
先天的に脳に障害があり、コミュニケーション、学習、行動パターンなどに特性(個性)が現れ、日常生活や社会生活で困難が生じる状態のことを発達障害と総称します。授業では、発達障害の特性を理解し、日常生活に適応可能となる指導方法や作業能力を高める訓練方法について学びます。前田先生は、作業療法士として重症心身障害児デイサービスにも勤務し、脳性麻痺、発達障害、ダウン症など様々な子どもたちに接しています。「人は皆生まれつきの個性を持っています。適切な療育(教育)、育児や人間交流を与えられれば、その子どもにとって幸せな人生を過ごすことが可能であると信じています」と先生。実例に対して効果的な訓練内容を授業で話し合い、施設での訓練プログラムに加えるなど、学びが現場に繋がる生きた授業が行われています。

穏やかで優しい笑顔を絶やさない前田先生。学生全員の目を見て話すことを心がけているそう
前田先生が心がけているのは、「難しいことを面白く例えること。たくさん覚えなくてはならないことを覚えやすく伝えること」。腎臓のしくみを木に例えて説明するなど、学生が難しく考えないように工夫しています。前田先生が勤める施設では、主に遊びを訓練に取り入れています。計算問題を出し、その答えの数字に輪投げを投げる頭と身体を同時に使うゲームや人気キャラクターを使って途切れがちな集中力を持続させるなど、学生から出たアイデアが子どもたちに刺激を与えています。先生も学生から学ぶこともあるそうです。

「作業療法士は、病める人の心に寄り添い、個人の生きざまを支えるやりがいのある仕事です」と前田先生
定期試験は試験のためのその場限りの暗記に留まらないようにレポート課題を試験とし、パソコンの前でかしこまるのではなく学生が自分の言葉で考え、リアルタイムにやりとりできるようにSNSを用いた学習を導入しています。前田先生が出す課題に対して学生はいつでも気軽にSNSで解答ができます。学生一人ひとりの答えに「そんな方法もあるよね」と優しく丁寧に返信。先生と学生という堅苦しい空気はありません。SNSで講義に関連し楽しく学べる動画配信も紹介するなど、学生たちが学習への興味関心を引くように促しています。

学生一人ひとりがしっかりと自分で考えられる環境づくりを大切に授業を展開
発達障害分野の訓練は「遊び」を用いることが多いので、子どもの頃、無心に楽しめた遊びや物作りなどを訓練プログラムの考察に活かすことができます。是非とも挑戦してください!

作業療法学科で「障害別作業療法治療学(発達障害分野)」を指導する、前田徳廣先生(学科長)
■先生紹介/1994年東名古屋病院附属リハビリテーション学院を卒業後リハビリテーション病院で約10年間勤務。途中、社会福祉法制度の知識も必要であると考え、日本福祉大学で社会福祉を学ぶ。開学時(2003年)より同学に入職。学生を指導する傍ら、作業療法をより科学的に分析したいと考え、2008年、名古屋大学大学院医学研究科にてリハビリテーション療法学を専攻し、修了(リハビリテーション療法学修士)。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



