
わたしたちは、少し風変わりなロボットの研究を進めています。その名も〈弱いロボット〉。この「弱さ」は欠点ではなく、人との関係を生み出すための大切な「かかわりしろ」です。たとえば、少しモジモジしながらティッシュを配ろうとする〈アイ・ボーンズ〉など、どれも、自分ひとりでは目的を達成できないものの、まわりとの協働のなかで、いつの間にか役割を果たしてしまうロボットたちです。完璧ではないからこそ、子どもたちは自然と関わりたくなり、「助けるのも、まんざら悪くない」と感じながら、自分が役に立ったと少し誇らしい気持ちにもなります。このような経験の積み重ねが、他者と協力する感覚や自己肯定感を育み、学びや心の成長へとつながっていく。わたしたちは、〈弱いロボット〉たちとともに、そうした可能性を探っています。

自分ではゴミを拾えないけど、まわりの子どもたちの助けを上手に引き出してゴミを集める〈ゴミ箱ロボット〉
「心理学的フィールドワーク」では、〈弱いロボット〉とのやり取りを観察するフィールドワークを行います。心理や社会福祉を学ぶ学生が〈弱いロボット〉をどう捉えるか?心があると感じるのか?そうであればAIに心はあるのか?など溢れ出す問いを議論。理論だけでなく、実際に肌感覚で関わったときの感想をレポートし、さまざまな人の主観を議論して、共同主観を生み出していきます。また「データサイエンス応用演習B」の授業ではプログラミング言語Pythonを使うものの、生成AIの助けを借りるなどして初心者も楽しみながら学んでいます。

テクノロジーを道具として使い、より良い社会作りを考えるのが、筑女オリジナルの学び「ソフトサイエンス」
わたしたちは〈弱いロボット〉の考え方を広げることで、社会をもっとよいものにできないかと考えています。弱さを認める新しい価値観の中で、ロボットと協力して社会をどう面白くしていくのか一緒に議論しましょう。

まわりの助けを上手に引き出す〈弱いロボット〉と一緒に社会をよくする活動に参加しませんか?と、岡田先生
1987年東北大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了、同年、NTT基礎研究所情報科学研究部、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、豊橋技術科学大学 情報・知能工学系を経て、2025年4月より筑紫女学園大学 現代社会学部教授、豊橋技術科学大学名誉教授。主な著書に『弱いロボット』(医学書院)、『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』(講談社現代新書)などがある。
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