人々の心に寄り添い、支えるための心理療法(カウンセリング)について研究をしています。人の心は目に見えず、時に自分自身でもコントロールすることが難しいものです。そんな心を扱う心理療法で何が起こっているのか、なぜ治療的に働くのか、クライエントはどのような体験をしているのか、といったことを、箱庭・描画などイメージを扱う心理療法や、クライエントとセラピストの関係のあり方に関心を向けながら研究しています。また、心理療法とは、心の病を治すことだけを目指すものではありません。さまざまな病や心の課題を抱えながらも、それとうまく付き合いながら自分らしく生きられるようになることが大切です。一人ひとりの心に真摯に向き合い、相談に来られた方が少しでも生きやすくなるようにお手伝いすることが重要だと考えています。
2年次からは実際に現場で用いられる心理検査を通して学ぶ「心理的アセスメント」の授業、描画療法や箱庭療法、粘土療法、カウンセリングのロールプレイングなどの心理療法を通して学ぶ「心理演習」の授業などを通して、本格的な心理学の学びを深めていきます。ゼミでは興味関心のあるテーマを大切に、学生自身の主体的な学びを重視。資格取得のため同学の専門職大学院進学を目指す学生のためには、説明会や大学院生による勉強会を開催するなど、学生・先生・大学院生同士の距離が近い学びの環境が整っています。
心理学というとカウンセラーの仕事を思い浮かべる人が多いと思います。しかし実際には、心理学を活かせる仕事は非常に多岐にわたります。ぜひ広い視野を持って、人の心に寄り添う学びを一緒に進めていきましょう。
京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻博士後期課程を修了。大学院在籍時には、臨床心理学について学び、研究を行うとともに、児童福祉施設・精神科クリニック等において臨床実践活動も行う。その後、同大学院同研究科にて特定助教を務める。2020年より帝塚山学院大学 人間科学部 心理学科(現:総合心理学部 総合心理学科)にて専任講師を務め、教育・研究・臨床実践活動に力を注ぐ。臨床心理士、公認心理師。