病院で働く仕事ってどんな仕事があるの? 医師・看護師から医療事務まで大公開!
病院には、医師や看護師だけでなく、理学療法士、臨床検査技師、社会福祉士、医療事務など、さまざまな職業の人が活躍している。医師だけでも、たくさんの診療科があるし、患者と直接かかわらないバックグラウンドで病院を支えている人もいる。
病院にしかない専門職はもちろん、病院以外にも活躍の場が多い管理栄養士や調理師、清掃スタッフでも、病院ならではの特殊な業務がある。
そこで、病院にはどんな仕事があって、どんなやりがいがあるのか、調べてみた。
目次
病院で働くお仕事:「医師」として患者を診察・治療をする
「医師免許」を取得して、さまざまな診療科で、患者の病気やケガを治療する。①内科医
※病院で働く仕事:内科医の仕事とは?
内科医は、患者の診察・検査、手術ではない方法での治療、検診などを行う。病気の予防や健康相談にも応じる。
内科には、循環器内科・神経内科・脳血管内科・消化器内科・呼吸器内科・腎臓内科・血液内科・代謝内分泌内科・総合診療科など、多くの診療科があり、基本的に身体のほとんどの部分が対象になる。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科・救急など2年以上の臨床研修を経て、その後の医師としての診療が認められる。
その後、内科学会指定病院の内科で3年以上の研修を行うことで、「内科専門医資格認定試験」を受けることができ、合格すると「内科専門医」の資格が得られる。
内科医は、患者の全身を診ながら、頭をフルに使って、どこに異常があるかを見極めるため、考えることが好きな人が向いている。
患者の話を聞きながら状態を探っていくので、会話が好きで、観察眼のある人も。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
内科医になるために必要な知識やスキルは、大学の勉強や病院での研修などで身につけることができる。
内科は、いろいろな臓器、疾患を対象にしているため、さまざまな専門知識が必要で、興味がつきない。
②外科医
※病院で働く仕事:外科医の仕事とは?
外科医は、手術によって病巣の切除や臓器の修復を行う。
外科には、心臓血管外科・脳神経外科・消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科・整形外科・形成外科など、さまざまな診療科がある。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を行う。
その後、外科医として簡単な手術の執刀医からはじめる。120例以上の執刀、執刀例を含めた350例以上の術式(手術の方法)を経験して、一定の研修を受けると、「外科専門医認定試験」が受験でき、合格すると「外科専門医」の資格が得られる。
さまざまなスタッフと一緒になって手術を行うので、外科医としてのスキルはもちろん、チーム力が非常に大切。個人の技術を伸ばしながら、周囲とうまくやっていくコミュニケーション能力を大切にできる人が向いている。
その一方で、人が見ていないところでも地道に手術の練習を行い、個人の技のレベルアップを頑張ることができる職人気質も大切なスキル。意外と手先の器用さは重要ではない。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
外科医になるために必要な知識やスキルは、大学の勉強や病院での研修などで身につけることができる。
何といっても、手術で病気やケガの治療ができること。
手術後、患者がこれまでできなかったことができるようになったり、笑顔が増えたり、そこに自分がかかわっているというやりがいはほかには代え難いもの。治療に対して満足してもらえたり、患者や家族から感謝されることが、大きな喜びになる。
③産婦人科医
※病院で働く仕事:産婦人科医の仕事とは?
産婦人科医は、すべての年代の女性に対して、診察や治療、手術、検診などを行う。
産科と婦人科に分かれ、産科では、妊娠・分娩・産後の女性のサポートを行う。
婦人科では、内分泌治療・月経不順治療・不妊治療・避妊・内視鏡手術・開腹手術・更年期治療・排尿障害治療・がん検査+治療・がん予防など、女性の年代に合わせた悩みや病気の治療を行っている。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・産婦人科など2年以上の臨床研修を経て、医師としての診療が認められる。
その後、専門研修施設で常勤として3年以上の産婦人科の臨床研修を修了すると、「産婦人科専門医認定審査」を受けることができ、合格すると「産婦人科専門医」の資格が得られる。
女性の身体と心に寄り添うことができる人。
産科は24時間体制で、当直が不可避なので、体力に自信のある人。
いまだに解明できていない妊娠・出産のしくみや、多数の働きをもつ女性ホルモンなどの研究に興味がある人。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
産婦人科医になるために必要な知識やスキルは、大学の勉強や病院での研修などで身につけることができる。
分娩で命の誕生をサポートできるのは、ほかの科にはない仕事で、産婦人科ならでは。
新しい命が誕生する現場に立ち会うと感動するし、とても大きなやりがいを感じる。さらに、その新しい命をはぐくむ女性を、さまざまな分野で医学的・社会的に支えていく役割があるという点も、これからのやりがい。
④小児科医
※病院で働く仕事:小児科医の仕事とは?
