礎の組み合せだ』と気づくことができて、応用問題を解けるようになったのです」

10.「自分へのごほうび」で気持ちを上げる

「毎日、勉強のやる気を高めるためにやっていたのが、自分への小さなごほうびです。

勉強にとりかかるハードルを低くするために、机に向かったら大好きなチョコレートを食べられたり、好きな音楽を聴くことができるというルールを作りました。

普段もチョコレートは食べるのですが、私の気分を上げてくれるのは麦チョコです。

最初は勉強に集中していなくても大好きな麦チョコを1粒ずつ食べて、大好きなMr.Childrenと、BUMP OF CHICKENの曲を聴いていると、気持ちが入っていって、『よし、私も頑張ろう!』と自分を奮い立たせることができたのです。

この小さなごほうび制度で、私は高校の3年間を頑張りぬくことができました」
「自分へのごほうび」で気持ちを上げる
※モチベーションを上げて勉強に集中
成績を上げるには、時間の使い方や問題集の取り組み方、暗記方法など、工夫が必要なことがわかった。

次はテスト勉強で成績を上げる方法について、松島さんに聞いてみた。

テスト勉強で成績を上げる方法5選

テスト勉強で成績を上げる方法5選
※定期テスト対策は、範囲に沿ってしっかり勉強することが基本
 定期テストで高得点を狙うためには、各科目の試験範囲を計画的に勉強することやノート作り、問題集はできないところがなくなるまで解けるようになることのほか、定期テストの意味を知ってやる気を高めることが必要。

具体的にどのように取り組めばいいのか、詳しく見ていこう。

1. 2週間前からテスト勉強を始める 

「私の場合、2週間前からテスト勉強を始め、1日1日でやるべきことを決めて計画を立てました。

暗記もので、テスト範囲で覚えなければならないことがノートに20ページ分あるなら、最初の1日めは3ページ分をひたすら暗記します。

ほかのページはいっさい見ないで最初の3ページ分だけ、頭に入れます。

翌日から暗記するページを徐々に増やしていき、テスト直前の数日間は、20ページ分すべてが頭に入っているかどうか、確認するという進め方です。

問題演習も、テスト範囲の問題が完璧にできるようになるまで反復しました

2. 授業ノートをテスト勉強に活用する 

「中学生のときは、テストに備えてノートまとめをやっていたのですが、高校生になって教科数が多くなったので、まとめノート作りに時間を費やすことはやめました。

その代わり、実行したのは、普段の授業で使うノートを、そのままテスト勉強に使えるようにノートの取り方を工夫したことです。

左側に先生の板書を書いて、右側に先生が話したことをひとことももらさずに書くという方法です。

板書は、暗記ノートを作るような意識できれいに書いておいたので、テスト勉強のときに見て使っていました。

ノートまとめに時間がとられることがなく、その分、暗記や問題演習など定期テスト対策に力を傾けることができたと思います」
授業ノートをテスト勉強に活用する
※普段の授業のときから定期テスト対策を意識して、ノートを取っておくと役に立つ

