高校生も楽しめる! 歌舞伎の世界
2月20日は「歌舞伎の日」。『ぴんとこな』や『オレンジチョコレート』など、人気漫画の題材にされることもある伝統芸能だが、みんなは、歌舞伎のことをどのくらい知っているのだろうか?
テレビの芸能ニュースなどでは、市川海老蔵や市川中車(香川照之)、故人の中村勘三郎などの名前は頻繁に見かけると思うが、歌舞伎の文化については、それほど報道されていないように思われる。というわけでここでは少し詳しく、歌舞伎について紹介したい。
<歌舞伎の始まりはダンスショー!?>
「歌舞伎の日」の由来となった出雲阿国とは女性なのだそう。もともと歌舞伎は、かぶき踊りというダンスショーのようなものから始まった。しかし、当時の幕府が女性による踊りを禁止したので、男性だけが登場するお芝居となった。歌にダンス、お芝居を行う和製ミュージカルが、現代まで残る歌舞伎なのだ。
<100年前から同じ名前を使っている!>
先祖や師匠、先人の名を継ぐこと。襲名するということは、単に名前が変わるだけでなく、その名前にふさわしい芸風や芸格を身に付けるべく精進・努力が必要になるということ。俳優の香川照之も、歌舞伎役者としては代々受け継がれてきた市川中車という名前を襲名している。
<あの掛け声って一体なんだろう?>
歌舞伎の舞台で、舞台上の役者に掛ける「オトワヤッ!」「ハリマヤッ!」などというナゾの掛け声。その多くは、この役者の屋号である。屋号とは、その人の家業や住んでいる地域を表した呼び名のこと。例えば、屋号の始まりと言われている「成田屋」は、千葉県にある成田山新勝寺にほど近い出身だったことが由来となっている。
歌舞伎とは、長く続いてきた伝統芸能ではあるが、根本は観客を楽しませたいいうエンターテインメント性があるもの。ホラーやラブコメの要素がある演目もたくさん存在し、映画のような身近な娯楽として楽しまれてきた。
All Aboutの「高校生も面白いと感じる『勧進帳』『東海道四谷怪談』」という記事には、歌舞伎に興味のなかった高校生が、初めて体験した歌舞伎について、
「『勧進帳』と『東海道四谷怪談』の2つとも、次から次へと場面展開のテンポも速く、あきさせません。ストーリーもわかりやすく、歌舞伎を観たことがない人でも、歴史のことに詳しくない人でも、楽しめると思います」
と、その感想を綴っている。機会があったら日本文化を知る意味でも、一度観てみることをおすすめしたい。