料理は生き物です。伝統を大切にする日本料理であっても、時代の流れとともに変化しています。しかし、和の様式を採り入れたり、献立で季節を表現するといった特長は今も、また今後も変わらないと考えています。そんな私が調理の指導を行う上で心掛けていることは、和食づくりの基本をしっかりと身につけた上で、新しい日本料理の世界に挑戦させることです。これまでの講師生活を振り返ると、私が料理界に送り出した学生は、少なくとも1,500人を上回ります。第一線で活躍する卒業生から知り得た最新情報を授業に活かせることも、私の強みだと思います。基本を学ぶうちは単調で、面白いとは言い難いもの。調理作業が楽しいと思えるようになるまで、いかにしてモチベーションを高く維持できるかが、指導上のポイントだと考えています。
どんな言葉で、どう話せば学生に伝わるのかを日々研究しています。授業を開始したあたりの時期は基礎を教えるのですが、学生にとっては未知への挑戦です。基本を身につけた段階で「まだまだこれから」と教える一方、スキルアップへの喜びを感じられるように指導しています。授業の進め方としては、まず野菜の「切る」「刻む」技術を教え、魚の「下処理」「三枚おろし」、だしの「引き方」「合わせ方」といった順番です。調理としては、まず「だし巻き卵」にチャレンジし、焼く、揚げる、煮る、蒸すといった加熱の技術を磨いていきます。
日本料理には堅苦しい印象もあるようですが、プロの料理人に和食の調理師を目指した理由を聞くと「食べるのが好きだから」といったシンプルな答えが大半です。まずは気軽にオープンキャンパスへご参加ください。
専門:日本料理
すし屋を営む家庭に育った松谷先生は、高校を卒業後、大阪の料亭に就職。4年後には割烹へ煮方として転職し、数年後には別の日本料理店で料理長に就任。想像以上の速さでステップアップを続けることに満足していたが、38歳の時にYAMANOTEの姉妹校である大阪調理製菓専門学校から声がかかり、チャレンジ精神から先生をやってみることに。以来、15年間勤務した後、2019年春に東京山手(世田谷)に異動し、現在に至る。