うまくいかないのは「自分の番じゃなかっただけ」、声優・古賀葵さんから応援メッセージ

今回のスペシャルインタビューは、人気アニメ『かぐや様は告らせたい』シリーズの四宮かぐや役で話題の古賀葵さんが登場!
 
進路や勉強に対してネガティブになりがちでモチベーションアップが難しいこの時期。受験本番を控えているみんなに応援メッセージを届けてくれたよ!
 
専門学校に進学して声優の勉強をし、卒業後は自分の「好き」を信じて夢をつかんだ古賀葵さんからのエール、みんなに届け!

古賀 葵(こが・あおい)
8月24日生まれ、佐賀県出身。81プロデュース所属。代々木アニメーション学院福岡校声優タレント科に通い、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』の四宮かぐや役で第14回声優アワード主演女優賞を受賞。このほか、『古見さんは、コミュ症です。』の古見硝子役、『ビルディバイド』棟梨ひより役、『原神』のパイモン役など、人気作品のキャラクターを数多く演じている。

同じ夢に向かう仲間からの刺激

声優になりたい!と決めて専門学校へ

コミュニケーションが苦手なところを直したいという気持ちもあって、高校生の時にはもう声優を目指していました。

早く専門的な声の演技の勉強がしたかったので、専門学校に行こうと決めており、大学進学の選択肢は頭になかったですね。
 
進学先は、東京に本校がある専門学校の福岡校で、佐賀の自宅から通学していました。

最初は東京に出ることも考えていたのですが、両親が心配だったのか、「まずは、自宅から通える場所にしてみたら」と言われて、じゃあ福岡にするか…という感じです。
 
声優になることについては、両親は「とりあえずやってみたら」と協力的でした。そこはとてもありがたかったですね。

地元にいる安心と余裕が支えた専門学校時代

専門学校時代は「東京に出たほうが良かったのかな」と感じることもありましたけど、今思えば地元から通学できる福岡の学校で良かったと思っています。
 
私はけっこう人見知りが激しくて、コミュニケーションが苦手なところもあるし、友達ひとり作るにも大変なんです。
 
高校を卒業していきなり東京に行っていたら、いろんなことに圧倒されて、声優の勉強より先にメンタルがやられていたのではないかと(笑)。
 
福岡ならちょうどよい都会で、しかも絶対に味方でいてくれる人がすぐそばにいます。
 
何かあっても相談したり話したりできることはとても心強いですし、声優の勉強に集中できる心の余裕にもつながったと思っています。
 
高校生のみんなも、いろいろな事情で志望校を変えなくちゃいけないことがあるかもしれません。

今の理想と違っても、あとから振り返ると「あの選択で良かったのかも」と思えることがあると思うので、気持ちを落とさないようにしてほしいです。

同じ志をもつ仲間で高め合うモチベーション

卒業後は上京して、同じ専門学校の同級生とルームシェアを始めました。
 
それぞれが違う養成所や舞台に行っていたので、帰ってきてからみんなで報告し合ったり相談できたりしたことは、刺激になりましたね。
 
隣の部屋から一生懸命に練習している声を聞くと、「落ち込んでいられない!」「自分も頑張るぞ!」となれるんです。
 
同じ志をもつ仲間がいることで、「声優として頑張りたい」というモチベーションをUPできていたと思います。

自分の「好き」を信じることが前向きなエネルギーに

たったひとつの枠、取れなくても「今は自分の番じゃなかっただけ」

デビューしたばかりのころは、一つひとつのオーディションの重みが大きくて、「このチャンスを逃したらあとはない」って思い詰めてしまいがち。
 
最初からオーディションに受かって役をもらえる人もいますけど、私はそうじゃありませんでした。

やっと1本もらえて次は落ちて、次にやっともらえたけどまた落ちてって感じ。
 
好きなことを仕事にしているのに不安でいっぱいになってしまい、「もう、声優は無理かもしれない」と、母に泣き言を言ったんですね。
 
そしたら母が「今回はあなたの番じゃなかっただけ」と言ってくれたんです。

「このまま頑張って続けていれば、きっとあなたの番がくる。今回は違っただけと思いなさい」
 
母の言葉を聞いてハッとしました。ものすごくたくさんの声優がひとつの枠を取り合っていて、枠が取れなかった自分は負けたんだと思っていたけど、そうじゃない。
 