3. 不明点はすぐに先生に聞く 

「定期テストで高得点をとるためには、テスト範囲のすみずみまで、できないところがないレベルにまで仕上げておくことが大切です。

何度やっても解けない問題があったり、解き方がわからないという場合には、先生に聞き、教えてもらうといいと思います。

自分一人で解決しようと頑張っても、できないまま時間だけが過ぎてしまうことは避けたいです。


私も数学が苦手で、放課後になると問題集をもって先生のところに行き、教えてもらっていました。

先生に個別に教わりに行くのは、なんとなく恥ずかしかったり、ハードルが高く感じるかもしれないけど、わからないことは恥ずかしいことではありません。

わからないことをわからないままにしておくと、定期テストの点数だけではなく、志望校の入学試験の結果にも影響してくるので、先生にどんどん聞くようにしましょう

4. テスト直前でも基礎固めを怠らない 

「テストが3日後なのに全然間に合わない…私もそんな科目がありました。

そんなとき、私がやったことはテスト範囲の各単元の例題を完璧に解けるよう、基礎固めの勉強に切り替えたこと。

応用問題レベルまで含めてやる方法もあると思いますが、私は基礎をしっかり勉強して仕上げることを意識しました。

基礎が身についたことで、テスト本番で難易度の高い問題が出題されても、『あの基本問題の応用かも』と気づくことができ、落ち着いて問題を解くことができたのです

5. テスト勉強が志望校合格に繋がることを意識する 

「『なんで定期テストの勉強をしなければいけないの?』と考えてしまって、やる気がわいてこないときもあるでしょう。

そんなときは、『この定期テストを頑張ることで、どんなことにつながるのか』に目を向けてみましょう。

定期テストで頑張ることは、その学期の成績の評価という結果にもつながるのですが、それだけではありません。

大学の入学試験では、高1、高2で学ぶ範囲からたくさん出題されています。

高1、高2のときに定期テストの勉強を通して学習内容をしっかり身につけておくことは、大学入試でも役立ち、志望校合格という夢に近づいていくことになるので、頑張りましょう
テスト勉強が志望校合格に繋がることを意識する
※テスト勉強が進まないときは、定期テストの意味や頑張る目的を考えてみよう
定期テスト対策も、普段の勉強をしっかりやることが鍵になることがわかった。

次は受験勉強で成績を上げる方法について、松島さんのアドバイスを紹介するよ。

受験勉強で成績を上げる方法5選

受験勉強で成績を上げる方法5選
※受験勉強をするに当たって、成績を上げながら志望校合格を目指す勉強法を知っておこう

受験勉強で成績を上げて志望校合格を目指すためには、苦手科目をなくすこと、模試で偏差値を上げること、過去問を完璧にできるまで解くこと、志望校に合わせた受験対策、長期間にわたる受験勉強でのモチベーションキープなどが必要。

松島さんはどのようにして、東大合格を勝ち取ったのか、詳しく見ていこう。

1. 志望校の受験科目を意識する

「受験勉強はやみくもに取りかかるのではなく、志望校の受験科目や入試傾向を意識して始めることが大切です。

受験勉強を始める時期は人それぞれでしょう。

私の場合は高1から受験勉強を始め、少しずつ成績を上げながら東大合格を目標に勉強しました。

高3になってから志望校の受験勉強に切り替えて集中という短期ルートで合格を目指す人もいますので、何が正解かは一概には言えません。

しかし、早い時期から受験勉強をスタートすることで、気持ちの余裕が生まれることは確かだと思います」
次に、松島さんが受験科目である英語と国語の2科目について、どのようにして受験対策をしたのか教えてもらった。
◆英語

単語、文法、長文読解、リスニングの4つの分野に分けて、それぞれで計画を立てて勉強しました。

単語、文法はいろいろな参考書や問題集を使うことはしなくて、『これ!』と決めた2冊を完璧にやりきるという方法。

単語や文法は一度、しっかり覚えてしまえば、新しい参考書を加えて勉強を重ねなくてもいいかなと思い、その分、早い時期からセンター試験(現在の大学入学共通テスト)の過去問を解くことにシフトしていきました。

長文読解とリスニングは、新しい参考書に触れていくことで力がつくと思い、たくさんの問題集をこなすという勉強法でした。


問題集は1冊について3周以上は反復。長文読解は音読したりしながらやっていましたね」
 
◆国語(古文、漢文、現代文)

「古文、漢文は文法や単語など覚えなければならないことが多いので、電車の中でも問題集を見てひたすら解きまくっていました。

1冊の問題集を50周くらい、反復しました。

現代文は、志望校によって問題の出題形式や傾向が異なるので、まず、現代文の構造など基礎をしっかり身につけて、その後は志望校に合わせた対策をしていくほうがいいと思ったので、いろいろな問題集をやってみることはしなかったのです。

1年生のときに問題集を1冊やって、その後はセンター試験の過去問や、3年生の春からは東大の過去問を解きまくりました」

2. 苦手科目の勉強から逃げない 

「入試本番では得意科目で得点を稼いでカバーするという方法もあるでしょう。

でも入試当日、得意なはずの科目でも思うように解けなければどうにもなりません。

そう考えると、苦手科目だからといって逃げたりせず、合格の最低ラインまで引き上げることを目標に勉強することは、価値があると思います。

私も苦手科目の数学の勉強に時間を割きました。

3年生になっても教科書や基本問題集に戻って基礎固めをした努力が実り、入試問題も解くことができました」

3. 模試で自分の弱点を知り、対策を立てる 

模試は網羅的な範囲を出題してくれる試験で、自分の実力をはかり、できないことを可視化してくれるツールなので、最大限活用しましょう。

模試は受けたら終わりではなく、できなかった問題を振り返ってみて、できない原因を知り、効果的な受験勉強につなげていくことが大切です。

そう言いながらも、実は私はメンタルが弱くて、模試が終わってすぐあとに振り返る勇気がありませんでした。

『なんでできなかったの?』と涙が止まらなくなって気持ちが落ち込んでしまい、できない自分と向き合うことができずにいたのです…。

とりあえず、できなかった問題を切り取ってノートに貼りつけておいて、封印。

しばらくたってからできなかった問題を振り返って分析し、『この単元の理解が足らないから、この問題が解けなかったんだ』などと理由がわかったら、教科書に立ち返って基礎からやり直すということを実践していました」

