公立大学/東京

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松本清張文学の〈原点〉と〈現在〉

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開催日時
  • 2023年
    12月
    16日
    (土)
    15:00~16:30
申込URL:
https://www.ou.tmu.ac.jp/web/course/detail/2331G108/

2021年春期より「日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ」講座を実施しています。北海道から沖縄まで、日本全国の魅力ある個性的なミュージアムとそのコレクションについて、現地からオンラインで講座をお届けします。
今回は北九州市・小倉の松本清張記念館です。「点と線」「砂の器」など、戦後日本を代表する社会派推理小説家 松本清張の魅力をお届けします。
松本清張記念館は、社会派推理小説をはじめ、現代小説、歴史・時代小説、古代史、現代史など、様々なジャンルにわたって創作活動を続けた北九州市出身の作家・松本清張の偉大な業績を称え、後世に継承していくことを目的とし、ご遺族の全面的な協力を得て1998年に開館しました。
北九州市・小倉のシンボルである小倉城の天守閣すぐ側に立地し、全国各地・海外からもご来館いただいています。
当館は、単なる資料の展示館ではなく、唯一の松本清張研究センターとして清張の「人と作品」の研究を推進・奨励し、その魅力を広く紹介することを目指しています。2008年には「地方財政が厳しい折から各地の公立文学館などが苦戦するなか、水準の高い研究誌を刊行しつつ、多彩な企画展を催すなど、健闘しながら開館十周年を迎えた」として菊池寛賞を受賞しました。
現在、記念館に隣接した道路1.8kmが「清張通り」と命名され、市民や来訪者から親しまれています。この愛称は、清張が通った小学校区自治連合会はじめ、地元住民により要望書が提出されて実現しました。これからも、北九州市と松本清張記念館は、清張文学の原点としての使命を果たしていきたいと考えています。

●明治から平成を生きた清張は、激動の時代を生きた一市民として、憤りや疑念を抱き、作品として世に問いました。その基となる市民生活とはまさに北九州・小倉の地で経験したものです。また、清張は、北九州市を舞台にした作品を数多く書いています。これらは、清張の体験やふるさとへの思いを強く反映させたものになっています。その中から、芥川賞受賞作である「或る『小倉日記』伝」、文学青年だった頃の情景が詳細に描かれる「表象詩人」、占領下の北九州と朝鮮戦争にフォーカスした「黒地の絵」などを取り上げ、清張文学の〈原点〉である、ふるさと北九州との関わりについてお話します。
清張の七回忌にあたる1998年8月4日に開館した松本清張記念館は、今年で開館25周年を迎えます。作家の没後から31年が経ち、昭和・平成が歴史となりつつある中で、清張作品は新しい読者を獲得し、研究対象としても注目されています。これら松本清張文学の〈現在〉についてもご紹介いたします。

講師:北九州市立松本清張記念館 学芸員 柳原 暁子

松本清張文学の〈原点〉と〈現在〉/東京都立大学(公立大学/東京)のオープンキャンパス
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