順番が違っていただけなんだ。
 
そう考えられるようになってから、たとえ選ばれなかったとしても「次は見てろよ!」というメンタルでいられるようになりました。母の言葉は大きかったですね。
 
同じように受験でうまくいかないことがあっても「今は自分の順番じゃなかっただけ、次は見てろよ!」と意識してみると、ちょっと気持ちが楽になるかもしれません。

同じ夢を目指す仲間の成功をモチベーションに

考えを「自分の順番じゃなかっただけ」に転換すると、同期の役が決まったり注目されたりすることが、自分にとっても良い刺激になるんです。
 
同じ年にデビューしているあの人がこんなに頑張っているんだから、私も頑張らなくちゃ!とモチベーションが上がります。
 
役がなかなか決まらない時は、「忙しくなったらできなくなることをやっておこう」と友達と遊びに行ったりいろんな作品を見たりしていました。
 
あえて「嫉妬」とかネガティブな感情はもちません。

マイナスの感情をもつことで好きなことに進めなくなるのが嫌なんです。
 
そっちに落ちそうになったら「いやいや、そうじゃない、そっちじゃない」って方向転換しています(笑)。
 
受験もまさに同じ。同級生が先に合格しているとうらやましいという気持ちになるかもしれないけど、友達の活躍を刺激に、「私も頑張ろう!」とモチベーションを上げていってほしいですね。

受験も恋も、最高の報告ができるように全力投球

両(片)想いなのにプライドが邪魔して素直になれない生徒会副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行の二人による、「告白」がキーワードとなっている新感覚ラブコメ『かぐや様は告らせたい』シリーズ。
 
以前に高校生エディターから「相手の負担にならないように受験後に告白を取っておくべき?(好きな人がいること自体はモチベーションになっている)」という受験期の恋愛お悩み相談もあったけど、古賀さんだったらどうする?

©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

お互い合格して笑顔で告白しよう!を受験勉強のモチベーションに

好きな人がいることは、勉強のモチベーションにもなりますよね。
 
でも、私が受験生で好きな人も同じ受験生だったら、やっぱり「告白することで相手の負担になるのでは」と、悩んでしまうかもしれないですね。

©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

悩んだまま勉強に手がつかなくなってしまったら、試験に落ちて告白すらできなくなる可能性も…。
 
だったら「全部終わって二人とも志望校に受かったのがわかったら告白しよう!」と切り替えて、告白自体を受験のモチベーションにするのもアリです!
 
笑顔で告白したいと思えば勉強も頑張れるし、好きな人にも笑顔でいてほしいから「受験頑張れ!」って応援できそう。
 
「最高の状態で告白するぞ!」のマインドがあれば、恋も受験も頑張れるんじゃないかな。
 
かぐやも最初は「どうやって会長に告白させよう」とそればっかり考えていたんですけど、だんだんと自分の思いと向き合い始め、会長の夢や進路のことも考え始めるようになります。
 
会長は海外留学を考えているため、かぐやが「(両想いとはいえ)留学前の今告白したら会長に迷惑になるんじゃないかな」と悩むシーンがあって。
 
かぐやたちは高2ですが、受験生が「告白することで相手に迷惑がかかっちゃうかも?」と相手を思いやって悩むのと同じですよね。
 
告白できない理由が、プライドの高さから、相手を思いやったり嫌われるのが怖かったり、年相応の恋する女の子の迷いになっていくんです。
 
恋愛が、かぐやの表情を変えて、成長させたんだなと、演じていてうれしく感じました。


©赤坂アカ/集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会

運を引き寄せるには土台が大事

「二人とも合格したら」をモチベーションにと言いましたが、受験もオーディションも合格するかしないかを決めるのは努力や実力はもちろん重要だけど、「最後は運やタイミング」というところもあるかもしれません。
 