4. 過去問をひたすら反復する 

「入試の過去問は、志望する大学からのメッセージです。

入学する学生にどんな能力を求めているかが反映されているものなので、過去問をしっかりできるようになることが志望校合格への大切な道のりです。

私は高校3年生の春から過去問に取り組み始めたのですが、東大の過去問は全然解けなくて、歯が立たない状況でした。

だから、過去問もできるようになるまでひたすら反復です。

過去問はどの科目もできない問題を中心に反復し、20周くらいやった結果、ほぼ完ぺきにできるようになりました。

東大の入試の場合、長年にわたって出題傾向には大きな変化がみられないので、過去問は25年分、やりました。

でも大学によっては、年ごとに出題傾向が変わることがあるので、過去問の年数を多くやるよりも、志望校に合わせた模試を受けたり、問題集をしっかり復習するという方法を取り入れるといいと思います」
過去問をひたすら反復する
※志望校の過去問は完璧に解けるようになっておきたい

5. つらいときは「これまでの頑張り」を思い出す 

「東大合格を目指して勉強していた3年間は、スランプしかなかったです…。

思うように勉強が進まなかったり、成績も上がらなくて、落ち込んだり、泣いてばかりいたのです。

そんなときはネットでみつけた先輩たちの合格体験記を読みまくり、勇気づけてもらっていました。

また、日記のようにして使っていた手帳の存在も大きかったです。

手帳には勉強計画だけではなく、その日の反省や気持ちを上げる言葉も書いていたのです。

『努力で1%でも可能性が生まれるなら、その可能性にかけて、今、自分にできる全力を、精いっぱい勉強に注いで、自分を変えたい』とか、『努力は裏切らない』『今日は頑張れなかった…明日は絶対に頑張ろう!』とか。

心が折れそうになるたび、手帳に書いた言葉を見返し、励まされました。

高校1年、2年と勉強を積み重ねてきたことが思い出され、『これまで頑張ってきたんだから、今、頑張らなくてどうするの! 元気になって頑張ろう!』と、気持ちを奮い立たせることができました

成績が上がらない!お悩みQ&A

成績が上がらない!お悩みQ&A
※勉強をしても思うような結果が出ないと落ち込んでしまう。解決のヒントを知って、頑張ろう!
「#高校生なう」の読者からも、「頑張っても成績が上がらない!」「成績を上げたい!」という切実な声がたくさん寄せられている。

その中から代表的なお悩みを5つ選んで、松島さんにアドバイスしていただいた。

Q. 定期テストで学年10位以内に入るにはどうしたらいい?

各教科のそれぞれのテスト範囲で、ぬけもれのないよう勉強することがポイントです。

問題集は解けない問題がなくなるまで取り組みましょう。

暗記ものは暗記ノートなど見なくても、試験範囲の隅々まで口で言えるようになるまでひたすら暗記すること。

そうすれば、学年で10位以内を目指せると思います」

Q. 塾に行かずに成績を上げることはできる?

私は、できると思っています。

私の場合は通学に往復3時間かかっていたこともあって、1年生の途中から、塾ではなく自宅学習をメインに勉強を進めるようにしました。

自分の性格を考えてみても、塾に通わないという選択で良かったと感じています。

私は周りの人と自分を比べてしまうタイプなので、『塾で一緒に学んでいる生徒は難しい問題集をやっているのに、私はやっていない…』とか焦ってしまい、自分がやるべきことがわからなくなってしまって、勉強が進んでいかないと思うのです。

そんな私だから、自分で問題集を選んで自分のペースで勉強する方法が合っていました。

でも、塾に行くメリットもあります。

私は3年生のときに塾の冬期講習を受講したのですが、英文読解で先生が英単語の意味を全部教えてくれることに感動しました。

わからない英単語が出てくるたびに英和辞典で調べていたので、塾で習うことって時短になることを実感しました。

塾では問題集や参考書も用意してくれるし、先生が引っ張ってくれるので、そういう環境のほうが勉強できるという人なら、塾に行って成績アップを目指すのはありだと思います」

Q.塾に行っても成績が上がらないときはどうしたらいい?

