
宝塚大学では、看護師の活躍する場が病院だけではなく、災害現場にも広がっていることを知りながら、災害看護について授業や現場での訓練を通して実践的に学べます。災害時に求められる判断力と行動力、そして広い視野を養い、「いざという時に動ける看護師」を育てます。
「災害は“特別なこと”ではなく、身の回りで突然起こります」と話すのは、宝塚市立病院 救急医療センター師長であり、「災害看護援助論」を担当する中田 徹朗先生です。授業では「災害とは何か」という基本から、傷病者の状態によって対応の優先順位を決める「トリアージ」、災害時の現場の流れなどを学びます。さらに、学内での学びは、宝塚市立病院や大阪国際空港での災害訓練へと広がり、実践を通して災害看護への理解を深めながら、「被災者の思い」を深く考える力を養います。

「災害看護援助論」で災害看護の基本を学ぶと共に、病院や空港での訓練を通して現場を知ることができます
課外活動として参加する宝塚市立病院の災害訓練では、南海トラフ地震を想定した多数の患者が搬送される状況が再現され、学生は傷病者役として、症状に応じたトリアージや現場での処置、搬送の流れを体験します。中田先生は「傷病者役になることで、現場の動きだけでなく被災者の不安も見えてきます」と話します。現場スタッフのケアに安心する場面もあれば、切迫した状況に不安を感じることもあり、その全てが学びになります。「どうすればこの人は少し楽になるのか」。その問いを持つことが、看護に必要な力だと中田先生は語ります。

現場での訓練の様子。傷病者役として、病院でどのように災害対応が行われているかを学びます
大阪国際空港の航空機事故対策総合訓練にも参加でき、消防や警察、災害医療チームなど多くの機関が関わる中、傷病者役として現場に入ります。病院と空港の災害対策で異なるのは、何もない現場で医療をゼロから組み立てるということ。訓練では、現場指揮所の設置やトリアージ、応急処置、救急搬送、ヘリによる緊急搬送などが行われ、傷病者の視点から災害現場で医療が構築されるプロセスを学びます。中田先生は「病院外の災害対応を学生が経験できる機会は少なく、災害看護への関心を深める大きなきっかけになっています」と語ります。

消火活動・機外脱出訓練の様子。多様な機関が連携して、災害現場で医療を構築する流れを知ることができます
災害看護の現場では、「目の前で苦しむ人がどうすれば少しでも楽になるか」を考えられる視点が重要です。それは看護の原点でもあります。災害看護の学びは、看護師をめざす全ての人に大切な視点を与えてくれます。
【教員紹介】
中田 徹朗先生
宝塚市立病院 クリティカルケア認定看護師(特定看護師)、救急医療センター師長。日本DMAT隊員(災害発生時に被災地へ出動する医療チーム)としても活動。
宝塚大学では災害看護援助論を担当し、宝塚市立病院・大阪国際空港での訓練活動のコーディネートも務める。現場経験をもとに災害に強い看護師の育成に取り組んでいる。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



