
ケガや病気の種類によっては、治療やリハビリを行っても、以前のような生活に戻ることが難しく、杖や車いすでの生活を送る方もいます。それによって趣味や仕事ができず、引きこもりがちになる方も少なくありません。相原先生は、そうした方が新しい生活の中で「生きがい」や「やりがい」を感じ、前向きになれるきっかけづくりに取り組んでいます。授業やゼミ、ボランティアで学生と協力し、パラスポーツなどの活動を通じて「やってみたい」を「できた」に変えるチャレンジをサポート。リハビリのゴールは、ケガや病気からの回復や退院ではなく、その人らしい生活を取り戻すことです。歩けるようになった、家に戻れた、で終わるのではなく、その先の「やりたい」「なりたい」を全力で支えられる理学療法士・作業療法士をめざします。

授業を通じて、初級・中級パラスポーツ指導員の取得をめざすこともできます
「須磨ユニバーサルビーチプロジェクト」では、NPO法人と連携し、障がいによって海に行くことをあきらめていた方の海水浴へのチャレンジを支援しています。学生は事前に講習を受け、支援方法や安全対策を学んだうえで参加。当日は対象者さんやご家族とコミュニケーションを取りながらサポートを行います。一緒に海で遊ぶことをあきらめていた家族が、その夢をかなえる場面に立ち会うことも。相原先生はこの活動を通して支援技術を学ぶだけでなく、喜びや感動の場面を目の当たりにできることが将来への大きな糧になると話します。

障がいのある・なしにかかわらず、みんなで海を楽しむ「ユニバーサルビーチプロジェクト」
そのほかにも、放課後等デイサービスに通う子どもたちとのサッカー大会や、地域でのボッチャ大会の運営など、さまざまな活動に取り組んでいます。相原先生は、こうした実践を通して、障がいのある方やそのご家族、NPO法人のスタッフ等との関わり方も学んでほしいと話します。また、退院後の「その人らしい生活」まで見据えることで、リハビリの考え方やアプローチは変わります。家族や地域とも連携しながら「できる」へのチャレンジを支えることが重要です。学生時代にこうした視点を身につけ、将来の現場に活かしてほしいと話します。

シッティングバレーやボッチャなど、パラスポーツを学内で取り組み、リハビリの学びを深めることができます
「悩んだらまず行動する」積極派、「誰かの役に立ちたい」という思いを大切にする人、「みんなで楽しい時間を共有したい」タイプなど、少しでも興味があれば、ぜひ一歩を踏み出してほしいです。
【先生紹介】
相原 一貴 准教授
寝たきりによって心身の機能が低下する「廃用症候群」に対し、より効果的なリハビリテーションを研究。その一方で、障がいのある方の社会参加を支える活動にも積極的に関わっている。障がいを理由に「できない」と諦めていたことが「できた」に変わる瞬間が本人だけでなく家族の人生にも大きな影響を与えるという経験が、研究と並行して支援活動を広げていくきっかけになったと言う。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



