
動物を見ていて、「この行動にはどんな意味があるの?」と疑問に思ったことはありませんか。この授業では、動物が世界をどのように認知しているのか、その中でどのように行動しているのか、進化の観点から学びます。動物の行動を理解するための考え方として、動物行動学の創始者の一人であるニコ・ティンバーゲンが提唱した「4つの問い」があります。(1)その行動が起こるしくみは何か(至近要因)、(2)その行動にはどのような機能があるか(究極要因)、(3)その行動は一生のうちにどのように発達するか(発達要因)、(4)その行動は進化の歴史においてどのような過程を経て今に至ったか(系統進化要因)。この4つの問いはそれぞれレベルの異なる設問であり、どれも欠かすことのできない視点です。

動物行動の進化のしくみについて理解を深める
環境学部の2年次向けに開講されるこの授業を担当するのは、霊長類学が専門の谷口晴香先生です。サルの仲間から進化したヒトも動物。そこで授業では、「知性の進化」「人間行動の進化」といった内容についても取り上げられます。「最終的にはティンバーゲンの4つの問いを統合して考えることで、ヒトを含む動物行動の進化のしくみについて理解を深めていきます」と谷口先生。動物行動学を学ぶことで、人間がなぜこのような行動を取るのか、その意味も見えてくるというわけです。

現代の環境問題にどのように応用できるか考察
授業では動物行動学の研究成果が、野生動物の保全や獣害問題の改善・解決にどのように応用できるかについても考察していきます。「学生には動物と人との間のあつれきについて具体的な事例を挙げ、動物行動学的な観点から解決方法を一つ提案してもらいます」と谷口先生。さらにグループでその問題点や修正案を話し合うなど、アクティブラーニングを取り入れた授業づくりに力を入れています。学生は主体的に学ぶことで、動物行動学が現代の環境問題にも役立つことを理解していきます。

アクティブラーニングを取り入れた授業づくり
動物の行動やその進化、野生動物関連の環境問題の改善・解決に関心がある人には向いています。身近な動物の行動を観察して、「この行動は不思議だな、調べてみたいな」と感じる人には、面白い内容だと思います。
谷口 晴香先生
京都大学大学院博士後期課程を修了後、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の研究員などを経て、2024年4月公立鳥取環境大学に講師として着任。
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