通塾? 自宅学習? 自分に合う勉強スタイルをみつけよう―後編

前編では、自分の性格や環境に合う勉強スタイルを探った。後編の今回は、それぞれのスタイルで効果的に勉強する方法について紹介する。

 

■塾・予備校の有効活用のコツ
多くの塾・予備校は、受験情報を豊富にもち、自習室などの設備が充実しているので、積極的に活用したい。また、授業スタイル別には、次のような点に注意しよう。

 

◎集団授業 

・授業を聞いているだけで“勉強したつもり”になりがち。わからないことは自分から聞いて解決するなど能動的に動こう

・やみくもに全科目を受講するのは時間とお金のムダ遣いになる場合も。受講科目の選択が可能なら、自分に必要な科目は何かよく吟味しよう

 

◎衛星通信型授業

・自分の理解度に合わせ、早送りやリピート機能の有効活用を

・勉強計画や志望校選びのアドバイスをくれるチューターがいる場合は、積極的に相談しよう

 

◎個別指導 

・先生との相性が重要。質問しにくかったり、性格が合わないと感じたら、早めに担当変更について相談しよう

・入塾の際に、担当変更が可能かどうか、あらかじめ確認しておきたい

 

■自宅学習の有効活用のコツ
塾に通わず自宅で勉強するスタイルには、通塾時間が省略できること、集団の人間関係に振り回されることなく勉強に集中できること、自分の都合に合わせやすいことなどのメリットがある。その半面、学習計画や時間管理も自分次第という難しさも。自分を甘やかさないよう注意したい。また、自宅学習スタイル別の注意点は下記のとおり。

 

◎独学(自分で参考書や問題集を購入して勉強)

・単に1日の勉強時間やページ数を目標にするのではなく、志望校に必要な学力から逆算して目標を落とし込むほうが効果的

・『○月の模試で○○という結果を出す』という大まかな目標から、『次の模試では△△を達成する』という小さな目標へと落とし込み、そのために何の問題集をどれだけやるかの計画を立てよう

 

◎家庭教師

・わからないところは遠慮せず質問するなど、1対1のメリットを最大限に生かすように

・『説明の仕方をこうしてほしい』など指導方法についての要望もしっかり伝えていこう

 

◎オンライン予備校(自宅のパソコンで講義動画を視聴)

・自分の理解度に合わせ、早送りやリピート機能を有効活用しよう

・パソコンを開いていると、つい勉強に関係ないサイトをみてしまいがち。講義終了後はすぐ閉じるなど、自分でルール決めが必要

 

◎通信教材 

・毎月たくさんの教材が届くだけで安心し、勉強した気にならないよう注意

・課題提出が課される場合は、その締め切りを目安に勉強計画を立てよう

 

一度スタートさせた勉強スタイルでも、ベストな方法かどうかを常に客観的にチェックすることが大切。それで「やっぱり合わない」と感じたら、思い切って変更しよう。

 


監修:独学支援塾【BEYOND】代表 菅原智さん
著書に『ゼロからスタートする受験勉強』『未来を変える受験勉強』(ともに新評論)がある