小児科医は、新生児から中学生まで、さまざまな相談に応じる。
身体の病気を診るだけでなく、予防接種や健康診断、育児相談など、子どもたちが心身ともに健やかに育つためのサポートを行う。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を経て、医師としての診療が認められる。
その後、小児科臨床研修を3年以上受けると、「小児科専門医試験」を受けることができ、合格すると「小児科専門医」の資格が得られる。
子どもが好きな人、人とかかわることが好きな人。
子どもや家族が、何を心配しているのか、何を希望しているのかをくみ取り、ていねいにコミュニケーションをとることが大切。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
大学時代は、自分が興味あることを学んだり、さまざまな経験を積んでおくと、将来、患者とのコミュニケーションなどに役立つ。
小児科医になるために必要な知識やスキルは、大学の勉強や病院での研修などで身につけることができる。
子どもは、家族や社会にとって、かけがえのない存在。病気などでつらいときに、医師として寄り添い、力になれることは、大きなやりがいになる。
心身ともに日々成長していく子どもたちとかかわると、生きるパワーを感じることができる。
⑤耳鼻咽喉科医
耳鼻咽喉科医は、耳・鼻・のどだけでなく、顔から首までの領域の症状も対象になり、基本的には、首から上の脳・眼・歯を除いたすべての部分を診る。
耳の痛みや腫れ、難聴、めまい、ふらつき、鼻づまり、においがわからない、アレルギー性鼻炎、いびき、のどの痛みや異物感など、さまざまな症状の診察や治療をして、手術も行う。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を経て、医師としての診療が認められる。
その後、専門研修施設で4年の研修を行い、所定のプログラムを修了すると、「耳鼻咽喉科専門医試験」を受けることができ、合格すると「耳鼻咽喉科専門医」の資格が得られる。
より専門的な医療に携わりたい人。内科の治療と外科の手術の両方を行いたい人。
乳幼児から高齢者まで、すべての年代の患者の悩みに寄り添いたい人。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
耳鼻咽喉科医になるために必要な知識やスキルは、専門研修施設や大学院などで身につけることができる。
花粉症をはじめとするアレルギー疾患などによるつらい症状から解放された患者の笑顔が見られたとき、大きなやりがいを感じる。
治療や手術によって、日常生活に欠かせない耳や鼻の感覚や機能を取り戻すことで、患者と喜びを共有できる。
⑥眼科医
眼科医は、眼球と眼球周囲の診察、検査、治療、手術などを行う。
眼球の病気や近視・遠視だけでなく、白内障や緑内障など、乳幼児から高齢者まで幅広い患者を扱う。
眼球は小さいけれど非常に複雑な臓器で、角膜・網膜・神経など、それぞれの分野ごとに専門学会があるほど、奥が深い。
染色体異常・代謝異常・糖尿病・血液や皮膚などの疾患とも深くかかわるため、全身疾患の知識も必要。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を経て、医師としての診療が認められる。
その後、日本眼科学会が認定した研修施設で4年以上の研修を行い、眼科に関する検査・治療・手術などの研修を修了して、論文発表などの条件を満たすと、「眼科専門医認定試験」を受けることができ、合格すると「眼科専門医」の資格が得られる。
専門性が非常に高いので、「眼科」を究めたい人。
検査や診察から治療、手術まで、一貫して行うため、ひとりで細かい作業をすることが好きな人。
日本眼科学会の医師会員の約40%が女性で、女性医師が活躍しやすい。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
眼科医になるために必要な知識やスキルは、研修施設や大学院などで身につけることができる。
眼のことなら、すべて自分ひとりで診察して、治療や手術をすることができる。
視力は日常生活に欠かせないので、高齢者に「また見えるようになった」と感謝されるのは大きなやりがいになる。
眼科の検査では、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの病気をみつけることもできるため、医師としてのやりがいを感じられる。
⑦整形外科医
整形外科医は、骨・関節・靭帯・筋肉・神経の病気やケガの診察、治療、手術を行う。内臓の手術を行う外科医とは異なり、運動器を専門に治療する。
スポーツや事故などによる外傷、加齢に伴った障がいに対して、運動器の機能回復、機能再建、機能維持を行う。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を行う。
その後、日本整形外科学会会員となり、認定施設で臨床研修4年を完了すると、「整形外科専門医」の受験資格が得られ、合格すると「整形外科専門医」の資格を取得できる。
立体的構造について興味がある人。
スポーツが好きで、ケガをして困ったことがある人は、興味をもちやすい。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
整形外科医になるために必要な知識やスキルは、認定施設での臨床研修で手術などの経験を積むことで身につけることができる。
整形外科は、いろいろなことができて、治してあげられることが多い診療科。
例えば、スポーツや交通事故などで手足や背骨のケガをした人を治療して、社会復帰・スポーツの再開のお手伝いができる。膝や股関節などが悪くなって歩くのがつらくなってきた人を、手術で治して、また歩けるようにしてあげられる。
