
心の病気を持つ方への関わり方を実践的に学ぶ演習中心の授業です。精神科の臨床の現場で患者様を受け持つ際に必要なケアができるようになることを目指します。この授業の中心となるのが「治療的人間関係」という考え方です。精神疾患の治療は薬物療法が基本ですが、病気の症状によって対人関係がうまく取れなくなったり、社会生活に支障が出たりすることが課題となります。看護師は患者様との関わりを通じて、病気によって傷ついた対人関係を再構築し、少しずつ自信を取り戻してもらうサポートをします。受容・共感的な姿勢を保ちながら、時には率直な感情も伝えることで、患者様自身が自己理解を深め、回復に向けた行動変化を促していく。そんな専門的なコミュニケーション能力を身につけられる授業です。

演習形式の授業です。学生が自分自身と向き合い、意見をどんどん出していきます。
精神科の患者様は、病気の症状の辛さだけでなく、偏見や人間関係で深く傷ついた体験を抱えています。この演習では、患者様との関係の中で、その傷ついた心を修復するアプローチを学びます。そこで重要なのは、看護師自身の率直な感情を伝えること。入院期間が長い精神科では、患者様との関わりの中でネガティブな感情を抱くこともあります。しかし、それを隠さず「そんな風に言われたら私は傷つく」と本音で伝えることで、患者様自身が自分の言動が相手にどう伝わるかを理解するきっかけとなり、回復と成長につながるのです。

相手と自分とのやり取りの中で発生した「すっきりしない」「もやもやした」感覚を見逃さないことが大切。
「プロセスレコード」という、自己の感情と言動を振り返るためのツールを使用。この記録用紙には、実習先での患者様とのやり取りや、相手の言動、その時に自分が感じたことや考えたこと、実際に自分が表現した言動を書き出していきます。記録を見返すことで、本音と建て前のような、内面の感情と実際の言動のズレに気づくことができるのです。言いたいことが言えずモヤモヤした場面などを振り返ることで、ズレが生じている原因や背景を検討しながら、患者理解と自己理解を深めていく体験的学習となっています。

さまざまな場面を振り返り、繰り返し記入することで、自己理解が深まっていきます。
はっきりとした答えがわからないことでも疑問をもって考え続けることができる方、人の心理について興味や関心が高い方は面白さを実感できると思います。看護学だけでなく、心理学にも興味がある方におすすめです。

優しく穏やかで、接しやすい雰囲気の板山先生。休日は音楽のライブに行くなど、アクティブに過ごします。
板山稔先生
専門/精神看護学
全15回の演習形式を中心とした授業です。プロセスレコードを使った演習の他にも、思考や行動の偏りに気づき変容を目指す認知行動療法、幻覚や妄想のある患者様への対応についてのロールプレイ演習などで構成されています。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



