「そもそも大学へ行くべきなのか、大学院へ行くべきなのか?」「働きながら学びたいんだけどどんな選択肢があるのか?」などなど一口に大学・大学院選びといってもチェックポイントはいくつかある。一つ一つ見ていこう。 学ぶジャンルは何となく決まっていても、同じ分野に大学も大学院もある。自分のレベルや目的に合わせて進学先を判断するわけだが、その分野が未経験だからといって「まずは大学から」と決めてしまうのは早計。今、大学院は従来型の「研究系大学院」と実務家養成に主眼を置いた「プロ養成系大学院」とに分かれてきており、プロ養成系の場合、他学部出身者を積極的に受け入れているケースも多いからだ。そこで、研究系大学院、プロ養成系大学院、4年制大学、短期大学の4つの選択肢からフラットに検討してみよう。 仕事を持っている社会人が会社を辞めずに昼間開講の大学・大学院に通うのは通常難しい、その場合は、働きながら通える開講形態の大学・大学院を探す必要がある。開講形態のバリエーションにはどんなものがあるのかチェックしてみよう。 ●働きながら学べる開講形態のバリエーション
●働きながら学ぶ社会人に配慮したシステムはほかにもある!
用語集「サテライトキャンパス」
●1年制、長期履修制度など通学期間のバリエーションも増えた! 修業年限は「大学なら4年」「大学院修士課程なら2年」と必ず決まっているわけではない。仮に会社を辞めて通うとしても、大学院で2年間勉強に専念した場合、ブランクの影響は当然気になる。そんな社会人には「1年制大学院」がオススメ。また、1年制ではないが、最短1年で修了可能な大学院も増えている。1年制夜間大学院もある。反対に、働きながら通いたいが、週2〜3日の通学はきついという人のための制度が「長期履修制度」。入学時に申請すれば、本来2年間のコースを3〜5年程度(大学院によって設定は異なる)かけて通うことができる制度だ。留年した場合と比べて学費の無駄も少ない。大学の4年間が長すぎるという人は編入学を狙ってみよう。 用語集「1年制大学院」 用語集「長期履修制度」 用語集「編入学・学士編入学」 「教員免許をとりたい」といった明確な目標が決まっている人は問題ないが、「国際舞台で活躍できるスキルを身につけたい」など目標が漠然としている人は、そこからさらに学ぶジャンルを絞り込んでいく必要がある。その際のポイントがこれだ! ●気になっているジャンルの周辺のジャンルもしっかりチェック 例えば、なんとなくMBAが気になったら、MOTやアカウンティングスクールなどその周辺のジャンルの大学院もしっかりチェックすることが大切。より、自分の目的に合致したジャンルが見つかることもある。また、そのように幅を広げて個々の大学・大学院のカリキュラムを細かくチェックしていくなかで、魅力的な大学・大学院を見つけて、新たな目標が生まれてくる場合だってある。とにかく先入観にとらわれないことが大切だ。 ●新設校に注目! 今までにないジャンルの大学・大学院も続々 自分が今関心を持っているテーマが仮に既存の大学・大学院では学べないものだとしても諦めるのは早い。最近は、社会的ニーズの高いテーマに対応した新設の学部・研究科(専攻)が続々登場している。行きたい大学・大学院が今年まではなくても来年登場する可能性もあるので、新設校情報はしっかりチェックしておきたい。毎年7月頃から公立・私立の設置認可申請の状況が公表されるので、文部科学省のHPなどをマメに覗いてみよう。 正規の学生として入学する以外にも「科目等履修生・聴講生」「公開講座」など大学・大学院で学ぶための方法はいくつかある。では、これらの学び方にはどんな特徴があって、どんな人に向いていて、どんなメリットがあるのかを解説しよう。 ●科目等履修生・聴講生 「科目等履修生」も「聴講生」も正規入学せずに、自分の受けたい科目だけを選んで履修できる制度で多くの大学・大学院出実施されている。科目等履修生は単位を取得できるが聴講生はできないという違いがある。履修できる科目とできない科目があったり、履修できる科目数に制限があったりするが、特に科目等履修生制度は目的に応じていろいろな活用法がある便利な制度。書類選考や試験が課される場合もあるが、正規入学に比べればハードルは低い。
●公開講座 公開講座にはいくつかタイプがある。一般を対象に、無料または安い参加費で特定のテーマの連続講演会を開催したり、大学・大学院の授業やそれに準じた内容の講義を一般に公開したり、語学から資格取得・スポーツまでバラエティに富んだ講座を取り揃えているケースもある。期間も1回完結のものから通年の講座までさまざまだ。基本的には誰でも気軽に参加できるタイプのものが多く、自分の学びたいことに手軽に取り組める点が魅力。
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