運動器の病気やケガから回復していく患者に寄り添えることは、この上ない喜びになる。
⑧皮膚科医
皮膚科医は、全身の皮膚の赤み・かゆみ・痛み・できもの・脱毛・爪の異常などの診察、治療、手術などを行う。
皮膚の疾患には、湿疹・アトピー性皮膚炎・じんま疹・みずむし・巻き爪・円形脱毛症・帯状疱疹・やけど・感染症・皮膚がんなど、たくさんの種類がある。
外用薬やかゆみ止めなどの内服薬を処方したり、アレルギー検査を行ったり、皮膚を採って検査をしたり、できものや腫瘍などを切除する手術も行うため、診療内容は内科・外科・病理と広範囲に及ぶ。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、指定の病院で研修医として、内科・外科・小児科など2年以上の臨床研修を経て、医師としての診療が認められる。
その後、研修施設や大学院などで5年以上の研修を行い、規定の単位を取得するなどの条件を満たすと、「皮膚科専門医」の受験資格を取得でき、合格すると「皮膚科専門医」の資格が得られる。
皮膚疾患は、さまざまな原因による、非常に多くの症状があるため、皮膚を診て、診断し、治療法を組み立てていく、広い視野と深い洞察力が求められる。
日本皮膚科学会では、新入会員の半数以上を女性が占めていて、女性医師の支援体制が整っている。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
皮膚科医になるために必要な知識やスキルは、研修施設や大学院などで身につけることができる。
皮膚は目に見えるものなので、治療によって治っていく状態がはっきり見えて、手応えを感じられる。
小さな子どもから高齢者まで、幅広い年齢層の患者に対し、アレルギーによるかゆみや肌トラブルのつらい悩みを解消して、笑顔を見られることが大きなやりがいになる。
⑨麻酔科医
麻酔科医は、病院の手術室で、患者が安全に手術を受けることができるように、薬で眠らせ、痛みをとる。
手術の間、眠っている患者の呼吸を助け、医療用のモニターなどを駆使して全身の状態を見守り、安全に保ち続けている。
大学の医学課程(6年)を修了し、医師国家試験に合格すると、医師免許を取得することができる。
医師免許を取得後、麻酔科専門医の指導のもとで2年以上の研修を行い、厚生労働省に「麻酔科標榜医」の申請をして、書類審査の後、許可証が交付されると、麻酔科医としての診療が認められる。
その後、さらに3年以上の研修を行うことで、「麻酔科専門医認定試験」を受けることができ、合格すると「麻酔科専門医」の資格が得られる。
麻酔科医は、病気を直接治すというよりも、治療を裏方で支える仕事。
そのため、「目立つ」「華やか」「患者から直接感謝される」ということには重きを置いていない人に向いている。
患者との対話の機会はあまり多くないが、外科医などの医師、手術室スタッフなどと密な意思疎通が必要になるため、コミュニケーション能力は重要。
大学の医学部を卒業することが絶対条件なので、まずは、大学の受験勉強を頑張ること。
麻酔科医になるために必要な知識やスキルは、大学の勉強や病院での研修などで身につけることができる。
手術中の安全をつかさどる麻酔科医には、緊急事態にも慌てずに、状況を冷静に判断できる能力も要求されるが、最初からできなくても、研修などでトレーニングを積むことで少しずつ身についていく。
患者が無事に手術を終えて、「もう手術が終わったんですか」「痛みはありません」と言っているのを聞いた時には、やりがいを感じる。
病院で働くお仕事:医師の診察や治療をサポート
専門の資格を取得して、医師の代わりに治療や検査、リハビリなどを行ったり、患者の心身をケアする
⑩看護師
※病院で働く仕事:看護婦の仕事とは?
看護師は、主に患者の心身のケアと、医師の診療・治療のサポートを行う。
入院患者の場合、日々の全身状態の観察(体温や血圧の測定など)・点滴・採血・創傷処置・退院するまでのさまざまなケアや支援などを行っている。退院支援(退院後に在宅で受ける医療や看護サービス)は、主治医や他職種のスタッフと共に、患者とその家族も交えながら相談して検討する。
文部科学大臣指定の4年制の大学または3年制の短期大学か専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の看護師養成所(3年以上)を卒業し、看護師国家試験に合格すると、国家資格である「看護師資格」を取得することができる。
看護師国家試験の合格率は、例年90%前後なので、大学校や養成所でしっかりと学べば、国家資格を取得することが可能。
人と接すること、お世話をすることが好きな人。
治療(手術など)と治療前後の心配や不安を少しでも取り除けるよう、患者にかかわりたいと思っている人。
コミュニケーション能力のある人。入院から退院まで、患者だけでなく、その家族や医師、ほかの専門スタッフと、どうしたら患者が良くなるか、どうしたら納得できるかなど、チームで考える場面が多くあるため、さまざまな人と対話するコミュニケーション能力が大事。
看護師になるために必要な知識やスキルは、大学校や養成所の看護基礎教育課程でしっかりと学べば、身につけることができる。
さまざまな患者がいるので、医療関係の勉強だけでなく、スポーツや旅行などの趣味をもったり、いろいろな経験をしておくと、意外な形で役に立つことがある。
たくさんの人とかかわることができる。
患者が病気やケガから回復して、退院していく姿を見たり、「ありがとう」と感謝の言葉をもらうと、とてもうれしく感じる。
看護師は楽な仕事ではなく、緊張感がある場面も経験するが、患者の笑顔や、チームでやりとげた達成感が、大きなやりがいにつながる。
⑪薬剤師
※病院で働く仕事:薬剤師の仕事とは?
