欧米ではすでに浸透。「ギャップイヤー」を東大が導入!

東京大学では、2013年の新入生から、入学直後の1年間、社会体験のための休学を認める 「初年次長期自主活動プログラム(FLYプログラム)」をスタートする。

 

活動内容として想定されているのは、ボランティア、海外留学、企業でのインターンシップなど。募集人員は30人を上限とし、活動の内容に応じて、必要であれば50万円を上限に費用もバックアップする。

 

「入学したばかりで休学?」と感じる人もいるかもしれないが、これは「ギャップイヤー」として欧米では浸透している慣習・制度。高校と大学のつなぎの期間などを勉強以外の社会体験に充てることを指し、個人的に取り組むケースもあれば、大学や自治体などがプログラムを設けている場合もある。発祥はイギリスで、アメリカなどでも拡大してきている。

 

国内のギャップイヤー普及に努める一般社団法人 日本ギャップイヤー推進機構協会の砂田薫代表はその意義についてこう語る。

 

「同じ環境で勉強ばかりしていたのでは経験の幅が狭まります。大学で学び始める前などに、非日常下で社会を見ること、異文化を体験することで、『大学で何を学ぶか』を整理できるメリットがあるのです」

 

ギャップイヤー経験者はリーダーシップや時間管理能力などさまざまな点で未経験者より長けているという調査結果もあり、国内の大学でも徐々に注目度はアップ。すでに導入例もある。

 

名古屋商科大学は入学直後、または2年次の最初に2カ月間にわたってヨーロッパ各地を巡って調査、ボランティア活動、企業訪問などを行うギャップイヤー・プログラムを実施。9月入学を実施する国際教養大学では、入学前の半年を各自の計画に基づいた研修活動に充てるギャップイヤー制度を設け、単位を付与している。