【藤原和博×西野亮廣の未来講座③】「信用」とは何か
これからの時代を生きていく上で必要不可欠な、正解のない問いに対する“納得解"を紡ぎ出す情報編集力を鍛える「よのなか科」をベースに、「考える」とは何かを習得するコース。
第2回のテーマは「信用とは何か」。
“信用持ち"にお金が集まるという前回の講義を受け、西野氏から課された宿題「実際にクラウドファンディングをやってみる」を高校生たちがプレゼンテーションします。
信用=他者から与えられた信任の総量
藤原:
前回、西野さんから「信用」を追いかけたいという提案がありました。
ものすごく大事なことだと思うんです。
「信用とは何か」って。
クレジットっていう言葉をちょっと頭に置いといてください。
クレジットとは何か。
それは、「他者から与えられた信任の総量」です。
もう少しやさしく言うと、この人だったらこれぐらいの仕事を任せてもいいよとか、これぐらいのお金を貸してもいいよなとか、これぐらいの都市の知事を任せてもいいよな、とかということ。
そういう「他者から与えられた信任の総量」ってでかければでかいほどいいじゃない?
その中から現金化されるのが「稼ぎ」です。
そのためにはこのクレジットを大きくしなければならない。
クレジットは、「信頼と共感の関数」でもある。
信頼は理性、この人を信頼できるかどうか。
もうひとつの共感というのは気持ちのこと。
この人信頼できそう、という感情。
クレジットは、信頼と共感の関数というのを頭に置いといてください。
これ大きいほうがいいじゃない。
勉強したり、仕事を通してこれを拡大していくわけです。
拡大していくには、前回言ったベクトルの和が重要です。
「C」っていうベクトルは西野さんや僕だったりの力、それからこの環境のすべて、circumstanceと言ってもいいし、communityと言ってもいい。
この場がもっているエネルギーのすべて、それに君たち一人ひとりのベクトル「i」というのがあって、ベクトルの平行四辺形の対角線上に、“これやりたい"っていうものをもってきてくれると僕たちものりやすい。
これを積み上げていくと拡大していく、こういうことなの。
クレジットの測り方とは
藤原:
では、クレジットっていうのはどう測るのか?
クレジットの正体ってなんだろう。
クレジットを可視化する、見える化したい。
例えばクレジットの通帳みたいなものがあったとしたら、どれくらい積み上がっているのか、何をやったら積み上がるのか、知りたいじゃない?
それでどういう数字が君たちのクレジットを表す尺度なのか、ちょっと考えてみたいんです。
課題を出します。
身体検査ってやるよね?
身長とか体重を測るけど、もっといろんな数字出てくるよね。
握力とか背筋とかね。
身体検査でいろんな数値が出てくるけど、そのうちどれが君たちの信用に関わっているか、関わっていないか。
何にも関わっていない、と言うなら、そう結論づけてもいいし、身長は関わっていないけど、体重は関わっていると言う人がいるかもしれない。
いつものようにブレストしてみよう。
正しいことを言おうとしないで、柔らかアタマでやってみよう!
【ブレスト】
学生:
健康食品を売っている人がすごい太っていた場合、絶対信用がないと思う。
藤原:
確かに!厳しいよねそれは。(笑)
学生:
スポーツ選手とかだったら身長体重は結構重要かなと思います。
藤原:
この人、なんかジャンプしてすごいアタック打ちそうとかね。
それも信頼だと。
なるほど。
スポーツ選手の場合なんかだと、締まった身体のほうが信用が高いという気もしますよね。
そしたら、学力とか偏差値ってどうなの?みんなどう思う?
またブレストしてみよう。
学生:
学力や偏差値は一概には言えないけど、その人の知識量とかがそのまま出ているようなものだから、信用には関わってくると思う。
藤原:
そうなんだよね。
例えば、なんで大手企業の人事部が学歴で人を採用するかというと…、わかるよね?
大学の偏差値ランクみたいなものがあって、それを見ればどれぐらい勉強したのか、大体わかっちゃうわけですよ。
特に情報処理能力については、ある程度偏差値で見ちゃってるところもあるから、これぐらいの大学だったらこれぐらいの処理仕事はできるかな、みたいな感じでクレジットを与えたりしているんだよね。
そういう構造はクールに見ればあると思いますよ。
もちろん、もっとクリエイティブな面とか見ていくのは大事なんだけど。
じゃあ政治の世界だったらクレジットを表すのはなんだろう。
得票数だよね。
何票入るのか。
2万票なのか20万票なのか200万票なのか。
得票しないで容姿や過去の経歴でクレジットが高くなるわけじゃないですよね。
会社だったらどうかな?
