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東京農工大学、航空研究会「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」5連覇達成
2022/4/27
東京農工大学 航空研究会は、「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」で5連覇達成した。
~「空を飛ぶものを自分の手で作り、自分の手で飛ばす」というロマンを実現~
航空研究会(NokoLAT)
工学部機械システム工学科 3年 松本 崇さん
東京農工大学公認サークル「航空研究会 NokoLAT(以下・航空研究会)」は、昨年12月に開催された「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト(※)」に出場し、一般部門の第1位(大田区長賞、ベストクラフト賞)そして、ユニークデザイン部門のチームラボ賞を受賞した。一般部門の第1位は、今回で5連覇となる。12月まで代表を務めていた松本 崇さんに話を聞いた。
※全日本学生室内飛行ロボットコンテスト
一般社団法人日本航空宇宙学会のコンテスト。一般部門、自動操縦部門、マルチコプター部門、ユニークデザイン部門の4つの部門があり、今年、航空研究会からは一般部門に「Anomalocaris」、自動操縦部門に「Meganeura」、マルチコプター部門に「black berry」、ユニークデザイン部門に「カモノハシ」が出場した。
【航空研究会の活動について教えてください。】
航空研究会はラジコン飛行機・ラジコン飛行船・マルチコプター(ドローン)・モデルロケットなど、主に空を飛ぶものを設計・製作するサークルです。
年間を通して「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」と「種子島ロケットコンテスト」の二つの大会にむけて活動しており、チームを編成して本番の3~4か月前から少しずつ作業を進めます。それ以外の時期は、ラジコン飛行機やドローン・ロケットなど、個人が自由に作りたいものを作る活動がメインです。
航空研究会の強みは、歴代の諸先輩方が残してくださったノウハウにあります。直接のご指導や部内の資料だけでなく、過去の機体を見て学ぶことでも様々な技術を吸収して製作に活かしています。もちろん新たな技術の取り入れも積極的に行っており、近年の製作には3DプリンターやCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略。炭素繊維で補強・強化された樹脂のこと)製の部品も使用しています。
メンバーの多くが機械システム工学科の学生ですが、自動制御にも取り組んでいるため知能情報システム工学科のメンバーも一定数在籍しています。工学部のその他の学科や、農学部の部員もいます。
入部前に必要となる知識はありませんので、どの学科の学生でも活躍できます!
【全日本学生室内飛行ロボットコンテストでの5連覇、おめでとうございます!】
これまで4連覇中だった一般部門では、最大飛行時間内に指定されたミッションを行い、機体の性能および操縦性を評価する項目の総合点を競います。
歴代の先輩がそれぞれ特徴的なコンセプトを持った機体で優勝されていたため、今年も独自性に富む「モーターを二つ積む双発機」で挑みました。機体の名前は「Anomalocaris」です。
見た目を実機に寄せたかったので、同じ双発機であり、戦後初の国産旅客機として1962年に初飛行し、1964年の東京オリンピックで聖火を国内各地に運んだ「YS-11」という飛行機のカラーリングを採用しました。
アイデア出しや双発機ならではの電装部品の工夫に時間を要しましたが、見事5連覇を達成することができました。優勝が決まったときは、嬉しさもありましたが、先輩たちから「次は5連覇!」と言われていたので、期待に応えられてほっとした気持ちが一番大きかったです。
大会では、年々、ほかのチームもレベルが上がってきていているのを感じます。
ライバルチームではありますが、機体の特徴を詳しく教えてもらえたりと、他校との技術交流も大会の楽しみのひとつです。
【航空研究会を選んだきっかけを教えてください。】
農工大への入学が決まって、ホームページのサークル一覧を見て、航空研究会を見つけました。昔から、飛行機やラジコンが好きだったので、自分で作れるのがおもしろそうだと思いました。
1年生の時には、全日本学生室内飛行ロボットコンテストのユニークデザイン部門、2年生で自動操縦部門に出場しました。
