北海道の食材をおいしく加工し、多くの人々に買っていただけるような商品開発・技術開発に取り組んでいます。道産食材の魅力を活かす加工技術はもちろん、顧客のニーズに寄り添い、流通販売にしっかり繋げるマーケットインの思想こそが商品開発にもっとも必要です。私は食品加工研究センターで20年近く北海道食材の加工技術の研究開発を行ってきており、北海道の特産品として定着した「ブナサケを用いたサケ節の開発・実用化」やコンビニの加工食品などで広く普及している「過熱水蒸気」の研究などを手掛けてきました。温暖化などの環境の変化により、変化し続ける北海道の食材。今後さらに新しい加工技術や貯蔵技術が必要になってくる中で、未低利用資源の利活用なども含め、食品加工品の品質向上に欠かせない技術を現在も研究し続けています。
大学は基礎研究が多いというイメージですが、阿部先生のゼミでの研究テーマは食品開発なので、実用化したときの経済波及性も大きく、応用研究・実証研究という部分で学生も楽しんで取り組めるのが特長。学生が手掛ける開発サポートは、農畜水産さまざまな企業から依頼があり、担当となる3年生のグループが企業の思い入れを組んだ上で、開発アイデアを考え実用化を目指す取り組み。値段、品質、衛生面などさまざまな部分に目を向けながらの開発は、経験としてとても貴重なので、就職活動でも大きな武器になるという。
北海道は日本の食糧供給基地としての役割が今後ますます重要になってきます。北海道の食産業の発展のために酪農学園大学で学び、研究し、将来の北海道を背負う人材を一緒に目指しましょう。
専門科目:食品加工、鮮度保持/1990年北海道大学水産学部卒業、同年月島食品工業株式会社入社。1994年より北海道立(現北海道立総合研究機構)食品加工研究センターにて北海道食材の加工による高付加価値化技術について研究開発を行うとともに、道内食品企業の技術サポートを行う。2007年北海道大学大学院水産科学院博士後期課程修了。2014年より現職。趣味は海釣り。