高校生にはちょっと難しいと思うんだけど、時価総額というのがあります。
株価×株数でその会社の価値を決めてるわけね。
1兆円を超えました、とか2兆円を超えましたとか、2兆円をもってる会社だったら、これぐらいのお金なら貸してもいいだろうとか、
出版だったら?
何と言っても、部数だと思うんですよ。
西野さんだと「えんとつ町のプペル」が30万部超えてます。
すごいよね、これは。
僕の場合だと、78冊出して137万部です。
78冊出してこれですが、西野さんは3冊くらいで僕のクレジットを超えちゃうわけですよ。
大学の世界だとクレジットそのものが単位なわけですよ。
アメリカの大学では何クレジット取りましたか?って聞くわけ。
どれぐらい学問を収めたかをクレジットで測ります。
じゃあ、単に金持ち、現預金、株式を持っていたり、とにかくすごい金持ちはクレジットがあるって言えるのか、どう?
ブレストしてみよう。
【ブレスト】
学生:
現時点で何億円をもっていたとしても、そのお金を得るまでの過程で何をしているかが大事と思います。
藤原:
プロセスが大事ということね。
そのプロセスが納得できるものであればクレジットが高いかもしれないし、それがよそからくすねてきたのだったらそんなに高くないと言えるかもしれない。
そのお金を稼いだプロセスとか、どれだけ時間をかけたかに関わるということね。
君たちにこれからプレゼンしてもらうクラウドファンディングですが、これも君たちのクレジットを測るひとつの尺度だと思うんですよ。
自分がどれほどの信用を社会から得ているか。
どれほど他者から与えられた信任の総量があるか。
実際に宿題として試してもらいました。
どんな悲惨な失敗談でもいいので、むしろ悲惨であればあるほど聞きたい。
すごい大成功して1千万超えましたなんて言ったら、僕と西野さんの立場がなくなっちゃう可能性があるので(笑)。
失敗談を面白おかしく語ってください。
もちろん審査委員長は西野さんです。
ではプレゼン大会はじめましょう。
新しい本の売り方、触れ方。
1人めの学生:
ムラマツと申します。
ずっと旅していて、高校中退していて来月から大学に行きます。
「書庫部屋」というのを考えていて、2カ月くらい考えていて、でも時間が足りなくて、
これのために会社をつくり、今物件を探しています。
「書庫部屋」というのは、本屋なんですけど普通の本屋じゃなくて、そこに行ったら必ず友達ができる、本を通して人と人がつながる場所を目指しています。
利用者は必ず本を預けます。
その本にはカバーをかけてわからないようにして、
カバーに自分のことと、自分がどうしてこの本をおすすめしているかを書きます。
いろんな人が棚に並べていって、利用者は預けるだけです。
この人はこういう人で、こういう理由でこの本をすすめているというのがわかり、
タイトルからでなく、そこから本に入っていくんです。
今年中にクラウドファンディングして、来年からつくり始めます。
藤原:
これ結構、書店のマスターが大事では?
学生:
神保町でやろうと思っているんですけど、神保町を歩いている会社員の方に
1日日替わりマスターをやってほしいなと思っています。
日々入れ替わるマスターとお客さんとでつながりができて本の話ができればいいな、
そんな場所にしたいと思っています。
西野:
預けた本の横に売る本を置くの?
藤原:
新刊の本と混じって、メッセージ付きの本が並んでいるの?
学生:
いえ、メッセージ付きの本は展示するだけです。
西野:
なるほど。
俺はすごいおもしろいと思う。
ちょっといいかな?