でも、これは合格したあとで「そういえば、あの時に苦手な部分を克服しようと頑張ったから運が向いたのかもしれない…」「積極的に勉強しようと行動したことでタイミングが合ったのかも」と感じることであって、目標に向かっている時に運とタイミングを頼みにすることではないと思うんです。
 
一番大事なのは運やタイミングではなく、自分が作った土台。自分の力を磨いておかないと、運はやってきません。オーディションのための練習をしっかりする、受験の対策をきちんとこなす。結局はそこなんじゃないかなと思います。
 
でも、不思議なことに、オーディションが終わって「今日、イマイチだったな」と感じても受かっていることってあるんです。
きっとそれは、自分で作り上げてきた土台を誰かが見てくれていたんだな、と思います。

神社で神様に「頑張ります!」の宣言を

運を引き寄せるため、というわけではないですが、神社めぐりが好きでよく行きます。
 
でも、「うまくできますように」「合格しますように」などの神頼みではなくて、「良い報告ができるように頑張ります!」と、自分の中の決意を神様に宣言しに行くんです。
 
これは、自分がこれまで積み重ねてきたものを信じているからこそ出る言葉。
 
自分で声に出して目標を宣言することで背中が押されて、一歩が踏み出せるような気がしています。

古賀葵さんから高校3年生のみんなへメッセージ

最後に高校3年生のみんなへ、古賀葵さんから応援メッセージをもらったよ。

大学入学共通テストの本番まであと約1カ月、不安で気持ちが後ろ向きになっちゃってるみんなに届け!

一生懸命になれるのは今だけ

受験本番が近づくと、人と比べて自信がなくなったり、友達の合格を素直に喜べなかったり、不安がふくらんで感情が揺さぶられますよね。
 
でも、この経験は、今高校生でいる自分にしかできないこと。

不安や悔しさも、かなえようとしている夢に一生懸命向き合っているからこそ生まれた感情です。
 
「もうダメかも」って落ち込むよりは、「一生懸命になれるのは今だけ」とプラスにとらえたほうが、夢に進むモチベーションになるし、不安や悔しさを糧にできるのだと思います。
 
みんなが夢をかなえた未来にはきっと、自分の好きなことを信じてひたすらに前に向かっていた、今の時間と感情を思い出すはず。
 
今しかできないことを楽しんで、頑張ってください!

映画情報
『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』


12月17日(土)より特別上映
 
原作:赤坂アカ(集英社『週刊ヤングジャンプ』連載)
監督:畠山 守
配給:アニプレックス
キャスト:古賀 葵、古川 慎、小原好美、鈴木崚汰、富田美憂、花守ゆみり、麻倉もも ほか
 
秀知院学園の生徒会で出会った副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行。
二人の天才は長きにわたる恋愛頭脳戦の末、お互いの気持ちを伝え合い、“奉心祭”で初めてのキスをした。
 
しかしいまだ明確な告白には至っておらず、二人の関係性は曖昧なまま。これは天才たちによる、いたって“普通な”恋の物語。
 
公式サイト:https://kaguya.love/
公式Twitter:@anime_kaguya
https://twitter.com/anime_kaguya

いよいよ受験も本番。

友達が先に第一志望に志望校に合格、自分はうまくいかなかった…なんてシチュエーションも出てくるかもしれない。

本当はお祝いするべきだと思うのに「いいな…なんであの人は…」と羨んじゃって自己嫌悪。

そんなネガ沼におちいったときは、古賀さんの「頑張っていればきっと自分の番がくる」を思い出してほしい。

「次は自分だ、見てろよ!」の精神で、この受験期を乗り切っていこう!

From 映画が胸キュンすぎて試写会の帰り道、ずっと動悸が止まらなかったスタサプ編集部より。