才能って一体何?自分にはどんな才能があるの?『ビリギャル』の坪田信貴先生に教えてもらった!
「自分には才能がない」と悩んだことはない?
スタディサプリ進路が全国の高校生100人にアンケート調査を行ったところ、「自分には才能があると思いますか?」という質問に「NO」と答えた人は約70%。
その理由としては、
・「才能がある人と比べると、つまらない人間だと感じるから」(高 3 男子・長崎県)
・「あたりさわりなく平凡に過ごしていて、自分の長所や特技といえるものが何もないから」(高 2 女子・神奈川県)
・「努力しないと何もできないから」(高 1 男子・埼玉県)
・「才能があったら、もっとほかのことをしているはずだから」(高 1 女子・東京都)
という意見があった。
さらに、「自分以外で才能があると思う人はいますか?」という質問には、約90%が「YES」と回答。
家族や友達など、身近な人から、芸能人、スポーツ選手など、さまざまな名前が挙げられた。
そもそも「才能」って何なのだろうか?
「才能がない」と思っている人が多いけど、本当なのだろうか?
どうやったら「才能のある人」になれるのだろうか?
著書『才能の正体』で、「才能は、誰にでもある」と説いている『ビリギャル』の坪田信貴先生に、「才能」について聞いてみた!
【今回教えてくれたのは…】
※今回、「才能」について坪田信貴先生に聞いてきた!
坪田塾塾長。心理学を駆使した学習法により、これまでに1300人以上の子どもたちを「子別指導」、多くの生徒の偏差値を急激に上げてきた。
映画化もされて大ベストセラーとなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』のほか、『どんな人でも頭が良くなる世界に一つだけの勉強法』『才能の正体』など著書多数。
テレビ、ラジオ、講演会でも活躍中。
<<目次>>
才能とは能力を磨いて尖った部分
※才能とは能力を磨いて尖った部分
そもそも「才能」とは何なのだろうか?
「才能」を辞書で引いてみると、「生まれつきの能力。また、その働きのすぐれていること。才幹」(『日本国語大辞典』より)、「物事をうまくなしとげるすぐれた能力。技術・学問・芸能などについての素質や能力」(『大辞林』より)と書かれている。
「もって生まれた、すぐれた能力」という意味が一般的だが、坪田先生が考える「才能」は、そうではないという。
基本的には、後天的なものです。
能力は誰でももっているもの。
歩くのも能力だし、話をするのも能力。
動詞のすべてが能力です。
その能力を磨いていって、どんどん高まって、人よりも突出したり、尖ったりする部分が出てきたら、それが「才能」になるのです。
ちなみに、『広辞苑』で「才能」を引いてみると、「才知と能力。ある個人の一定の素質、または訓練によって得られた能力」と書かれています。
この解釈がぼくの考えに一番近いでしょう。
才能がないのではなく磨かれていないだけ
※才能がないのではなく磨かれていないだけ
自分は才能がないと思っている人が多いけど、坪田先生は、「才能は、誰にでもある」と断言する。
自分よりもテストの点が高かったり、足が速い人がいて、努力しても勝てなかったりすると、自分には才能がないと、あきらめてしまう。
友達をライバル視して、自分ができていないところばかり気にしてしまう。
ネガティブな部分ばかりに目がいって、自分は才能がないと決めつけてしまうんですね。
『ビリギャル』のさやかちゃんは、「もともと才能があったんでしょう」とよく言われます。
でも、その人は、さやかちゃんに会ったことがありません。
何をもって「才能がある」と判断したのでしょう。
それは、慶應大学に合格したから。
つまり、人は結果だけを見て、才能があるかないか判断していることが多いのです。
自分の能力以上のことは判断できないから、結果だけを見て、才能の有無を決めつけてしまうのは、間違っていると思います。
高校生は、才能がなくてあたりまえです。
なぜなら、まだ能力を磨いていないから。
才能とは、能力を磨いて出てくるものだから、才能をもっていないのではなく、まだ磨かれて尖った能力がないだけ。
誰でも能力はもっているから、あきらめないで、それを磨いていけば「才能」として認められるようになるのです。
自分が好きな何かを磨くことを毎日の習慣にする
自分にはどんな才能があるのか、わからない人も多い。
どうやったら、自分の才能をみつけることができるのだろうか?