薬剤師は、薬の専門家として、薬にかかわるさまざまな仕事を行っている。
病院内の薬局では、処方箋の薬が適切な量や使い方か確認してから、薬を調剤して患者に渡す。
患者と話をして、副作用が出ていないかチェックしたり、より適切な薬や飲み方などを医師に提案することも大切な役割。
チーム医療を行っているため、医師や看護師、栄養士などとのかかわりが多いのも、病院に勤務する薬剤師の仕事の特徴。
大学の薬学部で薬剤師養成課程(6年)を修了し、薬剤師国家試験に合格して申請すると、厚生労働省の薬剤師名簿に登録され、薬剤師免許を取得することができる。
病気やケガで苦しんでいる患者と接する機会が多いので、他人の気持ちに寄り添える人。
人命にかかわることもあるので、調剤の正確性は絶対条件。そのため、集中力や几帳面さも求められる。
薬剤師になるために必要な知識やスキルは、大学でしっかりと学べば、身につけることができる。
患者や医師・看護師とのコミュニケーションが大事なので、学生のうちからいろいろな人と接して、コミュニケーション能力を伸ばすよう心がけておきたい。
病院内の薬局では、状態の悪い人や、さまざまな病気やケガをした人が集まってくるため、勉強になることが多い。
患者が元気になっていく姿を目の当たりにすることで、大きな働きがいを感じる。
⑫理学療法士
※病院で働く仕事:理学療法士の仕事とは?
理学療法士は、医師の指導の下、病気・ケガ・障がい・加齢などで日常生活や運動が不自由になった患者に対して、運動を主体とした治療や訓練を行い、身体機能の回復と日常生活動作の維持や改善を図る。
運動療法や物理療法による運動機能回復の訓練を行ったり、マッサージや電気療法などの施術をしたり、義手・義足・車イスなどの装具に関する訓練をサポートする。
文部科学大臣指定の4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の理学療法士養成施設(3年以上)を卒業し、理学療法士国家試験に合格すると、国家資格である「理学療法士」の資格を取得することができる。
理学療法士国家試験の合格率は75~90%程度。
患者が求めていることをしっかりと察知できる人。
患者の話をきちんと聞き、相手に寄り添える人。
同じ症状だからといって、同じ治療や訓練が適切だとは限らないので、患者の抱える問題や日常生活も把握し、一人ひとりに最適な治療や訓練を提案できる判断力や応用力が求められる。
理学療法士になるために必要な知識やスキルは、理学療法士を養成する4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、養成施設でしっかりと学べば、身につけることができる。
理学療法士の仕事は患者とのコミュニケーションが重要になるため、普段から自分と違う世代や価値観の異なる人と触れあう機会をもっておくとよい。アルバイトをしたり、旅行に行ったり、趣味などを通して、いろいろな人と接する経験を積んでおきたい。
医師の診察時間より理学療法士のリハビリテーションの時間のほうが長いため、患者と話をする機会が多く、身体に直接ふれてマッサージを行うことで親近感が湧いてくる。
医師には直接言いにくい悩みを話してもらえることもあり、治療に必要な情報を得て、医師への橋渡しができる。
何より、病気やケガから回復して、「ありがとうございました」と笑顔で退院する姿を見るのが大きな喜び。
⑬作業療法士
作業療法士は、医師の指導の下、工芸・手芸・園芸・絵画・玩具操作などの作業技法によるリハビリで、病気・ケガ・障がいなどによって失われた身体機能の回復や日常生活動作の維持や改善を図る。
精神的・心理的な安定を目的として、精神面でのサポートも重要になるところが、理学療法士の仕事とは異なる。
ソーシャルワーカーやケースワーカーと連携して訪問リハビリにつないだり、家族に日常生活でのサポート方法をアドバイスすることも。
文部科学大臣指定の4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の作業療法士養成施設(3年以上)を卒業し、作業療法士国家試験に合格すると、国家資格である「作業療法士」の資格を取得することができる。
作業療法士国家試験の合格率は75~85%程度。
人とかかわることが好きで、思いやりのある人。
いつも元気よくあいさつをして、患者を明るくするようなコミュニケーションができる人。
リハビリはすぐに結果がでるものではなく、なかなか心を開いてくれない患者もいるので、根気よく向き合う忍耐強さがあるといい。
作業療法士になるために必要な知識やスキルは、作業療法士を養成する4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、養成施設でしっかりと学べば、身につけることができる。
作業療法士の仕事も、理学療法士と同様に、患者とのコミュニケーションが重要になるため、普段からさまざまな人と接する経験を積んでおきたい。歴史や雑学などの知識を身につけておくと、年配の患者との会話のきっかけになることも。部活動に打ち込んで、その体験談を話題に生かしてもいい。
突然、病気やケガで入院してしまった人に対し、リハビリの時間を通して、徐々に障がいを受け入れてもらいながら気持ちが前へ向いていくようサポートできる仕事は、責任が大きく、とてもやりがいがある。
患者の症状が良くなっていったり、最初はすごく落ち込んでいたのに笑顔を見せてくれるようになったり、日々やりがいを感じることが多い。
⑭診療放射線技師
※病院で働く仕事:診療放射線技師の仕事とは?