「塾に行って頑張っていても成績が上がらないのはなぜなのか、原因を考えてみましょう。

『基礎ができていないのに塾では応用しか教えてもらえない』とか、『塾の宿題をこなすのに精いっぱいでキャパオーバーになってしまっている』など、何かしらの原因があると思います。

その結果、通っている塾が自分に合っていないと気づいたら、別の塾に変えることを検討してみるか、『塾に通う』以外にオンライン学習や勉強アプリなどの活用も考えてみるのもいいでしょう。

自分に合う勉強法って何だろうと、考え直す機会につながればいいと思います

Q. 計画どおりに勉強が進まないときはどうしたらいい?

「私も高校1年生のころは計画倒れになることが多くて、計画なんて立てても意味がないのでは、と悩みました。

計画倒れで悩むくらいなら、予定をすべて終えられるよう、少なめの勉強量で計画を立て直したときもあります。

でも、予定した勉強量が余裕で終わるような状況にしてしまうと気持ちがゆるんで、それ以上は頑張らなくなってしまいました。

一方、たくさんの勉強量で計画を立ててしまうと、計画の3割くらいしかこなせないから精神的にもしんどいし、それだと勉強が長続きしないなと思いました。

試行錯誤を重ねて行き着いたのが、『予定した勉強量の何割を終えるのが、自分にとってベストの状態を保てるのか』を見直してみることでした。

それまでに手帳に書き込んだ勉強予定や実行した内容を見返したりして、『計画した勉強量の5割から7割が終わるぐらいのとき』が、自分にはちょうどいいと気づいたのです。

つまり『予定の5割から7割が終われば、私にとっては計画どおり』ということです。

そんなことを意識して計画を立てるようになったら、自分がこなせる予定量も見えてくるようになりました。

皆さんも『自分にとっての計画どおりは計画内容の何割を終えられるときなのか』を意識しながら、勉強計画を立ててみてくださいね

Q. 毎日勉強しないと成績って上がらないものなの?

その人のタイプにもよると思います。

勉強を休む日があっても、勉強するときにはいっぱい頑張れる人なら、毎日勉強しなくてもいいのかもしれません。

私の場合は勉強しない日が続くと、自分を甘やかしてしまって、勉強しないという選択をしてしまいがちです。

とすると、勉強を再開するハードルが無限に高くなってしまって、いつのまにか勉強しなくなって、やるべきことを先延ばしにしてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

そんな私なので、毎日勉強をするほうが合っていると思います。

少しずつでも毎日勉強すれば『今日も頑張れたな』と精神的にも安定するし、『明日はもっと頑張ろう』という気持ちがわいてきます

高校生の皆さんへメッセージ

「私は高校生になったばかりのころ、自分に自信がなかったり、将来の夢がみつからなくて、一歩が踏み出せずにいました。

何かに頑張らないまま、大人になってしまう…と悩み続けていたのです。

そんな自分を変えられたらいいなというぼんやりとした思いから浮かんできたのが、東大受験を目標に勉強を頑張ってみようということでした。

最初は小さな決意でしたが、勉強を重ねるうちに覚悟へと変わっていき、気がついたら東大合格の夢に向かって、前向きに頑張れる自分に変わっていったのです。

勉強を頑張る日々、自分の内面と向き合うことができて、人としても成長できました。

高校生の皆さんも勉強を頑張ることでたくさんの気づきが得られ、これからの人生がより一層、豊かなものになっていくと思います。

私も高校生の皆さんと一緒に、まだまだ頑張っていきます!」
成績を上げるには、基礎をしっかり身につけて、自分に合った方法で勉強を積み重ねていくことが大切ということがわかった。

努力が実を結び、成績に反映されるまでは気持ちが落ち込むこともあるかもしれないけど、志望校に合格するという夢がかなうよう、自分のペースで勉強を頑張ってみよう!


取材・文/小林裕子 監修/松島かれん 構成/寺崎彩乃(編集部)
※2023年12月取材時の情報になります。

【監修者 著書紹介】

『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』
『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)


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