私は今、商空間づくりの専門集団「株式会社スマイルデザイン」のデザイン・設計室で、空間デザイナーとして勤務しています。当社では主にアパレルショップの空間デザインを手掛けており、海外ブランドのアンテナショップも含まれています。そんななか、海外で作成されたラフデザインを国内仕様に仕上げるのが私の主な仕事。「指定された材料が日本では入手できない」などの課題に挑みながら、海外のデザイナーならではの感性に直接触れる日々は刺激的で、センスが磨かれていく実感があります。自分が携わった店舗がオープンした際には、ドキドキしながら現場を訪問。お客様の反応や評判が良いと、ますます頑張ろうという意欲が湧いてきます。
空間デザインの設計に必要なのは壁や床の色、材質の知識だけではありません。装飾物としての絵画や照明、テーブル、チェアなどの情報も重要です。その点、修成の空間デザイン学科では、空間のトータルプロデュースができるようにカリキュラムを構成。建築に関する幅広い基礎の上に、スペースデザインをはじめプロダクトデザイン、グラフィックデザインまで学びます。先ほど材料について話しましたが、本校には材料学といった授業もあり、現在の仕事に大いに役立っています。在学中に福祉住環境コーディネーター(R)やパース検定、商業施設士補の資格も取得しており、さまざまな依頼に対応可能。現在は、建築士の資格取得も視野に入れています。
父親が建築会社を経営していることもあり、子どもの頃から建築現場の見学や手伝いをしていました。高校時代の進路選択時、建築について調べた結果、空間デザインへの関心が高まってプロになろうと決意。父親の仕事仲間が修成の卒業生で、「いい学校だよ!」と勧められたことからオープンキャンパスに参加しました。学生と先生の距離が近く、楽しく学べそうな雰囲気が気に入ったことを憶えています。建築分野から土木分野、緑化造園分野まで、建設業界を構成するすべての学科が揃っていることも大きな魅力です。将来は自分の設計した図面をもとに、各方面で活躍する修成出身の仲間と一緒にビッグプロジェクトに挑みたいと考えています。
株式会社スマイルデザイン 勤務/空間デザイン学科 卒/2020年卒/空間デザインのプロを目指すにあたり、店舗デザインを選んだ金川さん。その理由は「住宅やビル、公共施設よりも、個性的なデザインを表現できそうだから」。アパレルショップ中心のデザイン設計会社に入社した今、在学中にパースや模型作成の技術を身につけたほか、学外実習が多かったことが仕事に役立っていると話します。「有名な建築家の作品を見学に訪れた際には、その場で建物を実測し、図面化したことが印象に残っています。キッチン設備や照明器具のショールームでは、そのカタチだけでなく、印象の良い見せ方まで学ぶように心がけ、立体表現の技術が向上した実感があります」。