
私は助産師として臨床に携わった後、JICA青年海外協力隊としてパラグアイで活動しました。海外で暮らす中で、日本へ帰国したら、どのような形で社会に貢献できるのかを考えるようになり、実際の医療現場だけでなく、教育の場で看護職を育てる道を選びました。海外での生活は、自分自身が「外国人」になる体験でもあり、言葉や文化、価値観の違いに戸惑う場面も多くありました。そうした経験は、帰国してから、外国人患者や外国人看護師と向き合う際に欠かせない視点となっています。
現在は、育児期の外国人女性を取り巻く支援の現状や、国際看護学教育のあり方について研究しています。学生には、英語が話せなくても、日本語の工夫や姿勢しだいでできる支援があることに気づいてほしいと考えています。

海外での活動の様子。異文化の中で看護を行った経験が、現在の研究と教育の原点になっています
授業では、知識だけに頼らず、体験を通して学ぶことを大切にしています。母性看護学では、妊婦体験や分娩体験といった演習を取り入れ、妊婦役や看護師役などを実際に演じることで、妊娠・出産・育児期の女性や家族への関わりを具体的にイメージできるよう工夫。小児看護学では、子どもの発達段階に応じた関わり方を重視。子どもは年齢が一歳違うだけでも理解力や反応が大きく変わるため、体温測定ひとつをとっても、成長段階に合わせた方法が必要になります。体験型演習を通して、現場で自ら考え行動できる看護職の育成を目指しています。

学内での母性看護学実習。体験型演習で現場での看護を具体的に想像する力を養って、実習に臨んでいます
看護の対象は、年齢や国籍、文化もさまざまな「人」です。多様な人と向き合う経験を通して、自分自身の視野も広がっていきます。一緒に看護の学びを深めていきましょう。

臨床と海外経験を活かし、多様な背景の人に寄り添う看護を教える
専門分野/母性看護学、小児看護学、国際看護学
略歴/地域周産期母子医療センターで助産師として9年間勤務後、JICA青年海外協力隊としてパラグアイ共和国で2年間活動。帰国後、群馬大学大学院博士前期課程、神戸大学大学院博士後期課程を修了。博士(保健学)。臨床と海外経験を基盤に、国際看護学教育の研究と教育に取り組んでいる。
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