診療放射線技師は、医療現場における放射線の専門家。
医師の指導の下、レントゲン・CT・MRI・マンモグラフィーといった放射線や超音波などを使って画像を撮影するのが主な仕事。
放射線は適切に扱わないと被ばくする危険があるため、人体に放射線を照射できるのは、医師・歯科医師以外では診療放射線技師だけ。
文部科学大臣指定の4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の診療放射線技師養成所(3年以上)を卒業し、診療放射線技師国家試験に合格すると、国家資格である「診療放射線技師」の資格を取得することができる。
診療放射線技師国家試験の合格率は70~85%程度。
病院の中では縁の下の力持ち的な存在。診療放射線技師の腕次第で病気やケガをみつけられたり、治療方針が決まったり重要な仕事なので、人の役に立つ仕事をしたい人。
小さな子どもや高齢者など、患者に安心して検査を受けてもらうために、コミュニケーション能力も求められる。
診療放射線技師になるために必要な知識やスキルは、診療放射線技師を養成する4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、養成所でしっかりと学べば、身につけることができる。
医療の進歩に伴い、コンピュータを使った画像診断は日々高度化していくので、診療放射線技師になってからも、常に新しい知識を習得し続けていく意欲が必要。
自分が撮影した写真で、医師に病気やケガをみつけてもらえるのが一番のやりがい。撮影する部位や撮り方など、診療放射線技師の技術差が病気やケガの発見に影響するため、撮りたかったものが写真に写っていると達成感がある。
時には、診断補助という形で、写真を見て気づいたことを医師に進言し、それによって、病気やケガがみつかると、医師でなくても患者を救う手助けができたとうれしくなる。
⑮臨床検査技師
臨床検査技師が主に行う仕事は、大きく分けて、患者の血液・尿・便・痰などを検査する検体検査と、心電図・脳波測定など患者自身から直接情報を得る生理機能検査がある。
医師が病気の診断や治療方針を決定する際に必要な検査データを、正確かつ迅速に提供できるよう、日々業務に当たっている。
文部科学大臣指定の4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の臨床検査技師養成所(3年以上)を卒業し、臨床検査技師国家試験に合格すると、国家資格である「臨床検査技師」の資格を取得することができる。
臨床検査技師国家試験の合格率は75~80%程度。
少しのミスでも患者に不利益を与えてしまう可能性があるため、責任感をもってていねいな仕事ができる人。
標本作成やピペット操作、採血なども業務に含まれるので、手先が器用な人も向いている。
臨床検査技師になるために必要な知識やスキルは、臨床検査技師を養成する4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、養成所でしっかりと学べば、身につけることができる。
高校の化学・生物・物理の知識が基礎となるので、しっかり授業を受けて、勉強しておきたい。
医師や看護師と比べて患者に接する機会は少ないものの、検査が終わったときに「ありがとう」と言ってもらえると、患者の治療の役に立てたと実感できて、やりがいを感じる。
⑯臨床工学技士
臨床工学技士は、人工呼吸器・人工透析・人工心肺など、「患者の命を救う」生命維持管理装置を含め、治療のための医療機器を操作し、医師・看護師と共に患者をサポートする。
それらの医療機器を点検・修理し、安全に使用できるよう保守管理する仕事も行う。
病院の透析室・集中治療室・手術室・カテーテル治療室・機器管理室などで仕事をしている。
文部科学大臣指定の4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、もしくは厚生労働大臣指定の臨床工学技士養成所(3年以上)を卒業し、臨床工学技士国家試験に合格すると、国家資格である「臨床工学技士」の資格を取得することができる。
臨床工学技士国家試験の合格率は70~85%程度。
「人のために役立ちたい」と思う人。