ラジコン飛行機やモデルロケットづくりの魅力は、「空を飛ぶものを自分の手で作り、自分の手で飛ばす」というロマンを実現できることです。空中を三次元で移動するため操縦の練習も少し必要ですが、自分が設計して素材を切り出すところから製作した機体が空を自由に飛んでいるときは非常に楽しく、達成感も味わえます。
農工大には、ほかにもものづくりのサークルがありますが、航空研究会では、製作規模が小さいので一人で設計から製作まで完結させることができます。自分が作りたいと思ったものを自由に形にできる自由度の高さが特長です。
【今年の「種子島ロケットコンテスト」にも出場されるのですか。】
航空研究会では、JAXAの種子島宇宙センターで行われる「種子島ロケットコンテスト」にも毎年参加しています。
こちらは、手作りによるモデルロケットや衛星機能モデルを開発・製作し、打上げるもので、ロケット部門とCanSat(飲料水の缶サイズの小さな模擬人工衛星)部門があります。
通常、全日本学生室内飛行ロボットコンテストは9月開催、種子島ロケットコンテストは3月開催なので、全日本学生室内飛行ロボットコンテストが終わったら、少し休んで、気持ちを切り替えて準備を始めます。ジャンルが違う色々なものを作れるのも、航空研究会の魅力です。
今年は、航空研究会から8つのチームがエントリーし、全チームが書類審査に合格しました。3つのロケットと5つのCanSatが出場します。
私は、もう一人の3年生のメンバーと一緒に、ロケット部門の高さを競う競技に出場します。
種子島ロケットコンテストは、新型コロナウイルス感染症の影響で、一昨年は中止になり、昨年はオンライン開催になりました。今年は、3年ぶりに現地開催の予定だったのですが、オミクロン株の感染拡大の影響で、残念ながらオンライン開催に変更されました。オンライン開催は、プレゼンテーションと質疑応答で審査されます。
種子島宇宙センターに行くのを楽しみにしていたので少し残念ですが、オンラインでもがんばります。
【授業やアルバイトとの両立などで苦労することはありますか。】
全日本学生室内飛行ロボットコンテストも種子島ロケットコンテストも、例年、長期休暇の期間に実施されます。
テスト飛行の際などは、チームのメンバーのスケジュールを調整する必要がありますが、授業との両立はそれほど大変ではありません。
アルバイトをしているメンバーも多いですね。
部室は居心地がよく、ここで仲間と授業の課題をやったり、テスト勉強をしたりすることもあります。
また、授業で学ぶ内容が製作に役に立つこともあれば、製作で得た知識が、授業の理解につながることもあります。
自動操縦の機体を作るためには、プログラミングの知識が必要なのですが、授業で学ぶ内容だけでは足りないため、勉強会をしたり、先輩から教わったりして、勉強しています。
航空研究会では、主に、研究室配属前の3年生までが活動していますが、先輩が様子を見に来てくださることもよくあります。先輩には、製作にアドバイスいただけるだけでなく、研究室を選ぶ際の相談にのっていただけることもあります。
私が配属された研究室にも、航空研究会の先輩がいらっしゃるので、とても心強いです。研究室では、飛行機の製作でも使ったCFRP素材を研究しているので、研究のモチベーションにもつながっています。
航空研究会で、自分一人で設計からすべてやった経験や、チームを組んでプロジェクトに取り組んだ経験は、今後色々なところで役に立つと思います。
【今後の活動の目標などはありますか?】
ここ2年間の社会情勢によって対面での技術の伝承が上手くいっておらず、今年度の全日本学生室内飛行ロボットコンテストの大会準備でも、引き継ぎ不足が露呈した面もありました。コロナ禍以前に入部した学生が現役であったため一定の結果を得ることができましたが、来年度以降に向けしっかり活動を進めていく必要があります。
技術の引き継ぎや習得をさらに進めて大会で安定して結果を残せるようにすることはもちろん、コロナ禍で減少してしまった個人での自由な製作活動を活発化させることができれば良いと考えています。
【受験生に向けてのメッセージをお願いします。】
入試に向けての受験勉強は多くの苦労や困難があると思いますが、水滴りて石を穿つと言います。コツコツと努力を重ねれば大学では予想もしないような様々な楽しみが待っています。不撓不屈の精神で乗り切ってください!
私は入学が決まる前まで航空研究会のことを知りませんでしたが、入学して、とても良い居場所を見つけることができました。
大学で学べることはたくさんありますが、サークル活動では、他では得難い経験をすることができると思います。
農工大にはたくさんのサークルがあり、活動内容も、メンバーの雰囲気も、それぞれ異なる魅力があります。
農工大への入学が決まったら、ぜひ、自分に合ったサークルを探してみてください。
もちろん、航空研究会への入部も大歓迎です!
