大学?職業訓練校?「大学校」って何?
高校生の進学先としては大学、短大、専門学校があるが、「大学校」については「聞いたことはあるけど詳しく知らない」という人も多いのでは?
名前からすると大学と同じようなものにも思えるが、実は「大学校」という名称を使うことには法律的な制限はなく、数ある大学校の中身はバラバラなのだ。
ほぼ大学のような学校から、公務員などの研修機関、地方自治体などが設けている専修学校専門課程、地方自治体・民間団体・民間企業などが設けている職業訓練機関、さらに地方自治体が開催する市民講座までと多様。対象者も高校新卒者から社会人まで大学校ごとに違う。ただし、市民講座を除けば、おおむね「特定の分野の職業に必要な知識や技術が習得できる学校」というくくり方はできそうだ。
さて、このうち高校生の進学先として注目しておきたいのが、「ほぼ大学のような」大学校。大学卒業時に得られる「学士」の資格が得られる大学校があるのだ。具体的には、防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校、国立看護大学校、水産大学校、職業能力開発総合大学校が該当。
また、入学すると国家公務員の身分になり、学費を払うのではなく給料がもらえる大学校もある。前述の防衛大学校、防衛医科大学校、海上保安大学校、気象大学校に加えて、航空保安大学校。これらは卒業後に、それぞれ防衛省や気象庁などの省庁に進むことが決まっている。つまり「大学校入学=就職」に近い。
このほか、国立看護大学校は、学費は普通に払うが、国立高度専門医療研究センターで働く看護師の養成を目的とした大学校。ただし、水産大学校や職業能力開発総合大学校のように卒業後の進路は自由なところもある。
ちなみに、自治体などが設置している農業大学校や福祉大学校は、だいたいが専修学校専門課程。もちろん高校新卒者が入学でき、2年以上の課程で学べば専門士の資格も得られる。
このように「大学校というのがこういうところ」と一概にはいえないので、気になったら一校一校詳しく調べてみよう。