進学も就職も近場が一番!?ますます強まる高校生の地元志向

大学に進学するとしたら、東京や大阪などの大都市に出たいか、地元に残りたいかは、都市部以外の高校生にとっては意見が分かれるところ。

 

「都会で生活したらいろいろ楽しいことがありそう!」「いやいや、地元の仲間と離れるのはやだよ」などいろいろな思いがあるはずだ。

 

では、実際のところ、どちらが多数派なのだろうか。リクルート進学総研が大学などの進学者を対象に行った調査によると次のとおり。

 

●志望校検討時の地元選択志向

<全国>
地元に残りたい   49.0%
地元を離れたい   18.8%
どちらでもよい   22.3%

出典:「進学センサス2013」2013年7月

 

「残りたい派」がほぼ半数。「離れたい派」を倍以上上回った。ちなみにこのデータには東京や大阪など都市部の高校生の意見も入っているので、「残りたい派」と「離れたい派」の割合を大都市圏以外に絞って見てみるとこうなる。

 

●地元に残りたい派:地元を離れたい派
北海道     36.6% : 29.1%
東北      33.6% : 28.7%
北関東・甲信越 35.4% : 29.3%
北陸      33.6% : 36.7%
中国・四国   31.2% : 34.8%
九州・沖縄   38.2% : 27.9%

 

それでも、多くのエリアで「残りたい派」が「離れたい派」を上回った。例外は北陸エリア、中国・四国エリアだが、それでも、「残りたい派」が3割を超えているのは他のエリアと同様だ。

 

そして、この高校生の地元志向はここ数年で急激に伸びている。「残りたい派」がどんなペースで増えているかをデータで見てみると…

 

●「地元に残りたい派」の割合の推移

2009年 39.8%
2011年 46.2%
2013年 49.0%

 

このように4年で9.2ポイントも伸びている。この背景について、リクルート進学総研は、「不況の影響で、経済的に仕送りをすることが難しいということから、地元志向が高まっていると考えられます」と分析。

 

全国大学生活協同組合連合会が毎年実施している「学生生活実態調査」によると、2012年度の自宅外通学者の仕送り額は平均月6万9610円。保護者にとってこの負担はやはり大きく、それが高校生の進路選択にも影響しているようだ。

 

また、大学・短大や専門学校を卒業した後も地元に残りたいかという質問にも42.1%が「残りたい」と回答。地方での就職は厳しい現状があるものの、こちらも地元志向が強く表れている。こちらも合わせて考えると、地元愛や家族・友人と離れたくないという気持ちもやはり強くなっていると言えそうだ。

 

さて、あなたは「地元に残りたい派」?「離れたい派」?