■詳細リンク先(https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/kagayaku/20220228_01.html)
~「空を飛ぶものを自分の手で作り、自分の手で飛ばす」というロマンを実現~
航空研究会(NokoLAT)
工学部機械システム工学科 3年 松本 崇さん
東京農工大学公認サークル「航空研究会 NokoLAT(以下・航空研究会)」は、昨年12月に開催された「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト(※)」に出場し、一般部門の第1位(大田区長賞、ベストクラフト賞)そして、ユニークデザイン部門のチームラボ賞を受賞した。一般部門の第1位は、今回で5連覇となる。12月まで代表を務めていた松本 崇さんに話を聞いた。
※全日本学生室内飛行ロボットコンテスト
一般社団法人日本航空宇宙学会のコンテスト。一般部門、自動操縦部門、マルチコプター部門、ユニークデザイン部門の4つの部門があり、今年、航空研究会からは一般部門に「Anomalocaris」、自動操縦部門に「Meganeura」、マルチコプター部門に「black berry」、ユニークデザイン部門に「カモノハシ」が出場した。
【航空研究会の活動について教えてください。】
航空研究会はラジコン飛行機・ラジコン飛行船・マルチコプター(ドローン)・モデルロケットなど、主に空を飛ぶものを設計・製作するサークルです。
年間を通して「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」と「種子島ロケットコンテスト」の二つの大会にむけて活動しており、チームを編成して本番の3~4か月前から少しずつ作業を進めます。それ以外の時期は、ラジコン飛行機やドローン・ロケットなど、個人が自由に作りたいものを作る活動がメインです。
航空研究会の強みは、歴代の諸先輩方が残してくださったノウハウにあります。直接のご指導や部内の資料だけでなく、過去の機体を見て学ぶことでも様々な技術を吸収して製作に活かしています。もちろん新たな技術の取り入れも積極的に行っており、近年の製作には3DプリンターやCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略。炭素繊維で補強・強化された樹脂のこと)製の部品も使用しています。
メンバーの多くが機械システム工学科の学生ですが、自動制御にも取り組んでいるため知能情報システム工学科のメンバーも一定数在籍しています。工学部のその他の学科や、農学部の部員もいます。
入部前に必要となる知識はありませんので、どの学科の学生でも活躍できます!
【全日本学生室内飛行ロボットコンテストでの5連覇、おめでとうございます!】
これまで4連覇中だった一般部門では、最大飛行時間内に指定されたミッションを行い、機体の性能および操縦性を評価する項目の総合点を競います。
歴代の先輩がそれぞれ特徴的なコンセプトを持った機体で優勝されていたため、今年も独自性に富む「モーターを二つ積む双発機」で挑みました。機体の名前は「Anomalocaris」です。
見た目を実機に寄せたかったので、同じ双発機であり、戦後初の国産旅客機として1962年に初飛行し、1964年の東京オリンピックで聖火を国内各地に運んだ「YS-11」という飛行機のカラーリングを採用しました。
アイデア出しや双発機ならではの電装部品の工夫に時間を要しましたが、見事5連覇を達成することができました。優勝が決まったときは、嬉しさもありましたが、先輩たちから「次は5連覇!」と言われていたので、期待に応えられてほっとした気持ちが一番大きかったです。
大会では、年々、ほかのチームもレベルが上がってきていているのを感じます。
ライバルチームではありますが、機体の特徴を詳しく教えてもらえたりと、他校との技術交流も大会の楽しみのひとつです。
【航空研究会を選んだきっかけを教えてください。】
農工大への入学が決まって、ホームページのサークル一覧を見て、航空研究会を見つけました。昔から、飛行機やラジコンが好きだったので、自分で作れるのがおもしろそうだと思いました。
1年生の時には、全日本学生室内飛行ロボットコンテストのユニークデザイン部門、2年生で自動操縦部門に出場しました。
ラジコン飛行機やモデルロケットづくりの魅力は、「空を飛ぶものを自分の手で作り、自分の手で飛ばす」というロマンを実現できることです。空中を三次元で移動するため操縦の練習も少し必要ですが、自分が設計して素材を切り出すところから製作した機体が空を自由に飛んでいるときは非常に楽しく、達成感も味わえます。
