なんで料理にそこまで燃える? 県立川崎高校クッキング部
自分で料理をしたことはある?
誰かに料理を作ってあげたことは?
ドラマや漫画では「料理で勝負だ!」みたいな熱い話がよく出てくるけれど、あんなこと、現実にあると思う?
その料理に情熱を注いでいる部活動がある。
県立川崎高校クッキング部だ。
今回はその部員たちにお話を聞いてきた!
料理の腕をみがいて、目指せコンテストの優勝!
できた料理をみんなで食べて、良かった点や失敗した点について意見を出し合い、ふり返る。
そうして料理の腕をみがいた部員たちは、さまざまな料理コンテストにも各自応募するのだとか。
例えば「全国高校生パンコンテスト」や「世田谷スイーツ&ブレッドコンテスト」。
北は北海道、南は沖縄まで、全国の高校生や専門学校生がオリジナルパンを創作し、そのパンのおいしさを競う大会だ。
近内茉里愛さんと神森真子さんは、これらのコンテストに出場し、見事予選を突破!
決勝戦では優勝こそ逃したものの、すごくいい経験になった!と語ってくれた。
お客さんを喜ばせたい! みんなで取り組む県川レストラン
一人ひとりの力を合わせて、部員みんなでチャレンジする「県川レストラン(県川は『県立川崎高校』をちぢめた愛称)」というイベントもある。
春と夏に、学校の調理室をお店にして、先生たちや、クッキング部に講師として来てくれた料理人さんを、お客さんに招いて開くレストランだ。
このレストランのメニューには、なんと値段がない!
その理由は食事代の決め方にある。
「食べて満足した分だけ払ってね」というシステムなのだ。
この県川レストランで、昨夏にみんなを引っぱったのは、パンコンテストでも活躍した二人、「料理長」を務めた近内さんと、「店長」を務めた神森さんだった。
そのために何を作ればいいか、みんなで話し合って試作をくり返して。
県川レストランは準備が大変で、いつも『もうやりたくない』って気分になるんです。
でもお客さんが入って食べている景色を調理台から眺めると、『ああ、やってよかった』と毎回思うんです」(近内さん)
でも今日はみんな、準備から接客まで頑張ってくれて。
お客さんの期待以上のものを出したかったから、『おいしい』『さまになっている』と言ってもらえてうれしかった」(神森さん)
2日間開いたレストランは、両日とも満員御礼!
先生たちは、生徒たちがキビキビと料理を運び、一皿ずつ説明も添えるそのもてなしにも満足し、一流レストランのランチに匹敵するお代を払ってくれた。
「野菜たっぷりでぜいたくに感じた」と料理のコンセプトに心を動かされていた先生もいた。
レストランが無事終わると、料理長と店長の目には大粒の涙が。
来てくれたお客さんの期待を裏切りたくない。
でもまだその重みがわからなくて冷めている1年生のやる気も引き出さないと。
そんなプレッシャーと戦ってきただけに、胸に込み上げるものがあったのだ。
お客さんのために料理を出すって、そこまで熱くなれるほど奥が深いらしい。
みんなも、本気で人を喜ばせようとして料理を作れば、そのおもしろさにふれられるのかも!
先輩から後輩へと受け継がれていく料理魂!?
夏の県川レストランをもって、3年生は引退。
新部長には2年生の田中剛くんが選ばれ、この春から新3年生となり、部員たちと料理に取り組んでいる。
でもやっていくと、包丁の技術があがることや、料理について意見を言えるようになることが楽しくなってきて。
先輩たちの県川レストランのメニューは、彩りもきれいだし、先生たちの評判もすごくよかったし、今年、自分たちはどうすればいいんだ、って思いますけれど…。
でも、先輩たちがやってきたことをさらに越えていきたいです。
ハードルは高いけど、みんなで協力してやっていきたい」