最近では、企業財務もお金の話だけではなく、環境への配慮や社会問題の解決など、持続可能性との関連も重要になってきています。企業のお金とお金以外の部分を統合して、その実態や特徴を分析することをテーマにしています。自然環境に対する取り組みはなかなか利益が出ません。そこで、情報技術を活用してクラウドファンディングを行ってみる。また、脱炭素の問題では、排出された炭素でプラスチックを再生して商品化するなど、環境性と経済性の両立について、さまざまなアイディアを考えていくことが必要な時代になっていると思います。私たちの経済は人間社会の中にあります。そして、人間社会は地球の自然環境のほんの一部です。だから、一番の土台になる部分から、しっかりと持続可能な形で使っていくべきだと、学生に伝えるようにしています。
「現実を見てもらいたい」という先生の考えのもと、授業では今世の中で起きていることをテーマにグループで話し合ったり、インターネットで調べたりしていきます。たとえばインターネットビジネスの授業では、クラウドファンディングを利用した企業を取り上げ、募集期間や集まった金額などを調べて発表します。会社の成長と新卒募集人数との関係など、就職活動を控えた学生にとってはリアルなテーマも。授業の前半にはグループで基礎学習を行い、先生の解説を聞きます。その後に自分たちで調べることで理解が深まっていきます。
大学は学問をする場所。学問というのは世界について学び、自分の幸せはどこにあるのかを問うていくことだと思っています。皆さんも、大学生活を楽しみながら、自分の幸せにつながる人生の目標を見つけてほしいです。
専門/ビジネス情報、財務管理
略歴/国立大学法人埼玉大学経済学部卒業、同大学大学院経済科学研究科博士前期・後期課修了 博士(経済学)、川口短期大学准教授を経て現職。埼玉学園大学経済経営学部・大学院経営学研究科兼任講師。