農工大には、ほかにもものづくりのサークルがありますが、航空研究会では、製作規模が小さいので一人で設計から製作まで完結させることができます。自分が作りたいと思ったものを自由に形にできる自由度の高さが特長です。
【今年の「種子島ロケットコンテスト」にも出場されるのですか。】
航空研究会では、JAXAの種子島宇宙センターで行われる「種子島ロケットコンテスト」にも毎年参加しています。
こちらは、手作りによるモデルロケットや衛星機能モデルを開発・製作し、打上げるもので、ロケット部門とCanSat(飲料水の缶サイズの小さな模擬人工衛星)部門があります。
通常、全日本学生室内飛行ロボットコンテストは9月開催、種子島ロケットコンテストは3月開催なので、全日本学生室内飛行ロボットコンテストが終わったら、少し休んで、気持ちを切り替えて準備を始めます。ジャンルが違う色々なものを作れるのも、航空研究会の魅力です。
今年は、航空研究会から8つのチームがエントリーし、全チームが書類審査に合格しました。3つのロケットと5つのCanSatが出場します。
私は、もう一人の3年生のメンバーと一緒に、ロケット部門の高さを競う競技に出場します。
種子島ロケットコンテストは、新型コロナウイルス感染症の影響で、一昨年は中止になり、昨年はオンライン開催になりました。今年は、3年ぶりに現地開催の予定だったのですが、オミクロン株の感染拡大の影響で、残念ながらオンライン開催に変更されました。オンライン開催は、プレゼンテーションと質疑応答で審査されます。
種子島宇宙センターに行くのを楽しみにしていたので少し残念ですが、オンラインでもがんばります。
【授業やアルバイトとの両立などで苦労することはありますか。】
全日本学生室内飛行ロボットコンテストも種子島ロケットコンテストも、例年、長期休暇の期間に実施されます。
テスト飛行の際などは、チームのメンバーのスケジュールを調整する必要がありますが、授業との両立はそれほど大変ではありません。
アルバイトをしているメンバーも多いですね。
部室は居心地がよく、ここで仲間と授業の課題をやったり、テスト勉強をしたりすることもあります。
また、授業で学ぶ内容が製作に役に立つこともあれば、製作で得た知識が、授業の理解につながることもあります。
自動操縦の機体を作るためには、プログラミングの知識が必要なのですが、授業で学ぶ内容だけでは足りないため、勉強会をしたり、先輩から教わったりして、勉強しています。
航空研究会では、主に、研究室配属前の3年生までが活動していますが、先輩が様子を見に来てくださることもよくあります。先輩には、製作にアドバイスいただけるだけでなく、研究室を選ぶ際の相談にのっていただけることもあります。
私が配属された研究室にも、航空研究会の先輩がいらっしゃるので、とても心強いです。研究室では、飛行機の製作でも使ったCFRP素材を研究しているので、研究のモチベーションにもつながっています。
航空研究会で、自分一人で設計からすべてやった経験や、チームを組んでプロジェクトに取り組んだ経験は、今後色々なところで役に立つと思います。
【今後の活動の目標などはありますか?】
ここ2年間の社会情勢によって対面での技術の伝承が上手くいっておらず、今年度の全日本学生室内飛行ロボットコンテストの大会準備でも、引き継ぎ不足が露呈した面もありました。コロナ禍以前に入部した学生が現役であったため一定の結果を得ることができましたが、来年度以降に向けしっかり活動を進めていく必要があります。
技術の引き継ぎや習得をさらに進めて大会で安定して結果を残せるようにすることはもちろん、コロナ禍で減少してしまった個人での自由な製作活動を活発化させることができれば良いと考えています。
【受験生に向けてのメッセージをお願いします。】
入試に向けての受験勉強は多くの苦労や困難があると思いますが、水滴りて石を穿つと言います。コツコツと努力を重ねれば大学では予想もしないような様々な楽しみが待っています。不撓不屈の精神で乗り切ってください!
私は入学が決まる前まで航空研究会のことを知りませんでしたが、入学して、とても良い居場所を見つけることができました。
大学で学べることはたくさんありますが、サークル活動では、他では得難い経験をすることができると思います。
農工大にはたくさんのサークルがあり、活動内容も、メンバーの雰囲気も、それぞれ異なる魅力があります。
農工大への入学が決まったら、ぜひ、自分に合ったサークルを探してみてください。
もちろん、航空研究会への入部も大歓迎です!
■詳細リンク先(https://www.tuat.ac.jp/outline/disclosure/kagayaku/20220228_01.html)