アタッシェドプレスとはファッション界での独自の呼び方で、さまざまなブランドの宣伝活動(PR)を行います。デイリーな仕事内容は、1.サンプルの貸し出し、2.サンプルの管理、3.担当ブランドのニュースリリースの制作です。職場はショップのように各ブランドの服や小物のサンプルがずらりと並ぶプレスルーム(ショールーム)で、工場への量産発注見本であるサンプルを、宣伝活動にも活かすためのスペースです。私の担当はデニムの「リー」「ラングラー」、日本デザイナーズの「フィルザビル」「ビリティス・ディセッタン」「カイコー」。どのアイテムがどこに貸し出されたのか、いつ返却されるのかなどの管理を行っています。
学生時代からアタッシェドプレスへの憧れがありました。文化を卒業して約3年間ショップに勤めていたころ、4K[sik]の募集をネットで目にしました。ダメ元で挑戦したところ、無事にチームの一員になることができました。4K[sik]で働きはじめて、人との接し方でこれまでの販売員と真逆と感じたことがあります。それは、「人との距離を縮めていい」、ということ。前職の売り場は百貨店で、お客様と馴れ馴れしい関係になってはいけないと教育されていました。いまではまったく逆。上司からはむしろ、「公私の区別をつけるな」と言われます。多くの人と密な関係を築くことができるコミュニケーション能力は、宣伝業務上では大切なことです。
ファッションの仕事に興味を持ち始めたのは高校生のときです。ファッション好きの一学年上の先輩の影響でした。その先輩も入学した文化の文化祭に、友達と行って観たファッションショーのパンチ力が凄くて衝撃をうけました。ファッション流通科に入学してからも、「文化といえば文化祭」とばかりに積極的に参加。舞台裏の重要な役割であるモデルへの服の着せ付け(フィッター)を担当し、お祭り気分を存分に味わいました。4K[sik]にも文化の卒業生がたくさんいます。個性派揃いの文化生には、どこか共通する世界観があり、モノづくりへの関心の深さは誰にも負けません。“つくる”こと、それを支えることが文化生のアイデンティティです。
4K[sik] プレス/ファッション流通科スタイリストコース 卒/※文化服装学院公式サイト 卒業生取材『LINKS』より一部転載 https://sumirekai.bunka-fc.ac.jp/interview/links/004/