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高校生のサザエ&マスオが話題! CMプランナーという仕事の魅力

高校生のサザエ&マスオが話題! CMプランナーという仕事の魅力

数秒間でインパクトを残したり、商品の良さを伝えたりするCM。
 
「CMを作る人になれたら楽しそうだな」なんて思ったことがある人もいるのでは?
 
でも“CMを作る人”といっても、実際はさまざまな職種の人がかかわっているはず。
 
そこでスタディサプリ進路では、『魔女の宅急便』『アルプスの少女ハイジ』『サザエさん』など、“有名アニメの主人公がもしも日本の高校生だったら…”という設定が話題の、カップヌードルのCM『HUNGRY DAYS アオハルかよ。』を手がけたスタッフの方々をリレーインタビュー!
 
それぞれの仕事内容や役割、CM制作の裏側、どんな進路選択をして今の職業についたのかなどについて、詳しく聞いてみることに!
 

 

CMプランナーってどんな仕事?

CMの生みの親であり、チームを統括するリーダー的存在

 
現在、テレビやインターネット、雑誌などの広告を取り扱う広告代理店「電通」に所属している佐藤さん。
 
入社後は営業職を1年間経験し、2年めからCMプランナーという役職に就いたそう。
 
でも、そもそもCMプランナーってどんな仕事をする人なの?
 
CMプランナーという仕事の魅力

「ぼくが行っているCMプランナーという職業は、一番最初に企画を生み出すところから、CMが完成するまでのすべてにかかわるポジションです。
 
CM制作には、キャッチコピーなどを考えるコピーライターや、CMのデザインやビジュアル面を担当するアートディレクター、監督、カメラマン、照明などさまざまなスタッフが必要になるのですが、CMプランナーは『今回は誰に依頼するか』という“人選”から携わります。
 
スタッフだけで100人以上がかかわることもあるので、スタッフィング(スタッフを決める仕事)はとても大切な役割です」

企画もチームもゼロから立ち上げて動かしていく“CM制作の司令塔”が、CMプランナーなんだ!
 
ちなみに、テレビCMだけでなく、新聞や雑誌の広告、街頭のポスター、WEB、イベントなど、キャンペーン全体を統括するのが『クリエイティブディレクター』なのだそう。
 
CMプランナーという仕事の魅力

「カップヌードル『HUNGRY DAYS』シリーズの場合、ぼくはCMプランナーのほか、クリエイティブディレクターとコピーライターも兼任しています。
 
CMによっては、複数の役職をひとりで担当することもありますし、逆にひとつの役職に複数人が就いていることもありますね」

CM制作の流れ

プランナーは企画から動画編集まですべてに携わる

では、実際にCMを作るときは、どのような流れで制作していくの?

「まずは、企業(クライアント)から『この新商品の広告を作りたい』『このブランドの認知度を上げてほしい』という依頼を受けるところから始まります。
 
クライアントがイメージするCMの世界観や伝えたいメッセージ、ターゲット層や予算などを聞いて、それをもとに企画を考えます」

CM制作の依頼は、「あなたの会社にお願いします」と指名されることもあれば、いくつかの広告代理店に声をかけて「一番いい企画を提案してくれたところに依頼します」という“競合プレゼン”の形をとる場合もあるんだとか。
 
なんともシビアな世界…!
 
CMプランナーという仕事の魅力

「カップヌードルの場合は競合プレゼンで、日清食品さんからは『10~20代の若者に商品を手にとってもらいたい』という依頼がありました。
 
10代といえば学生で、青春真っ盛りです。
 
同時に『カップヌードル』という商品も、いつの時代も挑戦的かつヤンチャな広告をしかけているので、『“青春”という言葉が似合うな』『そもそも、高校生がカップヌードルを食べているシーンって“青春”そのものだし、“高校生”と“カップヌードル”って相性がいいな』と思ったんです。
 
それで、『カップヌードル』×『青春』というキーワードを軸に、企画を考えることにしました」

CMプランナーという仕事の魅力
 
話題のCMは、「10代」と「カップヌードル」の共通点をイメージするところから生まれたアイデアだったんだ!
 
そのあとは、“青春”というキーワードから、どうやってアイデアを膨らませていったの?

「まず『誰にでも青春はある。カップヌードルは、そのすべての青春を応援したい』というテーマを決めました。
 
その上でどんな“青春”を描くかを考えたときに、『まだ誰も知らない青春』を描いて、世の中を驚かせてみたいと思ったんです。
 
また、2016年は『君の名は。』や『この世界の片隅に』『聲(こえ)の形』がヒットするなど、新時代のアニメが国民的な人気作品になった年でした。
 
そこで、今の時代に、みんなが知っている『魔女の宅急便』や『サザエさん』といった国民的名作のパラレルワールドを、現代的なアニメーションで本気で描いたら、それは誰も見たことがないものになるんじゃないか…と思ったんです。
 
『あの国民的ヒロインが、もしも現代の日本の高校生だったら…?』という話を、実写でなくアニメで表現する。
 
それは広告表現的にも前例がない、新しい挑戦でしたね」

アイデアが思いつくのもすごいけど、これを実際に形にしてしまうのもすごい…!
 
