高校生向けサマーキャンプ「イェール大生考案のGAKKO」

ちょっと早い話題だが、この夏休みにやりたいことはあるだろうか。部活で毎日汗を流す? 塾で集中的に受験勉強? それもいいが、せっかくの長期休暇、高校時代にしかできない体験をするのも良さそうだ。

 

その一例として、国内外の大学生が企画する、高校生向けサマーキャンプ「GAKKO」を紹介しよう。

 

このサマーキャンプは、日本の高校からイェール大学に進学した古賀健太さんが、「世界に出て活躍することを夢みる日本の高校生のために、世界一楽しいサマーキャンプを開きたい」と発案。考えに共感したイェール大学やハーバード大学、国内の大学などの学生が中心となり、株式会社ベネッセと共同で、昨年、第1回GAKKOキャンプを開催した。

 

キャンプのテーマは「Question Learning(=「学ぶ」とは?)」。実行委員会の大学生メンバーが、世界のサマーキャンプの研究をもとにプログラムを設計。自由な環境でさまざまな活動を行うなかで、普段の学校生活ではなかなか意識できない、主体的に学ぶ大切さや幅広い進路の選択肢に、高校生が自ら気づくように導いていく。

 

昨年7日間のプログラムの中身は多彩だ。海辺を走るゲームから「きっかけ」を体感させる、ベンチャー起業家による授業。全員でサプライズイベントを企画する、プロマジシャンによる「人を驚かす」をテーマにした授業。さまざまな分野の“先生”がユニークな授業を展開した。

 

【夏の提案1】イェール大生考案のサマーキャンプGAKKO_01

 

プログラムはすべて英語で行われる。参加者は英語を得意とする人が多いが、昨年参加した広尾学園高校3年の小川楓太さんは「英語はニガテ」と言う。

 

「事前の面接では『通訳してくれる友達を探すので大丈夫』と大見得をきったものの、前日は不安でよく眠れないぐらいでした。でも、参加者で顔合わせしたら、すぐ『こういう雰囲気なら大丈夫』と不安は解消。友達の協力もありましたが、プログラムを120%楽しめましたね。引け目を感じずに堂々としていれば語学力は問題ではないと、体でわかったことがGAKKO参加の一番の収穫です」(小川さん)

 

現在早稲田大学1年でトロント大学(カナダ)に進学予定の五十嵐淳哉さんは、大学受験を控えた高3で参加した。

 

「受験期でもGAKKOに参加して良かったと思います。世界中の大学から集まった先輩たちと一緒にいろんなことを考えていくうちに、自分が思っている以上に世界は広いことを実感しました。もとから海外の大学に興味があったのですが、海外に出たいという気持ちがいっそう強くなりました」(五十嵐さん)

 

【夏の提案1】イェール大生考案のサマーキャンプGAKKO_02

 

テーマとして掲げたQuestion Learningの答えについて、発案者でありプロジェクト代表の古賀さんはこう話す。

 

「キャンプで改めて感じたのは、答えはわからない、ということ。どんどんわからなくなっていいのです。考え続けることによって、常に自分の学びに対する姿勢がより主体的になって、より深く物事を学ぶことができるでしょうから。参加者がGAKKOを通じて、学びの意味を主体的に考えるきっかけになればと思います」(古賀さん)

 

2回めとなる今年のGAKKOは、8月1~9日に香川県小豆島で開催される。メインテーマは昨年と同じ「Question Learning」。「数学」「現代社会」「美術」など、日本の学校の「教科」を取り上げたワークショップが予定されている。参加費は60,000円(自宅から小豆島までの往復交通費は別途必要)。応募締め切りは5月30日(木)。書類審査や面接で参加者30名が決まるという。

 

GAKKO以外にも、夏休みは学校の枠を超えたイベントは多い。みんなもこの夏、こんな刺激をもらえるイベントに参加してみてはどうだろうか。