東京プリンスホテルで10年間、横浜プリンスホテルで2年間、フレンチ、イタリアンと各種西洋料理のレストランを担当してきました。大勢のスタッフがいるホテルで長く働くコツは「自分を出すこと」。私の場合は、若いころは調理技術がまだ未熟でしたから、人一倍練習をして同期の中で埋もれないように頑張ってきました。ホテル時代にレシピやイメージ画などを書いたノートは10冊近くで、今も大切に持っています。努力している姿は必ず誰かが見てくれていますし、必ず自分の力になります。練習した分だけ上達し、一度習得すると一生ものになる。それが料理の魅力です。お客様に喜んでいただき、家族に喜んでもらえ、自分の役にも立つという喜びがあります。校長として、一料理人として、料理の素晴らしさを学生に伝えていきたいです。
益田校長は東京誠心調理師専門学校の卒業生でもあり、母校を思う気持ちは人一倍。「学校の施設や設備を思う存分活用して腕を磨いて欲しいです」と話す。「調理技術は、一度覚えたら一生役立ちますから決して無駄にはなりません。学生たちに大切にして欲しいのは、想像力や工夫する気持ち。素直な心で向き合えば必ず成長します。ホテルはもちろん、希望する分野へ送り出し、そこで活躍できるように一生懸命サポートします」。ホテルの現場で経験してきた技術や裏話などを交えながら教えてくれる姿が印象的だった。
レストラン、ファーストフード、コンビニ…。世の中には様々な“食”があります。その中でも「あの人が作る料理を食べたい」と思ってもらえるような、あなただけの価値や独創性を育んでいきましょう。
専門:西洋料理/東京誠心調理師専門学校出身。卒業後、東京プリンスホテルに入社。横浜プリンスホテル開業と同時に異動し立ち上げを経験。国内のホテルグループで手腕を発揮したのち、フランス修行へ。姉妹校である国際フード製菓専門学校、東京誠心調理師専門学校の講師や副校長を経て校長に就任。休日は家族や親戚、友人に料理をふるまうなど、「あるもので作る」「美味しいと喜んでもらう」ことを大切にしているという。