効果的、効率よく使う勉強法をご紹介!脳科学を使った楽しい暗記法5選
英単語や歴史上の出来事、化学式など、どの教科の勉強にも“暗記"はつきもの。
でも、何度もノートに書いたり、教科書を繰り返し読んだりして覚えるのって大変!
そこで、『脳を一番効率よく使う勉強法』の著者で、受験アドバイザーとしても定評のある東京大学附属病院・内科医の福井一成さんに、「脳科学を使った楽しい暗記法」を教えてもらうことに!
「楽しい!」と思い込んで記憶力を上げる!
「ウソでもいいので『勉強は楽しい!』と思い込むと、記憶力がアップするんですよ。
人間の脳は、ポジティブな気持ちになると“βエンドルフィン"というホルモンを分泌するのですが、実はこれには記憶力を高める効果があるんです。
なかなか前向きな気持ちになれないときは、『あ~、楽しい!』と声に出してみるといいですね。
あとは、ハッピーな状況をイメージしたときにもこのホルモンは分泌されるので、『次のテストで良い点数を取る自分』『志望校に入学している自分』などを想像してみるのも効果的です」
「楽しい」って思うだけで記憶力が上がるなんてすごい!
お気に入りのカフェで楽しく勉強する…なんていうのもアリかも!?
“五感"を使って音読することで脳を刺激!
「教科書を読むときは、“黙読"ではなく声に出して“音読"する方が記憶力が高まります。
これは、音読をすると“目・口・耳"といったさまざまな五感を同時に使うので、脳が刺激されて活発に働くようになるから。文章を指でなぞりながら音読すると、“触覚"も加わるのでさらにいいですね。
電車の中で声が出せない…という場合は、“口パク"で読むだけでも効果はあります。
また、耳栓をしながら“ささやき声"で音読すると、声が頭の中で大きく響くので、集中力が高まって記憶力もアップします」
難しい文章はメロディに乗せて歌う!
「難しい数式や意味のわからない英文が出てきたら、まずは好きな曲のメロディに乗せて歌ってみましょう!
これをスマホなどで録音して繰り返し聞けば、自然と暗記できますよ。人間の脳は、音や絵など、イメージとして認識したものは右脳で、言語のような意味が理解できるものは左脳で記憶しています。
録音した歌を聞くと、最初は“音"として右脳に記憶され、意味が理解できるようになると左脳にも記憶されます。
この方法なら、両方の脳を活用できるので記憶力がアップするんです。また、まぎらわしい語句は声の高さを変えて読むといいですね。
例えば、北山文化に関連する『足利義満・世阿弥』などは高い声で、『足利義政・水墨画』などの東山文化は低い声で録音しておくと、記憶が整理されて間違えにくくなります」
確かに曲の歌詞ってすぐに覚えられるから、勉強も歌いながらやるといいかも!
10倍の記憶力!? イラストを描いて覚える!
「右脳を使った暗記法は、ほかにもあります。例えば、『1582年に起きた本能寺の変』は、いちごパンツ(1582)姿の織田信長のイラストを描いて覚えてみましょう。
絵にすることで、言語を記憶する左脳だけでなく、イメージを記憶する右脳も活用できるようになります。
実は、右脳は左脳の10倍以上の記憶力があるので、文字を繰り返し読むよりも絵で見た方が覚えやすいんです。絵を描くのが苦手な人やイラストにしづらいものは、文字の書き方や色を変えてみるのも手ですね。
『laugh(笑う)』『enjoy(楽しむ)』といったポジティブな単語は、オレンジなどの明るいペンでポップな書体で書き、『lonely(寂しい)』『painful(つらい)』といった悲しみを現す単語は、青いペンで弱々しく書いてみると記憶に残りやすいですよ」
絵を描いたり、文字をデコりながら勉強するのって面白そう! あとからノートを見返すのが楽しくなるかも。
間違えたら悔しがる!? 感情と一緒に暗記する!
「勉強中は、淡々とした気持ちで机に向かっている人がほとんどだと思いますが、できるだけ感情を入れて勉強した方が、記憶を定着させやすいんです。
例えば、江戸時代に幕府が廃止された『王政復古の大号令』を勉強するときは、『江戸時代が終わっちゃった…!』と悲しんだり、数学の問題を間違えたときには『くっそぉー!』とオーバーに悔しがってみましょう。
実は、脳の中にある“扁桃核(へんとうかく)"という感情を引き起こす器官は、物事を記憶する“海馬"のすぐ近くにあります。そのため、感情と一緒に暗記すると海馬が刺激されて暗記力がアップし、忘れにくくなります」
どれも簡単そうで、試してみたい!
みんなも早速実践して、暗記マスターを目指してみては?