「皆が持っているモノ、流行のモノ」と「誰も持っていない貴重なモノ、個性的なモノ」、この矛盾する二つの価値観が存在しているのが、現在の日本におけるファッション意識だと思います。ファッション業界でもデジタル化が進み、業務の効率化、生産性の向上が謳われていますが、最高級の完成度を目指し、職人的技術と知識を用いて、創造性と伝統が融合された個のために作られるオートクチュールの手法は、次世代へ繋いでいく必要があると考えています。しかし日本では、伝統技術など高い技術が衰退し、後継者問題、職人不足に直面しています。こういった社会現象に歯止めをかけ、文化を守っていかなければなりません。もの作りの本質的な部分を絶やさずに次世代につなげていくのが、本学院の「オートクチュール&舞台衣装コース」であると考えています。
顧客に対し最高級の服を提供するためには、デザイン、パターン、素材の選定、縫製に高い技術力が求められます。佐々木先生の授業では、オートクチュールの技法、素材、装飾を学び、高品質な服づくりをめざしています。ハンドワークの作業を積み重ね、3年次には、現役のドレスデザイナーの方に特別講師として入っていただき、アトリエ見学やドレスの構造・トレンド・アクセサリー制作などについて学びます。今まで学んできた技法や手法を取り入れ、最終的にはオートクチュールのドレスを1着仕上げていくのだそう。
経験や知識がなくてもまなびの中で経験を積めば、自分がイメージするものを作れるようになります。自分の思うものを形にするのは楽しく夢があることなので、是非ファッションを通して、もの作りをしてみてください。
専門/オートクチュール・サンプルメーキング・アパレル商品演習
専門学校卒業後、下着デザイン、百貨店VMD職を経て、大阪文化服装学院の教員に従事。主に、1950~60年代の百貨店に設けられたオートクチュールサロンのパターンと縫製技術を研究。現在の授業の根源となっている。「もの作りがしたいという気持ちがあれば、必ず作れるようになります。万全なサポート体制があるので安心して学びに来てください。」と語ってくれた。