私の勤務先の病院では、医師の指示・指導のもと、怪我の処置を柔道整復師に任せてくれます。そのため、私自身も骨折や脱臼などの大きな怪我をされた患者さんへの施術を得意としています。
教員になったきっかけは、柔道整復師として経験を重ねる中で私が行っている施術を他の柔道整復師もできたら助かる患者さんが増えるのではないかと考えるようになったからです。もちろん医師の診断・判断が必要ですが、柔道整復師にできることはたくさんあり、実際に元気になられた患者さんから「先生のおかげです」と言っていただくこともあります。最初は若手の柔道整復師向けに講習会を開いていましたが、さらに若い世代へ伝えるべく本学に着任しました。今後も学生たちに臨床現場で役立つ技術と柔道整復師の可能性を伝えていけたらと思っています。
楠岡先生が担当する「柔道整復学総論」では、骨折の仕組みや表れる症状を基礎から学びます。さらに実習では骨折の症例一つひとつに対して適切な包帯の巻き方を実践していきます。実技のテストの際には学生がモデルとなって施術を実践。技術力以上に患者さんだったらどう接するかを考えて施術ができているかを重視していると言います。「学生生活の基本的なルールは守ったうえで、それでも上手くできなかったら教員の責任」と話す楠岡先生。グループワークなど学生が主体となった授業も展開し、人間力の形成にも力を注いでいます。
高校生の皆さんには日々の学校の勉強を頑張ってほしいですね。勉強方法を知っておくこと、勉強の習慣をつけておくことは成長の速度を速めてくれます。「やればできる!」の精神で何事にも前向きに挑戦してください。
専門科目:柔道整復術適応の臨床的判定、触察実技/略歴:柔道をしていた高校時代、整骨院によく通っていたことから、柔道整復師に興味をもった楠岡先生。勤務先の病院に近畿医療専門学校の学生が実習に訪れたことが縁で本学教員に着任。現在は病院で骨折や脱臼をはじめとする患者さんの施術を行いながら、自身の経験を学生に伝えている。