僕らの一歩が日本を変える-高校生100人が国会議員と討論

「高校生が世の中を変えるなんてムリ!」そう思っている高校生は多いだろう。そもそも選挙権がないし、高校生1人の力は確かに小さいかもしれない。

 

しかし「いや、そうでもないかも?」と思わせるイベントが、春休み中の3月28日、国会議事堂の隣の衆議院議員会館にて開催された。高校生たちが国会議員30数人と討論する「高校生100人×国会議員」イベントである。

 

このイベントを企画・開催したのは、「僕らの一歩が日本を変える。」という高校生団体だ。10代の政治関心の向上および10代の政治参加の拡大を目指し、昨年、法政大学第二高校3年(当時)の青木大和さんが仲間を募って設立。

 

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首都圏のさまざまな高校に通う高校生11人が運営している。このイベントのほか、昨年末の衆議院選挙前には全国12カ所の主要都市をめぐり、1000人を超える高校生を取材してインターネット上に発信する「全国行脚」も行った。

 

「高校生100人×国会議員」イベントの冒頭では、自民党の石破茂議員をはじめ、細野豪志議員(民主党)、福島みずほ議員(社民党)などが、「今、若者に一番伝えたいこと」についてスピーチした。その後、参加する100人あまりの高校生が10グループに分かれ、「高校教育」「いじめ」「福祉」「日米安全保障」「地方」などのテーマ別に討論。

 

そこに蓮舫議員(民主党)、松田公太議員(みんなの党)など多くの国会議員や官僚が参加した。最後は、各グループで話し合った解決策について、高校生が壇上でプレゼンテーションを行い、全体で共有した。

 

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「僕らの一歩が日本を変える。」は、首都圏だけではなく全国の高校生を視野に活動している。このイベントでも企業の協賛により交通・宿泊費を支給する制度をつくり、北海道から九州まで幅広い地域から高校生が集合。

 

参加者からは、「政治への意識の高い高校生とたくさん知り合うことができて刺激になった」、「いろんな地域の高校生の意見が聞けて視野が広がった」、「たくさんの議員さんの話が聞けて政治に対するイメージが変わった」など、さまざまな感想が聞かれた。

 

仙台市からやってきた阿部望さんは、参加の経緯をこう語る。

 

「たくさんの被災者やボランティアの方とかかわるなかで、被災地への助成金の使われ方がなんかおかしい、と感じたんです。そこから、助成金はどこからくるんだろう? 誰が決めているんだろう?…などいろんな疑問がわいて政治に興味を持つようになり、このイベントにも参加したいと思いました。4月からは大学生になりますが、組織を動かすという意味で政府に通じる面もある、大学の生徒会運営をまずは頑張っていきます」

 

イベントの終わりに、「僕らの一歩が日本を変える。」代表の青木さんは、参加者にこう呼びかけた。

 

「これまで活動を行ってきて、10代のムーブメントの全国的な広がりを少なからず感じています。将来的には若者がしっかりと日本のビジョンを考え、よりよい日本を創造していくと、私は信じています。20年後、30年後にふり返った時、『僕らの一歩で日本は変わったな』の一言がいえるようにしていきましょう」

 

みんなも社会に対して「なんかおかしいぞ」と感じることがあるだろう。その考えを友だちと共有する、大人に疑問をぶつけてみる、専門家の意見を聞いてみる…それぞれにできる一歩を踏み出してみてほしい。それが社会を変えることにつながるかもしれないから。