患者のためだけでなく、医師・看護師などの医療スタッフもサポートする「縁の下の力持ち」的な考えをもっている人。
チーム医療であるため、コミュニケーション能力があると有利。
臨床工学技士になるために必要な知識やスキルは、臨床工学技士を養成する4年制大学・3年制の短期大学または専門学校、養成所でしっかりと学べば、身につけることができる。
機器の管理をするための電気・電子の工学系の知識と、解剖生理・薬理といった医学系の知識の両方が必要。最近の機器はパソコンと同じなので、情報処理系の勉強もしておきたい。
現代の医療では、医療機器がなくては治療・検査などができない。
医療機器のスペシャリストとして、医師・看護師と共に「チーム医療」で患者を救うことができるので、大きなやりがいがある
⑰臨床心理士
心理検査や心理療法を用いて個別の対応をすることもあるが、病院に勤務する臨床心理士の仕事は、関係するさまざまなスタッフ(医師や看護師など)とチームを組みながら、患者の心の状態をサポートすることが中心。
大学卒業後、公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認可する「指定大学院(1種・2種)または専門職大学院」を修了して、所定の条件を満たすと、「臨床心理士」の資格審査試験を受験することができる。試験に合格して、資格認定証書の交付手続きを完了すると、「臨床心理士」の資格が認定される。
つらい経験をした人ほど、つらい気持ちに寄り添える場合もあるが、臨床心理士の行うサポートは、自分の経験から判断することではない。むしろ、自分自身のクセや弱みを認識できる謙虚さが求められる。
臨床心理士になるために必要な知識やスキルは、大学院でしっかりと学べば、身につけることができる。
大学院によっては、大学の心理学部以外の卒業生や心理職にかかわった経験のない社会人を受け入れるところもあるが、まず大学などで心理学の基礎知識を身につけておくとよい。
文系だと思われがちだが、実際には統計などを理解する必要があるので、高校で数学をしっかり勉強しておきたい。心理学の最先端は英語圏のため、英語のヒアリング力や英文読解力があると役に立つ。
つらさや嬉しさなど、いろいろな経験があるが、患者の大切な体験を共有し、臨床心理士と共有した体験が相手の人生に残り、力になれるということが、臨床心理士ならではのやりがい。
⑱社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)
社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)は、福祉に関するさまざまな相談に応じ、各種制度・施設の利用方法などのアドバイスをしながら問題解決に当たる。
病院内では、治療や療養に伴う、お金のこと、生活のこと、仕事や学業のこと、介護のことなど、医療では解決できない困りごとを少しでも解決できるよう、相談支援を行っている。
4年制大学の福祉系学部などで厚生労働大臣の指定する科目を履修して卒業するか、短期大学・専門学校などで指定科目を履修して卒業後に相談援助の実務経験(1~4年、期間は学歴により異なる)で条件を満たすと、「社会福祉士」の国家試験を受験することができる。試験に合格すると、国家資格である「社会福祉士」を名乗って仕事をすることができる。
社会福祉士国家試験の合格率は30%弱。
人に興味をもてることが大切。
自分の価値観ではなく、さまざまな考えをもつ人がいることを理解できることが求められる。
人の話をじっくり聞くことができて、コミュニケーション能力がある人。
社会福祉士国家試験の合格率は例年30%以下で、ほかの福祉系の国家資格よりも低いため、まずは4年制大学の福祉系学部で基礎からしっかり勉強してから、国家試験の受験対策に取り組みたい。
病気やケガは、患者自身の人生や生活を見つめ、考え直す大きなきっかけとなることも多く、そこに寄り添えることにやりがいを感じる。
患者やその家族が課題に取り組み、解決していく姿から、自分自身が学ぶことも、とても多くある。
病院で働くお仕事:病院や患者のサポート
受付業務など、患者と直接かかわる仕事だけでなく、入院患者の食事のお世話や清掃、病院内の物品管理など、バックグラウンドで支える仕事もある。⑲医療事務
※病院で働く仕事:医療事務の仕事とは?