似たようなサービスを今度スタートさせるから、それのリアル版なんだろうな。
出版不況を終わらせるためにはどうしたらいいか、を考えたときに、
人が本と触れ合う面積を増やせばいいと思ったんだよね。
じゃあ1回本屋やってみるかとなって、本屋をやることに決めて。
ただ本を買うだけならそれはもうAmazonに、ロボットに任せればいい。
だから人にしかできない本屋を作っちゃおうと。
人にしかできない本屋は何かな、と色々考えた結果、古本屋にたどり着いたのね。
古本屋おもしろいなと思って、何がおもしろいかと言うと、
例えば藤原先生が気になったところにメモしたり、線を引いたり、
ページを折ったりしている本、それを欲しいと思う人、絶対いると思うんだよね。
藤原先生の視点が付加価値だからね。
実はそれって定価より高いと思うんだよね。
例えば、イチロー選手が読んだ本でイチロー選手がマークをした本って
定価より高いと思う。
10倍、20倍でも欲しい人もいるはず。
それ、すごいおもしろいことだなと思ったの。
去年、ネットショップで「しるし書店」というのを立ち上げだけど、
それは何かと言うと、「しるし」を通したコミュニケーションサービスです。
「しるし本」を通したコミュニケーション。
例えば、ある男の子に憧れてる女の子がいたら、どうしたってその男の子の本が欲しい一冊なはず。
だから有名無名あんまり関係ない。
一冊売れればいいんだから。
「しるし書店」で本を出せるのは有名人である必要はなくて、
全国誰でもどこでも「しるし本」を自分が選んで、自分がしるしを入れた“しるし本"を
「しるし書店」で販売できるプラットフォームを作ったんです。
国民全員を古本屋さんにしてやろうと(笑)。
そのウリというのがまったく一緒で、本からではなくて書店さんの信用がベースになっている。
誰がこの本をすすめたかということに価値がある。
メルカリだったら商品検索、例えばスカートとか検索するよね。
しるし書店は「西野亮廣店」つまり人で検索する。
全員が古本屋になっちゃって全員でコミュニケーションを取っていくためのツールなんだけど、君のはそのリアル版をやろうとしてるんだよね?
商品検索だったらAmazonでいいから、人検索はおもしろい。
この人がすすめた本だから買う、というのはまったく正しいと思う。
人検索で行う仕組みは正しい。
次の世代っぽい。
「しるし書店」の社長をやるつもりはまったくないから、本当にやる気あるならやらない?(笑)
あと、しるしを入れている例えばAさんという人のパーソナルの情報をもっと知ることのできるツールがあればいいなかな。
あまりないよね?
その人の顔写真なんかあって、美人だったら絶対買うから(笑)。
パーソナルな部分がもうちょっと可視化されるとおすすめ文書にも価値が出る。
もうちょっと勉強したほうが良くて、さっき出ていたようなアイデアは他にもいっぱいあるのよ。
日本中にもあるし、渋谷にもあるし、あちこちにあるから、そことどうやって差別化を図るかを考えたほうがいいと思う
藤原:
いくら集めるの?
学生:
300万円から400万円を考えています。
西野:
いけるんじゃない?
“与える"ことからはじめることが大切。
2人めの学生:
スズキハヤトです。
ポルカというサービスを使ってクラウドファンディングをしました。
僕はWebサービスを作っていて、そのサービスをもっと広めるためにサービスのステッカーと名刺を作りたいという内容でポルカ(身近な友だち同士ではじめるクラウドファンディング)を立てました。
1口500円に設定して、目標金額は5000円にしました。
自分と同じようにステッカーを作りたいということでポルカを立てている人がいて、その内容にとても共感して、その方は1口300円だったんですけど、支援しました。
やってみたら、人とつながる大切さを感じて、リアルでもネットの世界でも人とのつながりがとても重要だなと感じました。
以上です。
藤原:
すばらしい!
西野:
結構今のがヒントだと思うんです。
まず与える、これがすごく大事なんだよね。
僕や藤原先生は何ともないんだけど、前に出てみんなの前でしゃべってみて緊張しなかった?
したよね?カメラも回ってるし、うまくしゃべれないかもしれないし、緊張するよね?
でもさ、そんなことはやる前からわかってるよね。
あそこに立ったら緊張するし、あそこに立つ人不安だろうなって。
そっちで座っているみんなもわかってるはずなんだよ。
じゃあ、このときに座って見ている側の人は何をすればいいんだろう。
むっちゃリアクションしたらさ、しゃべる人はすごい助かると思うんだよね。
むっちゃ頷くとか、ギャグ言ったら「すげーっ」て言うとか、そうすると緊張が解けるし、しゃべる方からしたらリアクションしてくれた人に
すごい感謝すると思うんだよね。
緊張ほぐしてくれてありがとねって。
みんながちょっとサボったと思うのは、聞くときは完全にお客さんになっちゃって、お前頑張れよ、みたいな感じになっちゃって与えてなかったんだよね。
与えてたら話し終わった後に、あのときありがとうなって、握手しに行くと思うんだよね。
そしてそこに人が集まる。
まさにこのポルカを支援したら、与えた瞬間に人から与えられるって、本質的な感じがするんだよね。
ホームレス小谷がここにいたら、ゲラゲラ笑ってるんだよね。
そうするとめっちゃ嬉しいと思うし、むっちゃ助かると思うんだよね。
あいつはしゃべる能力とか一切ないんだけど、天性のリアクターなのね。
リアクションて何かって言ったら与えるってこと。
人を助けるってこと。
緊張してる人、自信のない人をリアクションで助けている小谷が「助けてください」って言ったら、人が一斉に小谷を助けてくれる。
こういう場でポイントを稼ぐっていうのは、しゃべり手ではなくて、聞き手のほう。
僕なら思い切り笑うよね。
そこに信用が集まるから。
君のクラウドファンディングがそれを証明したと思う。
ポルカやってる人がいて、でも持ち金が1円もなかったとしたら、自分のTwitterとFacebook でこんなのありますよ、って宣伝しまくってたらポルカやってる当人から本当にありがとうございますって、必ずリアクションが来るし、自分がポルカをやるってなったらその支援した人から500円ぐらいは絶対すぐ入る。
このときも最初500円を誰かに入れたんだよね?