CMプランナーという仕事の魅力
 
CMプランナーという仕事の魅力

「世の中的に『こんなことできるんだ』『こんなことしていいんだ』って思いますよね(笑)。
 
でも、だからこそ挑戦したいと思ったんです。
 
実際、原作者の方や版権元など、すべての人に納得してもらわないと進められない企画なので、手紙を送ったり、何度も会いに行って一緒に話を膨らませていったりもしましたね。
 
この企画は「携わる人全員にとっての新しい挑戦」だと思ったので、全員が“納得できること”と“楽しめること”を目指しました。
 
さらに今回は、『BUMP OF CHICKENさんに新曲の書き下ろしをお願いする』などの高いハードルがいくつもあったのですが、『誰も見たことのないものを作りたい』という気持ちが、本当に原動力になりました」

CM内で流れる曲を決めたり、版権元やアーティストに直接交渉するのもCMプランナーの役割なんだ…!
 
企画の概要が決まったら、どんな見せ方にするかを“絵コンテ”にするのもCMプランナーの仕事。
 
これをもとにプレゼンしたり、制作スタッフにイメージを伝えたりするのだそう。

「企画が通ってスタッフがそろったら、CMの内容をさらに細かく考えていきます。
 
今回は『CM制作というより、30秒の映画を作るんだ』という気持ちで臨んだので、キャラクターの設定もかなり細かく決めました。
 
例えば、ハイジ編に登場するクララは『何年前にスカウトされて読者モデルになった』とか、『何年前からツイッターをやっていて、今これくらいの書き込みがある』とか。
 
ちなみに、CMの中でクララのツイッターアカウントが出てくるのですが、それは実在しているんですよ」

CMプランナーという仕事の魅力
 
す、すごい…!
 
全然気がつかなかった!

「今回は10~20代がターゲットなので、『ネットで何度も見てもらいたい』『スクリーンショットを撮って、SNSなどで拡散してもらえたらうれしいな』と思い、いろいろな“小ネタ”を仕込んでいます。
 
『魔女の宅急便』篇にはBUMP OF CHICKENさんのサインがどこかに映り込んでいたり、『ハイジ』篇ではハイジの“おんじ”や犬のヨーゼフがさり気なく登場していたり…。
 
『サザエさん』篇には、キキやトンボ、ハイジやクララも映り込んでいるので、ぜひ探してみてください。
 
ただの小ネタだけでなく、次のCMにつながる伏線も隠れているはずです」

CMプランナーという仕事の魅力
 
CMプランナーという仕事の魅力
 
CMプランナーという仕事の魅力
 


 
細かな仕掛けやキャラクターの設定など、詳しい内容が決まったら、いよいよ映像制作に入っていくことに!
 
CMプランナーという仕事の魅力

「ここからは、実際に映像を制作するスタッフたちと演出の仕方を打ち合わせていくことがCMプランナーの役割になります。
 
映像制作のリーダーであるCMプロデューサーや監督などと話し合いを重ねていくうちに、企画段階では出てこなかったアイデアが生まれることもあるので、それを取り入れながらより良いものを作っていきます。
 
CMの制作期間は、だいたい3~6カ月ほどなので、締め切りに間に合うように進行状況を管理するのも大事な仕事のひとつです」

ちなみに実写のCMの場合は、撮影前に衣装やセットを確認したり、映像の編集作業に立ち会ったりもするそう。
 
企画段階から動画編集まで…CMプランナーって、本当にすべての作業に携わるんだ!
 

CMプランナーという職業の魅力

自分が見てみたい表現にチームで挑戦できる

斬新なアイデアと人をまとめる力が必要なCMプランナーの仕事。
 
聞いているだけでかなり大変そうだけど…この仕事の魅力とは?
 
CMプランナーという仕事の魅力

「ぼくが一番ワクワクするのは、企画が通ったときなんです。
 
完成までの道のりは大変かもしれないけど、自分とクライアントの頭の中で『おもしろい!』と共有できたアイデアが、すばらしいスタッフの人たちの手で形にできるんだ、と思うと楽しいんです。
 
しかも、それを不特定多数の人に見てもらえて、『なにこれ!?』と驚いてもらえたり、ブームが生まれたりする仕事なので、やりがいがありますね」
 
また、「CMにはいろいろな制約があるからこそ楽しい」と佐藤さん。
 
「CMはアート作品とは違うので、『商品を売りたい』とか『こんなイメージをもってもらいたい』とか、必ずなにかしらの目的があります。
 
その条件の中で、時にはその制限をうまく使って『いかにおもしろいことをやるか』を考えるのが楽しいんですよね。
 
もしも『30秒間ずっと商品を出し続けてほしい』という条件があったとしたら、ぼくは例えば…タレントさんがずーっと商品を口にくわえていて、逆に商品名が言えなくて困ってるCMを作るとか。
 
…ものすごく“例えば”なので、無視してください(笑)。
 
でも、『さすがにそれは無理でしょ!』っていう条件を出されたほうが、案外シュールでおもしろいものができることもあるんですよね」

広告業界に入ったきっかけ

「どんな企画を世に出すか、考えているときが一番おもしろい」

ところで、佐藤さんはどうして広告業界で働くことを選んだの?