医療事務は、患者の受付・案内・医療費計算・会計などの窓口業務をはじめ、診療報酬請求業務、カルテの管理など、幅広い仕事がある。
特に「診療報酬請求」という重要な業務をまかされ、レセプト(診療報酬明細書)の作成・点検・提出を行うことで患者に提供した医療を報酬にして、病院の収入を管理する。
患者と、医師・看護師・臨床検査技師など医療スタッフとの橋渡しの役割も担っている。
病院に就職するほか、病院から業務委託を受けている会社に就職する。
医療事務には国家資格がなく、特定の学歴や資格がなくても仕事に就くことはできる。さまざまな民間資格があるので、専門知識を身につけている証明として取得しておくと、就職で有利になる場合も。
すべての業務の出発点は「患者のために」であると思える人。
患者が病院に来て最初に顔を合わせる受付と、診察を終えて最後に行う会計も医療事務の仕事なので、患者に安心感を与える応対接遇ができる人。
医療事務関連の民間資格を取得しておくと、就職に役立つ。大学・短期大学・専門学校で学べるほか、短期間の講座や通信教育でも資格取得が目指せる。
スマートフォンやダブレットの普及でワープロ打ちができない人が増えているので、パソコン入力のスキルを身につけておくと、電子カルテをはじめ病院内の医療システムの作業がスムーズになる。
医療事務も医療従事者として「痛い」「苦しい」「つらい」などで病院に来た患者が元気になっていく姿をみたり、患者から「ありがとう」の言葉をもらうことができると、嬉しく、やりがいを感じる。
事務職であっても医療という分野で社会貢献できるのが、医療事務の特徴であり、やりがい。
⑳管理栄養士
※病院で働く仕事:管理栄養士の仕事とは?
病院に勤務する管理栄養士は、医師・看護師・薬剤師・理学療法士などと協働して、患者の栄養サポートを行う。
病態と栄養素と食品を考えて、患者の食事調整や栄養指導をするのが主な仕事。
また、食品衛生管理や災害食の対応も行っている。
文部科学大臣指定の4年制大学または専門学校(4年)、もしくは厚生労働大臣指定の管理栄養士養成施設(4年)など、管理栄養士養成課程で学んで卒業し、「栄養士」の免許を取得すると、「管理栄養士」の国家試験を受験することができる。試験に合格すると、国家資格である「管理栄養士」を名乗って仕事をすることができる。
厚生労働大臣指定の4年制大学・短期大学(2年または3年)・専門学校(2~4年)などの栄養士養成課程で学んで卒業し、「栄養士」の免許を取得した場合は、学歴により1~3年の実務経験を積むと、「管理栄養士」の国家試験を受験することができる。
食を通して何かしたいと思っている人。
患者をはじめ、さまざまな人とかかわることが多いので、コミュニケーション能力があると良い。
2020年3月実施の管理栄養士国家試験の全体の合格率は61.9%だが、4年制大学や専門学校などの管理栄養士養成課程の新卒者の合格率は92.4%なので、4年制大学や専門学校などの管理栄養士養成課程でしっかり学ぶことが、国家試験対策につながる。
患者と直接かかわったり、医師・看護師・薬剤師・理学療法士などとチームを組んで仕事をすることが多いので、学生のうちから、多くの人と接する機会を作り、コミュニケーション能力を身につけておきたい。
医師・看護師・薬剤師・理学療法士など、さまざまな病院スタッフと意見を出し合ってプランを考え、食事をとれなかった患者が食べられるようになり、みるみる症状が改善されていく様子を目の当たりにすると、やりがいを感じる。
㉑調理師
病院に勤務する調理師は、管理栄養士が考えた献立をもとに、入院患者の食事を作る。
病院内の厨房での調理のほか、調理補助スタッフに指示をしたり、献立作成や給食材料の発注などを行うこともある。
調理師だけでなく「調理補助」として、調理・盛り付け・配膳・調理器具や食器などの洗浄と片付けを行う仕事もある。
病院に就職するほか、病院から業務委託を受けている会社に就職する。
「調理師」の国家資格がなくても、調理師の仕事をすることはできるが、国家資格があれば就職に有利になる場合も。
「調理師」の国家資格は、厚生労働大臣指定の短期大学や専門学校などの調理師養成施設(1年以上)を卒業するか、飲食店などで2年以上の調理実務経験を積んだ後に国家試験に合格すると、取得できる。
「食」に興味がある人。
入院患者に少しでも食事を楽しんでもらえるような調理を研究する探求心のある人。
調理師養成施設でしっかり学べば、基本的な調理方法や食材の知識を身につけることができる。
普段から家の食事づくりを手伝ったり、いろいろなお店の食べ歩きをして味覚を磨いておくとよい。
患者と直接かかわることは少ないかもしれないが、看護師や管理栄養士などを通して「おいしかった」という声を聞いたり、提供した食事が完食されているのをみるとうれしくなる。
㉒リネン管理
病院内で、入院患者の寝具・患者衣・病院スタッフのユニフォームなど、リネンアイテムの回収・仕分け・配布、ベッドメイクなどを行う。
病院に就職するほか、病院から業務委託を受けている会社に就職する。
特定の学歴や必須資格、採用条件は特になく、未経験でも可能。