あなたが今、楽しいと思うことを磨いていけばいいのです。
磨きたいものを磨けばいい。まずは好きなことをやってみる。
もし、うまくいかなかったら、ほかのことをすればいい。
毎日必ず少しずつでもいいから、何か続けていくことを習慣にしてください。
それを習慣にできたら、いつか必ず何かしらの才能の花が開きます。
大きく咲く人もいれば、小さな花がいっぱい咲く人もいるでしょう。
ぼくは、自分の尖りを証明し続けようとする人が「天才」だと思っています。
例えばイチローさんは、10 年くらい前にピークだと思って引退していてもおかしくなかった。
でも、まだまだ自分にはもっと尖らせる、磨くところがあると考えて、今でも野球の練習を続けている。
それが単純に習慣になってしまっていると思うんです。
多くの人は、どこか早い段階であきらめてしまって、磨くのをやめてしまう。
そして「自分には才能がない」と言い始めるのです。
大切なのは、自分の能力の何かしらを磨いて、少しでもいいから尖らせ続け、それを習慣にすることです。
自分に合った能力の磨き方をみつけよう
※自分に合った能力の磨き方を見つけよう
同じことをやっていても、できる人とできない人がいる。
能力は、どうやったら磨くことができるのだろうか?
例えば、英単語を 10 回書けと言われて、書いて覚えられる人と、書くより耳で聞くほうが覚えられる人、書かなくても目視しただけで覚えられる人がいるでしょう。
その授業が自分に合っていれば、成績は上がりますが、合わなければ伸びない。
能力を磨きたいと思ったら、まず自分に合う方法を見つけることが大切です。
好きな先生の授業は、自然に成績も良くなりますよね。
数学が嫌い、なのではなく、数学の先生が好きではないから数学が苦手、なのかもしれません。
塾や『スタディサプリ』などで、素敵だなと思える先生を探してみてもいいですね。
日記を書いて「いいな」と思った言葉をメモする
誰もがもっている能力を伸ばしていけば、「才能」=ほかの人にはないような突出した能力になっていくという坪田先生。
では、具体的に、どうやって伸ばしていけばいいのだろうか?
その日にあったことだけでなく、いいなと思った言葉を全部メモしています。
日記にしっかりと書いて、あとから見直すことで、自分の行動のヒントにしているのです。
日記を書いていない人は、今から日記を書くといいと思います。
日記を書き始めるというと、新品の立派な日記帳を買わなければいけないと思う人もいますが、形から入る必要はありません。
例えば、旅行に行くときに、わざわざ日記帳をもって行くのは荷物になりますよね。
そんなときは、ティッシュにメモして、それを日記帳に貼ってもいい。
チラシの裏に書いたっていいんです。10年後に見返して、「タマゴ安っ」とか、違う発見があることも(笑)。
大切なのは、何でもいいから、ひとことでもいいから、毎日必ず書くこと。
今日は、むかついた。
今日は、友達と遊んで楽しかった。
それだけでもいいから、とにかく継続することが大事。
例えば3年後に見返したとき、この時期、よくむかついているなぁ、と、自分の精神状態のパターンがわかってきたりすることも。
そして、良い言葉、良いセリフに出会ったら、必ずメモしておきましょう。
いつか、そのセリフを使えたり、その言葉が役に立つ日がくるはずです。
ぼくの日記帳は、ちょっとした名言集になっていますよ。
自分の得意なところから1点突破すること
※自分の得意なところから一点突破すること
これから「才能のある人」になっていく高校生のために、坪田先生からアドバイスをいただいた。
得意な 1教科を徹底的に勉強して、誰にも負けないくらいやってみてください。
うまくいけば、そのやり方がほかの教科にも生かせます。
苦手な教科を克服したい気持ちもわかりますが、まずは得意な教科で自信を持つことが、能力を伸ばす第一歩になるのです。
同様に、大学受験も1点突破。
才能がないから、といって偏差値で決めて、合格できそうなランクの大学をあれこれ受けるのはダメ。
MARCH のどこか、と言っても、偏差値は同レベルでも、それぞれ教育方針も、学べることも、キャンパスの雰囲気も全然違います。
例えば、「あなたのことが好きです。でも、ほかにも好きな人がいて迷っているんです。もし、その人がダメだったら、私と付き合ってもらえますか?」と告白したら、相手は「は?」って思いますよね(笑)。
志望校側から考えてみたら、それと同じこと。
だから、うまくいかないのです。
自分が学びたいと思う学校を決めて、1点突破を目指してください。
「あこがれ」って大事だと思うんです。
「この先生、すてきだな」って思って授業を受けると、自然と頭に入ってきて、成績が上がりますよね。
自分が好きな人の行動を完コピすれば、能力を伸ばす方法がわかります。
「この社長が好きだな」と思う人の会社に入れば、その人のために仕事を頑張ろうと思えます。
「好きだな」「すてきだな」と思う人をみつけて、その人のためにどんどん何かをやっていくと、自分の能力を伸ばすことができて、才能につながっていきますよ。
「自分は才能がない」とあきらめてしまわないで、好きなこと、楽しいことの能力を磨くことを始めてみましょう。
誰にでも、才能はあるのだから。
もっと詳しく「才能」について知りたい、能力の伸ばし方を知りたい、という人は、『才能の正体とは』坪田信貴著/幻冬舎
※2018年11月取材時点の内容です。
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