専門職として期待が高まる保育士!ニーズに応える人材になるには?
「子どもが好き!」という高校生に人気の保育士
高校生の「なりたい職業ランキング」では、いつも女子部門の上位に来る人気の職業の保育士。
待機児童問題や保育士の人手不足が話題になることも多いように、ニーズは高まる一方だ。
「子どもが好き!」という高校生にとっては、魅力のある将来の選択肢の一つだろう。
実は今、その保育士のあり方が大きく変わろうとしている。
大妻女子大学家政学部児童学科学科長の岡健教授に話を聞いてみよう。
「今、日本の保育は大きな制度改革に取り組んでいます。
ポイントは教育・保育や子育て支援の『量』を増やすことと、『質』を改善することの2つです」
保育士の人手不足の解消のためには「量」を増やすことももちろん大切なテーマだ。
しかし、未来に目を向けたとき、より高校生に注目してほしいのは「質」の改善のほうだと岡教授。
小学校入学までの教育が将来の職業や収入に影響する!?
「国内外のさまざまな研究を通して、生まれてから小学校に入るまでの乳幼児期の教育・保育が、大人になってからの職業や収入、昇進などに影響することがわかってきました。
この時期に質の高い教育・保育のプログラムを受けることにより、主体性や自律性、コミュニケーション力の基盤となる力を磨くことが子どもの将来にとって非常に重要なのです」
今は、保育施設ごとに教育の質のバラツキが大きく、高い専門性がある保育士もまだまだ多いとはいえない。
高収入の家庭では、質の高い幼児期の教育・保育プログラムを選び、必要な対価を払うこともできるが、収入が低い家庭ではそれも難しい。
人口がどんどん減っていく日本にとって、国の将来を支える子どもたちをしっかりと育てることは重要なテーマ。
そのため、誰もが平等に質の高い幼児期の教育・保育を受けられるようにするための本格的な取り組みが、今、動き出しているわけだ。
では、そこで保育士に求められる専門性とはどのようなものなのだろうか?
「遊び」を通して子どもの成長にかかわっていく
もちろん今でも保育士は国家資格取得が必須で、子どもの発達や子どもへの教育、さらに保健や栄養などの専門知識が幅広く求められている。
しかし、これからはさらに高度な理論やスキルが必要とされるようになると岡教授。
「その一つが、遊びによって子どもがどのように成長していくかを理論的に理解し、現場で実践する力です」
例えば、子どもがおもちゃを使って遊んでいるときに、その子がその遊びのどんなところに興味をもっているか、今、どのような力が伸びようとしているかを読み取り、適切なかかわり方をすることが大切になるのだ。
そのために必要な環境を専門的な知識に基づいて整えることももちろん欠かせない。
「このような力を養うためには、看護師のように4年制大学で時間をかけて保育士を養成することが求められるでしょう。
また、大学院での保育に関する理論や実践、制度や政策等の研究ももっと幅広く行われるべきです」
保育士のキャリアアップの仕組みも整備されていく
同時に、今まではあまり考えられてこなかった保育士のキャリアについても、新しい仕組みが作られていくだろうと岡教授は話す。
「例えば、研修や試験と連動させて、専門性のレベルに応じて、現場のリーダーや施設長へとステップアップしていくような制度改革も進んでいくのではないでしょうか」
また、保育所と幼稚園が一体化した認定こども園も増加が見込まれている。「保育」と「教育」はすでにセットで考えられるようになってきており、保育士と幼稚園教諭免許状の両方を学生時代に取得することもポイントの一つだ。
このように、保育士はより高度な専門職になっていく。
そうなると大切なのが学校選び。
資格取得だけを意識するのではなく、どんな教員がいるのか、演習や実習でどのように専門性を磨くことができるのかを、オープンキャンパスの際に体験して、話を聞いて確かめてみよう。
それが「専門職」を目指すための第一歩になるはずだ。
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