デスクワークよりも身体を動かして働きたい人。細かな作業が得意な人。
一緒に働くスタッフとのコミュニケーションを大切に、チームワークを重視して働きたい人に向いている。
業務上、患者やその家族、病院スタッフと接することも多いので、接遇・マナーの基礎知識があると役立つ。
清潔で快適な環境を提供するという衛生面への配慮・高い意識が求められる点が、この仕事のやりがい。
また、患者やその家族、病院スタッフから「いつもありがとう」と感謝の言葉をかけてもらえることも多く、仕事のモチベーションにつながる。
㉓清掃スタッフ
※病院で働く仕事:清掃スタッフの仕事とは?/画像提供:ワタキューセイモア株式会社
病院に勤務して、病棟および外来、廊下やトイレなどの共有部分の清掃、消耗品の管理や補充を担当する。病院内を常に快適で衛生的な状態に保つ仕事。
病院に就職するほか、病院から業務委託を受けている会社に就職する。
特定の学歴や必須資格、採用条件は特になく、未経験でも可能。
細かい作業が好きな人。きれい好きな人。
一緒に働くスタッフとのコミュニケーションを大切に、チームワークを重視して働きたい人に向いている。
患者やその家族がいる中で業務を行うことも多いので、接遇・マナーの基礎知識があると役立つ。
状況に応じて作業手順を変えたり、用具や洗剤・消毒剤を使い分けたり、仕事を通して知識と専門性を身につけられる。
感染管理という観点からも、とても重要なポジション。医療スタッフの一員として、自覚をもって働けることが何よりのやりがい。
㉓医療器材の洗浄・滅菌(中央材料室業務)
※病院で働く仕事:医療器材の洗浄・滅菌の仕事とは?/画像提供:ワタキューセイモア株式会社
病院内の中央材料室とよばれる部署で、患者の治療や手術などで使用したピンセットやハサミなどの医療器材を専用の機械を使って洗浄・滅菌する仕事。
手術室の清掃や物品補充も業務に含まれる。
病院に就職するほか、病院の業務委託を受けている会社に就職する。
特定の学歴や必須資格、採用条件は特になく、未経験でも可能。
細かい作業が得意な人、手先が器用な人。
一緒に働くスタッフとのコミュニケーションを大切に、チームワークを重視して働きたい人。
また、多くの種類の器材を取り扱うので、その名称や専門用語を覚えることにやりがいを感じられる人におすすめ。
医師や看護師と連携を図ることも多いので、コミュニケーション能力、接遇・マナーの基礎知識があると役立つ。
器材の名称や作業手順など、業務に必要な知識は、入社後の研修などで習得できる。
中央材料室は、医師や看護師の業務を後方から支える、大変重要な役割を担っている部署。「縁の下の力持ち」として、病院の運営や地域の安心・安全に役立っていると実感できるのが一番のやりがい。
将来的には、「滅菌技士」「滅菌管理士」などの資格取得も可能。仕事を通して知識を習得し、専門性を高められるのも、この仕事の魅力のひとつ。
㉔物品管理(SPD)
病院内で使用される診療材料・滅菌物・リネンアイテムや消耗品などの物品補充・在庫管理を行う。
そのほかに、病院内の倉庫や滅菌室、リネン庫などの所定場所まで搬送を行うこともある。
「SPD」とは、Supply(供給)・ Processing(加工)・Distribution(分配)の略。使用する物品の管理と、その流れの最適化を図る仕事。
病院に就職するほか、病院から業務委託を受けている会社に就職する。
特定の学歴や必須資格、採用条件は特になく、未経験でも可能。
細かい作業が好きな人。
一緒に働くスタッフとのコミュニケーションを大切に、チームワークを重視して働きたい人。
何ごとも先回りして考えて、計画的に業務をこなしていきたい人。
身体を動かすことが好きな人にも向いている。
病院内の各部署と連携しながら仕事を進めるので、コミュニケーション能力や接遇・マナーの基礎知識があると役立つ。
物品の名称など業務に必要な知識は、入社後の研修などで習得できる。
さまざまな物品の管理や搬送業務を通して、病院の中の「モノの流れ」に詳しくなれるおもしろさがある。
在庫管理のみでなく、蓄積されたデータを活用することで、病院経営をサポートする大切な役割を担っている。
病院内のさまざまな職種のスタッフとのコミュニケーションも多く、仕事を通して、幅広い知識を身につけることができる。
病院には、さまざまな専門職の人たちが活躍していて、国家資格を取得した人だけでなく、医学の知識がなくても医師や患者をサポートすることができる。
病院で働く人たちのすべてに共通するのが、病気やケガに悩まされている患者の力になりたいという気持ち。
「人の役に立てる」という大きなやりがいを実感できるのが、病院の仕事。
自分なら、どんなことができるのか、病院で活躍できる仕事を探してみよう。
【取材協力】
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳社会医療法人 河北医療財団 河北総合病院
㉒㉓㉔ワタキューセイモア株式会社
取材・文/やまだ みちこ(2023年5月一部追記) 構成/黒川 安弥
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