私の願いは「学校の優等生」ではなく「現場で優等生になれる人材」を育てることです。例えば、学校でシュークリームを作る授業があったとして、最初から上手くできる学生は少ないでしょう。チョコレートのテンパリング(温度調整)にしても同様ですが、それらは練習を重ねれば必ず上達します。それ以上に私が重視しているのは現場に出てから上司や先輩との信頼関係を築くために大切な「挨拶・掃除・時間管理」の習慣を身につけてもらうことです。そのため、学生一人ひとりの個性や成長を見極めた上で口うるさいほどに指導しています。ある時、フランスの有名ホテルでスーシェフになった教え子から「あの教えは今でも守っていますし、フランス人のスタッフにも繰り返し教えています」と言われた際には教員を続けてきて本当に良かったと思いました。
「オンリーワンのモノづくりができるのが製菓・製パンの魅力」と語る小笠原先生。その楽しさを感じながら個性を発揮するためには基本的な知識や技術を確実に習得する必要がある。そこで学生がどんな進路を選んだとしても、その現場で生かせる基礎力重視の授業を展開。また授業の一環として200年近くも受け継がれてきたチョコレートケーキの王様「ザッハトルテ」を学生たちの前で作り“古典菓子”の歴史や魅力を伝えることもある。「インスタ映えするケーキは他の先生方にお任せして、私はその土台となる部分を教えるようにしています」。
わからないから学ぶ。できないから何度でも練習する。そんな意欲を持った学生を親身に指導し、成長に導く先生がたくさんいるのがYAMANOTEです。ぜひ、オープンキャンパスに参加して自分の目で確かめてください。
専門分野:製菓・製パン
日本料理の調理師を志して入学した専門学校で出会ったフィリップ・ビゴ氏(日本にフランスパンを広めた人物)の影響を受けて製菓・製パンの道に進むことを決めた小笠原先生。卒業後はチューリッヒやウィーンで修業。帰国後、アシスタントを経て教員となり、2024年4月、本校の副校長に就任。43年間の教員生活で指導してきた教え子は数万人を数え、日本、フランス、アメリカ、韓国、中国などで活躍している。