中学校の社会科教師として2年生に歴史と地理を教えています。また、2クラスの副担任と、バレーボール部の顧問もしています。バレーは未経験でしたが、生徒といっしょに取り組むうち、家でもルールを勉強したり、どんどんハマってしまって(笑)。今年の新人戦に負けたとき、生徒から「先生、くやしいです」と言われたんです。「先生」って呼びかけられた時、自分は今、先生としてこの子に頼られているんだな、って実感しました。ずっと先生になるのが夢で、僕はスポーツが好きなこともあって、生徒といっしょに身体を動かしたい!と思っていたんです。部活動を通じて、生徒と同じ熱量で感情を共有できたことがすごくうれしかったですね。
埼玉学園大学では、発達障害やLGBTのような性の多様性についての学習にも力を入れています。ジェンダー学などの授業も多く、私も興味があったので選択してきました。私が勤務している中学に限らず、今は、授業中静かに座っていられない子や、女子でも男子の服装がしたい子など、さまざまな特性のある子がどのクラスにも2~3人はいます。そういう子たちに対して、おどおどしないで適切な声かけができるのは、大学で学んできた成果だと思います。他の先生方が積極的に声をかけたり、オープンにしたくない子に配慮して接していたりする様子も勉強になります。私も大学で身につけてきことを活かして、しっかりと徹底していきたいです。
先生を目指しているなら、大学時代にはいろいろな世代の人と話すようにするといいと思います!同世代とだけ接していると、話す内容や話し方が固まってきちゃうんです。教員になってからずっと頑張っているのは「生徒と毅然と接する」こと。仲良くフランクに話すのはいいんですが、やっぱり先生は友だちとは違います。ただ会話しただけで終わってしまわないように、会話の一歩先を見て、「そうだよね、でもこういう考え方はどうかな?」というように、その子にプラスになるような返し方ができると、信頼関係も深まっていきますよね。そのためにも、幅広い世代と話してコミュニケーションや言葉選びの力をつけておくことをおすすめします。
草加市立新栄中学校 勤務/人間学部 人間文化学科/2022年3月卒/進路として高校の教師も考えていた小室さんが中学校に決めたのは、中学が義務教育の最後の3年間であり、受験や進路など、この先の人生について葛藤することが増える大事な時期だから。「自分の経験を話したり、アドバイスしたりして、彼らに寄り添っていきたいです」。先生になって初めて臨んだ体育祭や文化祭では、準備から生徒といっしょになって盛り上がったそうです。