その後も続けていたら、つまり同じような人をリツイートしたりフォローしたりしていたらたぶん余裕で10倍は集まったと思うよ。
僕ね、オンラインサロンやってるんだけど、うまくいっている人とそうでない人って明確に分かれてるのね。
僕のオンラインサロンはタイムラインに記事を投稿するには、僕の承認が必要なのね。
で、こういう記事あげたい、こういう記事あげたいっていうのはすごい数で来るんだけどほとんど自分の宣伝なんだよね。
こんな活動してるんで見てください!とか。
10人いたら9人。
いや、100人いたら99人が自分の宣伝してる。
小谷ぐらいだよ、「こいつすげーっすよ」とか人のことはほめるのに、自分の宣伝を一切しない人は(笑)。
そういうことを言う人の所に、結局人とお金が集まる。
うまくいっている人はこれをやっている。
だから与えるということがすごく大事。
だから前に立って話す人は緊張しているし、怖い思いをしているのがわかってるんだから、聞いているほうはリアクションとるとか、何度も頷いたりすることがすごい大事。
それがポルカで証明できたわけだよね。
まず与えることの大切さを改めて教えてもらえてすごいよかったです。
次、僕がクラウドファンディングをやるときの参考になります。
最高でした!
藤原:
よっしゃ!
うまくいくリターンの設定の仕方
3人めの学生:
タニガワです。
平田オリザさんという方のワークショップイベントを開きたいっていう、クラウドファンディングをやります。
平田オリザさんというのは劇作家、演出家の方です。
なんでこういうイベントをやりたいかって言うと、学校の授業で憧れの人に会うために色々やってみようという授業があるんですけど、クラス内で3人しかその憧れの人に会えないんです。
この人に会いたいというプレゼンをするんですけど、私は落ちました。
悔しい悔しいってなっていて、その気持ちが抑えられなくなって、よし自分でやろうってなって、なったはいいんですけど何からどう始めていいかさっぱりわからなくて、自分のFacebookに平田オリザさんに会いたい会いたい!でもどうしたらいいかわからない!という投稿して、誰か助けてください!って言ったら、私もびっくりしたんですけど、手伝ってあげるよとか、こういう風にしたらいいよとか、学校の先生がもしかしたらつないでくれるかもしれない、など言ってくださる人がたくさんいて、このプロジェクトがスタートしました。
肝心のクラウドファンディングは15万円に設定しました。
西野:
高校生以下限定なの?
学生:
はい。
でもリターンにイベントの様子の動画を用意しているので、高校生以外の方でも見ることができます。
クラウドファンディングをつくるときに一番難しかったことが、リターンを考えることでした。
どういうものが欲しいんだろうとか、これ自分の自己満足になっていないかなとか、すごい悩みました。
おもしろいアイデアないかなないかなって、ずっと考えていたんですけど、シンプルに支援してくれた人に素直に感謝の気持ちを伝えられるようなリターンにしました。
手書きのお礼のメッセージとか、こういうイベントだったよとかシェアするようにします。
でも1万円のリターンには「タニガワキヨカになんでも一つお願いできる権利」というのをつくりました。
私は他の人の企画に乗ったりだとか、もともと大きな団体、高校生と一緒に考えようみたいなのによく参加していたんですけど、自分でやりたいって思って最初から最後まで企画するというのはこれが初めてなんです。
このプロジェクト、絶対成功させたいと思っているのでよろしくお願いします。
藤原:
平田オリザさんに、何をやってもらうんでしたっけ?
