STEP1 受験する大学・大学院を決める

「そもそも大学へ行くべきなのか、大学院へ行くべきなのか?」「働きながら学びたいんだけどどんな選択肢があるのか?」などなど一口に大学・大学院選びといってもチェックポイントはいくつかある。一つ一つ見ていこう。

Check Point 1 プロ養成系大学院、研究系大学院、4年制大学etc. 目的に合うのはどれ?Check Point 2 働きながら学ぶならどんな開講形態の大学・大学院を選んだらいい?

Check Point 3 学ぶジャンルを選ぶ際のポイントは何?Check Point 4 科目等履修、公開講座など正規課程以外の方法で学ぶメリットは?

Check Point 1 プロ養成系大学院、研究系大学院、4年制大学etc. 目的に合うのはどれ?

学ぶジャンルは何となく決まっていても、同じ分野に大学も大学院もある。自分のレベルや目的に合わせて進学先を判断するわけだが、その分野が未経験だからといって「まずは大学から」と決めてしまうのは早計。今、大学院は従来型の「研究系大学院」と実務家養成に主眼を置いた「プロ養成系大学院」とに分かれてきており、プロ養成系の場合、他学部出身者を積極的に受け入れているケースも多いからだ。そこで、研究系大学院、プロ養成系大学院、4年制大学、短期大学の4つの選択肢からフラットに検討してみよう。

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Check Point 2 働きながら学ぶならどんな開講形態の大学・大学院を選んだらいい?

仕事を持っている社会人が会社を辞めずに昼間開講の大学・大学院に通うのは通常難しい、その場合は、働きながら通える開講形態の大学・大学院を探す必要がある。開講形態のバリエーションにはどんなものがあるのかチェックしてみよう。

●働きながら学べる開講形態のバリエーション

夜間開講 原則的に平日の夜間と週末の通学のみでOKの開講形態。
大学院の場合 対象をほぼ社会人に絞り、平日夜間と土曜日(大学院によっては日曜も)の昼間に開講している「夜間大学院」もビジネス系のジャンルを中心に増えている。通学に便利なサテライトキャンパスを設置していることも多い。
大学の場合 大学では、勤労学生を対象とした二部(夜間部)が知られているが、最近では二部を廃止し、昼夜開講制(フレックス制)に移行する大学が増加。

土日・夜間で通える大学・大学院を探す

昼夜開講 昼間にも夜間にも開講すること。平日夜間と週末の履修でOKな場合も多い。
大学院の場合 昼間をベースに設置されている大学院でも、社会人を受け入れるため、夜間にも開講するところが増加。平日夜間と週末の通学、その他夏季・冬季の集中講義などで修了できるよう配慮している大学院も多数ある。
大学の場合 昼間にも夜間にも科目を配置し、昼間主コース、夜間主コースを選択できるようになっているケースが多い。「フレックス制」と呼ぶ大学もある。

通信制 郵送によるやりとりやeラーニングなどでキャンパスに通わず学べる制度
大学院の場合 従来、通信制は大学が中心だったが、最近はWEB環境の整備が進み、通信制大学院も増えてきた。eラーニングのみで修了できる大学院もある。
大学の場合 大学の通信教育は従来から充実していたが、最近はCS放送やWEBを活用した通信制大学も増えてきた。一定の単位はスクーリング(対面授業)で取得しなければならないが、基本は自宅学習中心で卒業することができる。

通信制大学・大学院についてもっと詳しく知りたい人はこちら

●働きながら学ぶ社会人に配慮したシステムはほかにもある!

土日のみで修了できるコース 残業が多く、平日夜間ですら通学が難しいという社会人もいる。そんな人たちのために、一部のビジネス系大学院では土日の通学のみで修了できるコースを設けるところも出てきている。

土日・夜間で通える大学・大学院を探す

サテライトキャンパス 通学に便利なターミナル駅周辺に社会人向けに設置されたキャンパス。

用語集「サテライトキャンパス」
サテライトキャンパスのある大学・大学院を探す

WEBやDVDによる欠席フォロー 基本は通学だが、仕事の都合でキャンパスに行けない場合など、WEBを使って授業に参加できたり、後から講義映像をWEBやDVDで視聴できるシステムを導入している大学・大学院もある。

●1年制、長期履修制度など通学期間のバリエーションも増えた!

