
専門は「現実科学」です。私たちが「現実」として認識しているものは、実は脳が生み出した主観的な像にすぎません。その主観的な現実にテクノロジーで介入し、人の豊かさにつなげる方法を探究、さらには社会実装までを視野に入れ研究しています。私は眼科医としてキャリアをスタートした後、「脳はいかに現実を認識しているのか」という問いにずっと向き合ってきました。その過程で、過去の映像と現在の体験をシームレスにつなぐ「代替現実」システムを開発。研究成果を社会へ届けるべく起業し、2026年からは本学の学長も務めています。本学では、サイバーセキュリティ、宇宙、農業など、多様な領域の研究者や実務家が交差する実験的な場づくりを進め、知識を得るだけでなく、「新しい現実を再定義する拠点」へと更新していきたいと考えています。

主観的な「現実」という、曖昧で不思議な境界の探究は新しい発見の連続で、ワクワクします。
現実科学ゼミの最大の特徴は、制作領域を限定しないことにある。CGでアバターを制作する学生、写真を撮る学生、メディアアートに取り組む学生など、異なる表現領域の学生たちが議論を交わす。ゼミで重視する評価軸はただ一つ、「その作品が現実にどう介入し、人をどのように豊かにするのか」。手法は自由、作品の「上手い/下手」は関係なく、たとえ粗削りでも現実を書き換える可能性を持つ作品には徹底的に向き合い、実装への道筋までを議論していく。多様な表現と一本の思想が共存することこそ、現実科学ゼミならではの視点といえる。

「現実科学ゼミは、多様な表現が交差する実験空間のような場所です」と語る藤井先生
AI時代の今、人に残された最上の仕事は「良い問いを立てること」と「自分の手で形にすること」です。手を動かし作品を生み出すと、景色が変わり次の問いが降りてくる。世界を満たす作品をつくる人を待っています。

藤井 直敬先生/学長
東北大学医学部卒、眼科医、同大学大学院にて博士課程修了、医学博士。1998年よりMIT Ann Graybiel labで研究員。2004年に帰国し、理化学研究所脳科学総合研究センターで副チームリーダー、2008年に適応知性研究チームのチームリーダーを歴任。社会的脳機能の研究を経て、2014年ハコスコ創業。2018年よりデジタルハリウッド大学大学院教授、2022年より学長補佐、2026年より学長に就任。
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