学生:
まだ具体的な話ができていないんですけど、最近ニュースとかで最近の若い者はスマホばっかり見ていてコミュニケーション能力が足りないなんてよく言われるじゃないですか。
ワークショップという風にしたのは、できれば参加者同士とか平田オリザさんと参加者とでやり取りがあるようにしたくて、具体的なことは決まっていないんですけど、だったらワークショップという形態が適切かなって思いました。
西野:
クラウドファンディングの戦略の話になっちゃうんだけど。
クラウドファンディングも人気があるとこに人が集まる。
人気があるってことは、この企画はどうやらおもしろいっていうことで人が集まるから、やっぱり自分ページが盛り上がっているのを見せたほうがいい。
支援者数と支援額の数が多ければ多いほどトップに表示されるわけだから。
これキャンプファイヤー(日本最大のクラウドファンディングのプラットフォーム)だよね?
なら支援者数が1万人いたらトップページに出るよ。
クラウドファンディングはページを開いてもらわないことには始まらないから、1人でも多くの人にページを開いてもらう必要がある。
それで確かにリターンの設定がみんな苦戦するところだよね。
リターンの設定をみんなだいたい間違える。
リターンを3つ作ったよね?
①3000円 ②5000円 ③10000円、だよね。
多くの人が①のリターンのときはAをお返しします、②のリターンのときはA+B、③のときはA+B+Cをお返しますっていう風にするんだよね。
これどうなるかって言うと、A+B+Cが欲しい人っていうのは③を買う。
1万円は集まるんだけど支援者数は1人。
これがもったいない。
そうじゃなくて、リターンの設定は①A②B③Cにする。
それで例えば、値段は①②③とも2000円にしたとする。
全部欲しい人はABC買うよね。
そうなると支援者数は3人と計上される。
1人しかいないクラウドファンディングよりも、3人が集まってるほうが人が集まるよね。
僕ね、結構な回数のクラウドファンディングをやったけど、リターンの設定はバラしたほうがいい。
今の設定だと、人が集まりにくい。
人が集まりにくいということは、お金が集まりにくいということでもある。
ABCをまとめて買って1万円は入るけど1人。
バラすと6000円しか集まらないけど、3人集まってるほうが、最終的に人もお金が集まると思う。
人が集まるところにお金が集まるわけだから、まずは人が集まるようにしたほうがいい。
人が集まるようにリターンを設定したほうが勝率上がると思う。
まだ時間あるよね、48日間だよね?
あんまり動かないんだったらリターンを追加する作業をやったほうがいいと思う。
4つ目のリターンはABCDとするのではなくて、Dだけにする。
これだけで人数が増えると思う。
動きを見てテコ入れしなきゃいけないなっていうときは、4つ目はDだけにしたほうが勝率があがる。
あと平田オリザさんのファンにもアプローチしたほうがいいと思う。
ファンの方っていうのは高校生じゃない方もいらっしゃると思うんだけど、ファンの方はそもそも平田オリザさんのお話はおもしろいからってリツイートしてくれるから、ファンの方に一人ひとりアプローチしていったら結構広めてくれると思います。
藤原:
すごい個人指導が入ったよね!
SNSで自己ブランディングが確立している人が信用をお金化しやすいが…
西野:
みんな何となく信用がお金になるということがわかったと思うんです。
こういうものはお金になってこういうものがお金にならない、というのも何となく体で感じただろうし、体験もしたし、思い知ったと思うんですよ。
今のところクラウドファンディングだとか、信用をお金化する装置というのは色々あるんだけど、これからもすごく出てくると思う。
そこで換金できる信用っていうのは「SNSでブランディングが済んでいる人」である場合が多い。
SNS長者と言うか、勝っている人はより勝つ仕組みになっている。
でも信用持ちってそれだけじゃないからね。
ホリエモンも確かにすごいよね、嘘つかないし本当に信用があると思うんだけど、一方で毎日小学生登下校のお見送りしている交通安全の旗をもっているおじいさん、あの人も信用持ちだと思う。
評価経済と言うのであれば、このおじいさんも勝たせなきゃいけない。
このおじいさんが100万円が必要ってなった時ときに、100万円が集まる装置があったとしたら、ものすごいおもしろい時代だと思うんだよね。
僕なりにひとつ答えあって、それは次回発表します。
僕はこうっていうのがあるんだけど、たぶん答えはひとつだけじゃなくて、SNSでブランディングが済んでいる人、つまりインフルエンサーではない信用持ちを勝たせるための方法、何かを思いついたら教えてください。
今日はありがとうございました。