5年後には「海外で働く」が普通になるって、本当!?

最近、海外に赴任したり、海外に頻繁に出張するビジネスパーソンが増えているらしい。

 

その大きな理由は、「日本国内相手だと、これ以上売り上げが増やせない」と考えた企業が、アジアをはじめとする経済成長国にどんどん進出しているから。

 

この傾向がもっと強まれば、海外で働く人はもっと増えて、私たちが社会に出る5年後ぐらいには「海外で働くのは当たり前」って時代になるのかも!?

 

労働市場に関して詳しい、リクルートワークス研究所の中村天江さんに、今後の見通しを聞いてみました!

 
 

■多くの日本企業が、海外にビジネスチャンスを求めている

 

海外で働く日本人は、確実に増えています。外務省がまとめた「海外在留邦人数調査統計」によると、外国に在留している日本人の数はこの20年間ずっと増え続けており、2012年10月1日現在の人数は124万9577人。5年前の2007年に比べて、15.09%も増えています。

 

背景にあるのは、日本企業のグローバル展開。なかでも中国や、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどASEAN諸国は日本から距離が近いうえに、経済成長も著しいので、多くの日本企業がビジネスチャンスを求めて進出しています。

 

日本経済は、最近でこそ元気を取り戻しつつありますが、少子高齢化の進行により、これからは国内消費の大幅な伸びは見込めません。海外進出は、「日本企業が生き残りをかけた動き」といえます。

 

だから、当然ながら「海外ビジネスを支える人材」の数も増えるでしょう。実際に海外に赴任して、現地市場を切り開く人はもちろん、赴任まではいかなくとも海外出張の機会はさらに増えるでしょう。国内で、海外の企業とやり取りする役割も増えると予想されます。

 
 

■日本だけを見ていては、自分の活躍範囲を狭めることになる

 

「日本だけでビジネス展開している企業に勤めれば、海外とかかわる機会はないのでは?」と思われるかもしれませんが、グローバル化は世界共通の流れ。海外から日本へも、たくさんの企業が進出していますから、どこかでかかわる可能性は大です。

 

それに、2020年の東京オリンピック開催が決まったこともあり、外国人観光客も今後さらに増えるでしょう。彼らに対してモノを売ったり、サービスを提供する仕事に就く可能性だって、おおいにあり得ますよね?

 

だから、もしも「興味がないから」「英語が不得意だから」などという理由で、海外にまったく目を向けないでいるのはおすすめできません。将来的に自分の活躍範囲を狭めてしまうことになり、とてももったいない!と思います。

皆さんにはぜひ、今のうちからできるだけ海外の文化や人にどんどん触れてほしいですね。海外から来ている留学生と積極的にコミュニケーションを取るのもいいですし、旅行やショートステイなどで海外に行き、異文化を体感するのもいいですね。

 

今の生活とギャップのある環境を体験すれば、日本との違いに気づかされます。日本の考え方ではありえないようなできごとが起こり、驚くこともあるでしょう。そんな経験の数々は、グローバルな視野を磨くだけでなく、「いざというときの対応力」をもつけてくれます。

 

30代、40代になってから「グローバル人材」になるのは難しいもの。今のうちから、いざという時に対応できる自信をつけておけば、将来の道はさらに開けますよ。