修業年限は「大学なら4年」「大学院修士課程なら2年」と必ず決まっているわけではない。仮に会社を辞めて通うとしても、大学院で2年間勉強に専念した場合、ブランクの影響は当然気になる。そんな社会人には「1年制大学院」がオススメ。また、1年制ではないが、最短1年で修了可能な大学院も増えている。1年制夜間大学院もある。反対に、働きながら通いたいが、週2〜3日の通学はきついという人のための制度が「長期履修制度」。入学時に申請すれば、本来2年間のコースを3〜5年程度(大学院によって設定は異なる)かけて通うことができる制度だ。留年した場合と比べて学費の無駄も少ない。大学の4年間が長すぎるという人は編入学を狙ってみよう。

用語集「1年制大学院」  用語集「長期履修制度」  用語集「編入学・学士編入学」
1年制コースがある大学院を探す
長期履修制度がある大学院を探す

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Check Point 3 学ぶジャンルを選ぶ際のポイントは何?

「教員免許をとりたい」といった明確な目標が決まっている人は問題ないが、「国際舞台で活躍できるスキルを身につけたい」など目標が漠然としている人は、そこからさらに学ぶジャンルを絞り込んでいく必要がある。その際のポイントがこれだ!

●気になっているジャンルの周辺のジャンルもしっかりチェック

例えば、なんとなくMBAが気になったら、MOTやアカウンティングスクールなどその周辺のジャンルの大学院もしっかりチェックすることが大切。より、自分の目的に合致したジャンルが見つかることもある。また、そのように幅を広げて個々の大学・大学院のカリキュラムを細かくチェックしていくなかで、魅力的な大学・大学院を見つけて、新たな目標が生まれてくる場合だってある。とにかく先入観にとらわれないことが大切だ。

●新設校に注目! 今までにないジャンルの大学・大学院も続々

自分が今関心を持っているテーマが仮に既存の大学・大学院では学べないものだとしても諦めるのは早い。最近は、社会的ニーズの高いテーマに対応した新設の学部・研究科(専攻)が続々登場している。行きたい大学・大学院が今年まではなくても来年登場する可能性もあるので、新設校情報はしっかりチェックしておきたい。毎年7月頃から公立・私立の設置認可申請の状況が公表されるので、文部科学省のHPなどをマメに覗いてみよう。

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Check Point 4 科目等履修、公開講座など正規課程以外の方法で学ぶメリットは?

正規の学生として入学する以外にも「科目等履修生・聴講生」「公開講座」など大学・大学院で学ぶための方法はいくつかある。では、これらの学び方にはどんな特徴があって、どんな人に向いていて、どんなメリットがあるのかを解説しよう。

●科目等履修生・聴講生

正規入学せずに科目単位で大学・大学院の授業を受けられる制度

「科目等履修生」も「聴講生」も正規入学せずに、自分の受けたい科目だけを選んで履修できる制度で多くの大学・大学院出実施されている。科目等履修生は単位を取得できるが聴講生はできないという違いがある。履修できる科目とできない科目があったり、履修できる科目数に制限があったりするが、特に科目等履修生制度は目的に応じていろいろな活用法がある便利な制度。書類選考や試験が課される場合もあるが、正規入学に比べればハードルは低い。

メリット1 資格取得に必要な科目だけを履修できる
教員免許や司書など大学で特定の科目の単位を取得することが必要な資格を改めてめざす場合、すでに大卒資格があれば、科目等履修で手軽に資格取得が狙える。
メリット2 大学・大学院正規入学の予行演習になる
正規入学に不安や迷いがある場合、科目等履修や聴講生なら、コストも時間的負担も最小限で実際の大学・大学院の授業を体験できる。半年程度通って不安が解消されたら次年度入学をめざせばOK。

●公開講座

授業の一般公開からカルチャーセンター的な講座まで幅広い

公開講座にはいくつかタイプがある。一般を対象に、無料または安い参加費で特定のテーマの連続講演会を開催したり、大学・大学院の授業やそれに準じた内容の講義を一般に公開したり、語学から資格取得・スポーツまでバラエティに富んだ講座を取り揃えているケースもある。期間も1回完結のものから通年の講座までさまざまだ。基本的には誰でも気軽に参加できるタイプのものが多く、自分の学びたいことに手軽に取り組める点が魅力。

メリット1 無料で参加できる講座・講演会が結構ある
探してみると無料の講座・講演会も少なくない。大学により脳科学からアニメまでテーマはさまざま。あまり派手に告知されないことが多いので、マメに情報収集しておけば掘り出しモノの講座にタダで参加できる。
メリット2 大学・大学院で学ぶ第一歩としては最も手軽
正規入学や科目等履修などで継続的に学ぶ決心がつかない人でも、3ヵ月程度の公開講座なら気軽に参加できる。学ぶ楽しさを知ることで、大学・大学院に対する敷居がグッと低くなるというメリットもある。

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