「ぼくはもともと音楽が好きで、ミュージックビデオばかり観ている高校生だったんです。
 
主に海外アーティストのMVを観ていたんですけど、当時『SMAP』とか『JUDY AND MARY』とか『L’Arc~en~Ciel』とか、日本のMVもすごく面白くて。
 
『誰が作っているんだろう』と興味をもって調べてみたら、“ CMプランナー“という職業の人が作っていることがわかったんです」

CMではなく、ミュージックビデオがこの職業を志す最初のきっかけになったんだ!

「しかも、ぼくの友達が、高校生なのになぜか広告業界に詳しくて(笑)『CMプランナーを目指すなら、電通っていう会社があるらしいぞ』って教えてくれたんです。
 
それで『広告代理店』という業種があることを知りました。
 
でも、当時のぼくは…青臭かったんですが『大企業に入って社会のレールに乗るのはイヤだ!』みたいなことを考えて、『映像を作る“現場”で働きたい』と思っていたので、映像制作に関係する大学を探しました。
 
調べていくうちに『どうやら美大がいいらしい』とわかったんですけど、ぼくは絵が描けなくて…。
 
なんとか絵の試験がない学校を探して、日本大学芸術学部の放送学科に進学しました」

CMプランナーという仕事の魅力
 
佐藤さんはその後、大学在学中に『ACC学生CMコンクール』の大賞を受賞!
 
そのまま、映像制作を手がける会社に就職するのかと思いきや、“広告代理店”を選ぶことに。

「CM映像を作る制作会社は、撮影をしたり編集をしたりというアウトプットに直接携わる仕事です。
 
実際に何かをカタチにしていく、ものづくりの本質や醍醐味があると思います。
 
一方、広告代理店は、大きく言えば“企画を考える”職業です。
 
ぼくの場合は、大学時代に映像を作ってみて『ぼくが一番好きなのは、どんな作品にするかを考えているときだな』と気づいたので、『だったら企画を立ち上げる職業の方が向いているかもしれない』と思い、広告代理店の電通を選びました。
 
結局、最初に友達が教えてくれたとおりの進路を選んでるんですけどね(笑)」

高校生の今からできること

ブレイクした商品や映像がどうしてヒットしたのか考える

 
CMプランナーという仕事の魅力
 

最後に、CMプランナーになるために高校生の今からできることを聞いてみた。

「おもしろいドラマや映画などを観たあとに、『この作品がおもしろいのはなぜか』を考えてみるといいですよ。
 
おもしろいものの“構造”を自分の言葉で理解できると、新しいアイデアを考えるときのヒントになります。
 
映像作品だけでなく、『この商品は、どうしてヒットしたのか』『自分は◯◯が好きだけど、◯◯のどこが好きなのか』ということを考察してみるのもオススメです。
 
広告業界にはこれがクセになっている人が多いんですけど、高校生のうちからこのクセが身についていると、企画を生み出す発想力が身につくと思います。
 
あと、この仕事はどんな経験でもアイデアの材料になるんですよ。
 
例えば、すごく嫌なことがあって落ち込んだとしても、それをCMに生かせばいいんです。
 
落ち込んでいる主人公の心を最後に商品が救ってくれるCMを作る、とか。
 
部屋でぼんやりしているだけでも、その経験が自分だけの表現につながるんですよ。
 
だからこそ、例えば…ぼくはやっていなかったのですが、高校生のうちに“感じている気持ち”や“経験”を日記に書き留めておくと『アイデアノート』として将来役立つかもしれませんね。
 
CMは、映画やドラマに比べて圧倒的に本数が多い分、企画者になれる確率も高いんです。
 
CMプランナーを目指して今から努力すれば、誰にでもチャンスはあるので、ぜひ挑戦してください!」

自分のアイデアを、たくさんのスタッフと一緒に実現できるCMプランナーという仕事。
 
新しいことを考えるのが好きな人は、ぜひ目指してみては?

 
 

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撮影/武田敏将
 
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アオキユウ short cut ライター

アオキユウ/short cut

1991年9月生まれ。新潟県出身。好きなものは音楽とスクーター、そして納豆。大学進学とともに上京し、現在はライター事務所・ショートカットに所属しています。座右の銘は「思い立ったが吉日」。幅広い分野に挑戦していきたいと思っています。

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